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為替市場は不健全!?今週の焦点はドル高へ如何にG7が触れるか!

円安ドル高が進んでいます。この円の急落はなぜ起きているのでしょうか。学者兼投機家の山崎和邦さんは、「為替市場は元来、不健全な市場である」と述べています。その真相とは? そして今週の為替市場はどう動くのでしょうか?

G7でドル高の問題が出るかでないか

今回のドル急騰円急落は為替市場独自の動きとなっている点が特徴であろう。ヘッジファンドは米利上げが9月と読んだシナリオを先取りしているのであろう。

為替市場は元来、不健全な市場である。一人の政府要人の言や一国の国益のための言動で上下に激しく揺れて、その趨勢が定着してしまうこともある。例えば85年プラザ合意の後の10年間で240円から79円になり、その後3年で147円にする、という具合にである。

円・ドル・ユーロの主要3通貨の動きで見ると、今回の急激な円安は「円の独歩安」または「ドル高・ユーロ高・円安」ということになる。投機的な円売りが活発化した、と見る。NYで126円弱まであった。

米国の「プロシャーズ・ウルトラショート・エン」という上場ETFがある。円安になると価格が上がる仕掛けになっている。円売りポジションを採る投資家が幅広く用いる。大規模に円安が進んでいた一昨年春に比して運用資産は7割に留まっているが、現在は400億円程度の運用資産らしい。

米のGDPの予想以上の悪さは主因は輸出不振にあり、その要因はドル高にある、という理屈で米がドル安に舵を切る恐れはある、と既報で述べた。が、米当局はドル高を嫌い始めた、というのは穿ち過ぎた見方であったようだ。

一旦訂正する方がよさそうである。スガさんは政府の円安容認的なコメントを出した。

円高は目先的にあっても一時的と見る。

それよりも今週の焦点はG7だろう。まずはウクライナの停戦履行要求をロシア・ウクライナ双方に求めることが焦点だろうがウクライナ問題は長引く。

日本にとっての焦点は。ドル高へ如何にG7が触れるか、どんな声明文が出るか、である。G7でドル高の問題が出るかでないか、気になるところである。日本国内でも急激な円安は宜しくないという意見もある。財務相の麻生さんのホンネもそこに在る。だが、4月にかけての円安牽制のホンネは統一地方選挙で円安に苦労する中小企業主に対するスタンスであろう。また、円安政策が地方経済を疲弊させるという声に対するスタンスであった。が、その「遠慮」は終った。

一方、12年半ぶりの安値(サブプラプライム破裂以前、小泉政権時代以来の安値)であることから、円相場の過熱感も出始めており、これ以上の急激な円安の動向は通貨当局と円売り株買いのヘッジファンド側の駆け引きとなろう。ファンド主導らしげな円急落が続けば、通貨当局に警戒感も出よう。

来週開催されるG7でドル高問題がどう出るか、にも大いに影響される。また、一方で米国のGDPは市場予想より悪かったのは貿易不振、それはドル高が原因、よってドル高牽制という動きを一時は気にしたが、それはなさそうだ、という気配になったと述べたが、しかし、米国は自国の利益になりさえすれば手のひらを返すようなことは平気でやり、何でもやらかすという国柄だから、何を仕出かすか解ったものではない、という警戒感は一応要る。

だが、超長期で見れば日本の国力の衰えは事実だから筆者は「悲しい背景による円安」と見ているし、実効購買力平価で見ても円安方向であることは事実である。

山崎和邦 週報「投機の流儀」』(2015年6月7日号)より一部抜粋

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