夏休み、お盆休みの兼ね合いで相場が軟調になりやすいという8月の「夏枯れ相場」。果たして今年はどのような月になるのでしょうか。『まぐまぐ大賞2014』無料部門で総合2位に輝いたメルマガ「ハロー!株式」を配信するaquaさんが今年の8月の相場について、語ってくれています。
薄商いの8月は相場が大きく動きやすいという傾向も
8月といえば国内投資家の多くが夏季休暇やお盆休み、海外投資家もバカンス入りとなるため出来高が低調になりやすく、薄商いであるために相場が大きく動きやすいという傾向があります。
8月に相場が大きく動いたケースとしては、90年8月のイラクのクウェート侵攻、91年8月にはソ連でクーデターが発生しゴルバチョフが失脚、いわゆる「レッドマンデー」で急落。98年の8月は「ロシア危機」。ルーブルが暴落し、ロシアは国債償還の5年延期を発表、同国は事実上のデフォルト(支払い不能)状態に陥ったことで世界経済が混乱。
07年8月はいわゆる「パリバショック」で、フランス銀行大手のBNPパリバがサブプライムローン関連商品を組み入れたファンドの解約凍結を発表し、その後のベアー・スターンズの経営危機、リーマン・ブラザーズの経営破綻、そして金融危機へと続く序章となりました。いずれのケースも海外発の悪材料が発端となっています。
また、マーケットには「8月の円高」という言葉があります。8月中旬に米国債の利払いがあるため、利子の円転で円買い需要が発生し円高になるというのがその根拠です。実際の円買い需要は円ドル取引全体から見ればそれほど多いわけではなく、市場参加者が少ないという8月の季節性が振幅を大きくしている側面は否めません。
なお、2日(あるいは3日)から取引が始まる月を「二日新甫(または三日新甫)」と言い、そうした月は荒れる(大きく動く)という相場のジンクス(アノマリー)がありますが、今年の8月は3日から取引が始まる三日新甫となっています。
ちなみに昨年8月はアメリカによるイスラム国への空爆が相場を圧迫。昨年は、前3カ月と後3カ月が陽線(月初よりも月末が高い)であったのに対し、8月のみが陰線となっています。
つまるところ、下げたところが押し目となり買い場になったということです。大きく動けばチャンスが広がります。そうしたことを念頭に、三日新甫のジンクスも前向きに捉えたいところです。
『ハロー!株式』(2015年7月31日号)より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による