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【RIZIN】桜庭和志は何と闘ったのか?~問われるフジと主催者の姿勢=近藤駿介

フジテレビによる10年ぶりの総合格闘技イベント『RIZIN』を観た。視聴率をとるために引退寸前の選手を「レジェンド」に祭り上げ、生命の危険に晒してまでリングに上げるやり方には大きな疑問を抱く。

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝えるメルマガ『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』がまぐまぐ大賞2015メディア賞を受賞。

総合格闘技中継復活~レジェンドの試合に明日は無い

ひたすら痛めつけられた「レジェンド」

フジテレビが10年ぶりに中継した総合格闘技イベント『RIZIN』を観て感じたのは、総合格闘技はテレビ放映には向いていないこと。ボクシングの世界タイトル戦を見た直後だけに、なおさらその動きの遅さや少なさが際立った印象。

こうした印象を強めているのが選手の高齢化。注目、視聴率を集めるために「レジェンド」と称して40代半ばを過ぎた引退寸前の人間を担ぎ出し、生命の危険に晒させるやり方で格闘技ブームが再来すると思っているのだろうか。

勝負だから仕方がないものの、5分以上もマウントポジションをとられ続け、ひたすら痛めつけられる「レジェンド」に祭り上げられた桜庭和志の姿を観たいファンがどれほどいたのか。

ピーター・アーツまで担ぎ出す主催者の姿勢に疑問

大晦日にも「曙 vs ボブ・サップ」という「46歳 vs 43歳」の再戦や、バンナ(43)の欠場で急遽把瑠都(31)のデビュー戦の代役に駆り出されたピーター・アーツ(45)など、40代半ばの選手の試合が目白押し。

特に引退して打撃トレーナーとして来日していたアーツを、試合の2日前に担ぎ出すとは…。感じるのはアーツの「男気」よりも、主催者の「姿勢」。

視聴率低迷に歯止めがかからないフジテレビによる10年ぶりの格闘技中継だということを割引いても、視聴率をとるために引退寸前の選手を「レジェンド」に祭り上げ、生命の危険に晒してまでリングに上げるやり方には大きな疑問を抱く。

旬を大きく過ぎた「レジェンド」の惨めで魅力のない試合は、一時の視聴率向上には貢献するかもしれないが、中長期的には総合格闘技のファンを減らしていくもの。「レジェンドの試合に明日は無い」ことを自覚して貰いたいもの。

格闘技ファンとしては、大晦日も格闘技中継を見ることになる。しかし、それは、試合が楽しみというより、年末に総合格闘技中継をテレビ観戦出来るのも今年限りだろうと感じるからだ。来年末はボクシングの世界タイトルマッチだけをじっくり観戦させてもらうつもりだ。

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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年12月30日号)より
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