エブリスタ×まぐまぐ 超妄想コンテスト 第12回受賞作発表!

2015年11月18日〜12月1日に「まぐまぐ」と小説投稿サイト「エブリスタ」で行われた『三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第12回 withまぐまぐ!』。応募総数は500作品を超え、恋愛、SF、純文学と様々なジャンル、構成の作品を応募いただきました。みなさんありがとうございます。 どの作品も力作ぞろいですので、ぜひご一読ください。

まぐまぐ賞受賞作品

『嘘』
綿瀬 夕
西暦2080年。
産業革命から続く技術革新は留まる事を知らず、今もなお成長を続けて僕達の生活を豊かにしていた。電車や車は全て無人運転。家電製品はその人の脳波に合わせて作動し、その人が過ごしやすい環境を提供してくれる。開発こそされていないが、タイムマシンももうすぐできるという噂だ。正直これ以上の進歩は無いのではないかと言われている。

そんな科学技術の進歩の中でも特に発達した分野は医学だった。ありとあらゆる病気は全て治療薬が開発され、診断技術も格段に上がり誤診などは万に一つも起こらない。不治の病なんて言葉はもはや都市伝説と化した。

これらはすべて、20年ほど前つまり僕が生まれた頃に導入された医療機器「ラプラス」によってもたらされた恩恵である。 ラプラスに血圧、体温、年齢などありとあらゆるデータを打ち込む事でその人の体調を正確に読み取り、具体的にどこに問題点があるのかが分かる。さらに驚くべき事に、導きだした健康状態からその人の寿命を正確に導き出すこともできる。
名前の由来は、物理学者のピエール=シモン・ラプラスによって提唱された空想上の生物「ラプラスの悪魔」だ。与えられたデータから寿命を算出し、さらには患者にその事実を容赦なく突きつける。これほどまでにふさわしい名前はないだろう。僕は今その悪魔の目の前にいる。
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大賞
『不変のディザイア』
plamo
過去にメールを送った瞬間に改変後の過去の記憶が溢れ出てくる描写には胸がいっぱいになります。緊迫感が途切れることなく読みきった後はえもいわれぬ感動が待っていました。この作品を読む>>

準大賞
『先見の明』
冨森駿
未来予知のメールで一攫千金…という理論にワクワクしながら読み進められます。胡散臭い男たちのやりとりが楽しく、どんでん返しにもニヤリとさせられる、大人のクールな短編です。この作品を読む>>

入賞
『蝶は羽ばたいたか』
万里なお
ワーカホリックの主人公が一通のメールで行動を変える物語。ドラマティックでありながら日々の生活に密着している出来事が丁寧に描かれており、読むと元気が出る物語です。この作品を読む>>

佳作
『300年の孤独』
夕凪なくも
家族を喪った男性が、再び家族と一緒に生きる方法を模索する物語です。主人公の試行錯誤から、300年後の未来が少しずつ変化していく様子には読み応えがありました。この作品を読む>>

『はりぼてプライド』
唐熊渡
かつては一緒にタイムカプセルを埋めたのに、一人は不良に一人は優等生になり、疎遠になってしまった二人。決して結ばれることのない二人の関係に切なくなります。この作品を読む>>

『私の一部からのメール』
犯人B
「未来の私」をこう使ったか、とうならされる上に、もし未来予知ができたらこんな恐ろしいことが起こるのか…とゾッとさせられました。この作品を読む>>

『未来エミュレーション』
いちた
1ページめから世界観と設定に引き込まれました。マッドサイエンティストの物語かと思いきや、大きく予想を裏切るオチも秀逸。この作品を読む>>

『未来メール』
山崎あきら
脚の怪我で部活に出られなくなった主人公の心境から始まる、心が温かくなるお話です。ある仕掛けが物語に施されており、その仕掛けが明らかになったときの驚きが気持ちいい。この作品を読む>>

『一寸先は闇?』
田代秀孝
メールの文章が面白く、主人公のドジっぷりも笑えます。短いながらも笑えて、ほっこりできる作品です。この作品を読む>>