結局、何を言ったら「セクハラ」なの?会社でできる「防止策」とは

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近年、社内のセクハラをめぐっては会社の責任も問われる傾向にあります。問題が起これば、その社のイメージも著しく低下するセクハラ、防止策はあるのでしょうか。無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、「社員が青ざめるほどの研修での意識改革が必要」と説いています。

何を言ったらセクハラなのか

政治家の失言というのがたまに話題になります。そして、場合によってはその失言によって議員を辞職などの大事にいたってしまうこともあります。なぜそのような失言をしてしまうのか? おそらくですが、その理由は2つあると私は考えています。

1つ目は、言ってはまずいと理解していながらも、ついポロッと言ってしまうケースです。その場の雰囲気や、インタビューのされ方によってつい本音がでてしてしまうということもあるのでしょう。

そして、2つ目はそもそもそのことが悪いことだと自覚していないケースです。失言のあとの報道を聞いていると、とりあえず謝罪はしてるけどあきらかに反省はしていなそうと感じることも結構あります。

ただ、この2つ目を自分に置き換えてみると非常に難しい部分もあります。それは、なにを言ったら「失言」かの判断が非常に難しい場合もあるからです。ちょっとした自分の一言で、思いもよらない人を傷つけてしまうこともあるでしょう。もしかしたら、みなさんも同じような経験はないでしょうか。

これはセクハラにも同じことが言えます。「何を言ったらセクハラなのか?」とは、よくご相談をいただく内容ですが「この言い方はダメです」とは一概には言えない場合があるからです。指針ではセクハラとは下記のように定義されています。

  • 性的な事実関係を尋ねること
  • 性的な内容の情報(噂)を意図的に流布すること
  • 性的な冗談やからかい
  • 食事やデートへの執拗な誘い
  • 個人的な性的体験談を話すこと

どの内容も当たり前にセクハラですし、これらに疑問を感じる人はいないでしょう。ただ、実際の行動に置き換えると判断が難しいところもあります。例えば、「食事やデートへの執拗な誘い」と「食事やデートへの熱心な誘い」は何が違うのか? また、「相手の容姿のことを言う」というのもそうです。これも、こちらは褒めたつもりでも、相手がそれを不快に感じたらセクハラととらえかねません。つまり「何を言うかよりも相手がどう感じたかが重要ということです。

では、会社としてはどう対応したら良いのか?

それはセクハラ自体の考え方を研修などで社員にしっかりと伝えることです。「この言い方は◯、これは×」というだけではセクハラを防止することはできません。また、依然として「誰が考えてもそれはセクハラ」という問題を起こす社員が多いのも事実です。そういった社員の意識自体を早急に大きく変える必要があります。

最近は、セクハラに対する会社の責任も厳しく問われる傾向にあります(いざ問題が起きた場合は、会社はそれまでにどのような対策をとってきたかというのも問われます)。そして、一度その問題が起きてしまうと取引先や採用にも大きな影響がでてしまいます。

また、その被害者が退職にいたってしまうケースも多く会社として貴重な人材を失うことになりかねません。今こそ、社員が青ざめるくらいの研修で意識改革することが求められているのです。

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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。
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