高城剛さん まぐスぺインタビュー第二弾

高城未来研究所「Future Report」

  • 時代の変化についてゆくヒントを得られる
  • 直観の鍛え方を学べる
  • 直接質問ができる

2016年は、1月の日銀マイナス金利決定から始まり、ベルギーの連続テロ事件、安保関連法の施行、パナマ文書問題、熊本地震、東京五輪招致の賄賂疑惑、米大統領の広島訪問、舛添都知事の辞任など、海外に限らず日本国民にも大きな影響を与える重大事件や自然災害などが重なった年となりました。これから日本は、そして世界はどう変わっていくのか、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで「まぐスペ」では、メルマガ「高城未来研究所」の著者で、毎日のように世界中を飛び回る高城剛さんに、毎日めまぐるしく変わる世界情勢の「裏側」についてお聞きするためロングインタビューを敢行。いま話題の「医療大麻」から「オリンピックと報道の自由」、そして「北朝鮮がミサイルを撃つ理由」についてまで多岐に渡って語り尽くしてもらいました。

【関連】高城剛氏「いくらあれば、どの国に移住できるか?今はデュアルライフの時代です」

「牛耳る」人達に動かされる報道

高城: 沖縄本島以外の離島のほうは、もうみんな基地バブルになっているから。だって与那国とか、人口の4分の1ぐらいある規模の基地ができちゃって、もう「大基地バブル」だよね。「うちの定食屋も拡張しなくちゃ」みたいな(笑)。

まぐまぐ: 激しいバブルですよね。

高城: だから、まず通信業者と土木業者が行くんですよ。だって、与那国島だなんて普通は誰も行かないですよ、僕みたいな変人以外は。それなのに、いきなり土建の人たちが石垣島から飛行機で乗り込んで来て、どんどん土地をならしていってるわけ。で、土建業者も人手が足りないってことで、他の島からもさらに人を運んで……。だから離島の人たちは、全員自民党の味方なわけですよ。本島の人たちは反自民だけど、離島は基地バブルで恩恵を受けてるわけだから

まぐまぐ: いやぁ、そういう空気って、実際に行かないと分かんないですよね。

高城: うん。だから沖縄ってひと口に「オール沖縄」じゃなくて、離島の人たちは「どんどん基地造ってください」。でも本島の人たちは「基地反対」っていうふうに分かれているよね。アメリカとしては、PAC3とかをもっと日本に売り付けたいから、北朝鮮の坊ちゃんに「日本海のほうに、軽くジャブ撃っとかない?」みたいな感じで、裏から手をまわすわけですよ。

まぐまぐ: ……そういう構図なんですね。

高城: だって、そういうことでしょ?尖閣諸島に初めに上陸した活動家っていうのも、結局は「香港のアメリカ関係の中国共産党の反対団体」って、よく訳の分かんない人たちだったわけで。つまり中国共産党に反対している人たち、アメリカ側の人たちが最初に尖閣に上陸したわけだから、それってどういうことか……。

まぐまぐ: そういうことって、テレビとかでもっと言ってほしいですけどね。

高城: それは言えないですよ。だって、テレビの電波を握っているのは、横田基地だから。テレビっていうのは、電波帯域があるわけですよね。それは総務省が基本的に管理しているんですけど、何か変更するときは、まず横田基地にお伺い立てなきゃいけない。

まぐまぐ: 先に話を通しとかないとやばいぞっていう……。

高城: そう。そのとおり。そういうことになっているから、テレビじゃ絶対にアメリカの意向に逆らうことはできませんよ。だって「電波止める」って、前の総務大臣も言っていたでしょ、事実。当たり前じゃん。そんなの。……僕は別に、悪いことを言っているんじゃなくて、そういうことになる「かも」しれませんっていう、ただの「個人の意見」ですから(笑)。

まぐまぐ: 個人の意見ですか。

高城: まぁ僕が、総務省の情報通信審議会をやってたときに、よく分かったことなんだけどね(笑)。

まぐまぐ: やっぱり、そこも牛耳られているんですね。

高城: 牛耳られているっていうか、自主規制だよね。なんかあったらよくないなってことで自主規制。それはもう全部、そうじゃないですか。例えば、ジャニーズ事務所とかも「メリーが悪いじゃん、SMAPの件は」とか、テレビでは絶対に言えないよね。みんな、そう思っていたとしても。

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まぐまぐ: それも言えないですね。

高城: あと、よくウェブとかで、ジャニーズの人だけイラストっていうのもバカにしているよね、この時代に。それがもう物語っているよね、駄目っぷりを。テレビとかも駄目だけど、それだけじゃなくって、いろんなものがそういう構造だと思うけどね。政治だろうが、オリンピックだろうが……。最近のトピックでいうと、乳がんとかもそうじゃない?

まぐまぐ: 乳がん?

高城: 乳がんの患者の人たちが、よくテレビに出てるじゃん。

まぐまぐ: その裏で何があるんですか。

高城: あれは、日本の医療業界に殺されているようなものだから。なぜかっていうと、日本では最先端とされている乳がんの抗がん剤があるんだけど、それってアメリカだと使用禁止だからね。なぜなら悪化するから。でも、日本だと「効く」っていわれているの。

まぐまぐ: いや、知らなかった。

高城: 医者のなかでも若手の先生は、これは危ないと思っているんだよね。でも、言えないよね。「メリー、ふざけんな」ってテレビで言えないのと一緒で、厚労省がそれをOKしているから、言えないんですよ。

まぐまぐ: なるほど。

高城: 知らないよ、そりゃ。内緒だもん。あと、乳がんっていうのは、いろんな検査方式があって、マンモグラフィーとかエコーっていうんだけど、実はカップの大きさによって検査方式って違うんです。大きいカップだったらこの検査とか、いろいろあるんですよ。

まぐまぐ: ……なんで知っているんですか。そんなことを。

高城: なんでって、それが世界の常識だからだよ。アメリカにはFDAっていう、いわゆるそういう抗がん剤を認可するお役所があるんですけど、日本で最も効果があるっていう抗がん剤に関しては、そのお役所はとっくの昔に効果なしどころか、副作用があるから認可取り消しにしましたよ

まぐまぐ: それを使い続けているわけですね、日本では。

高城: だって日本には、それしかないから。乳がんの検査にしても、被爆するから本当はやめたほうがいいんだけど、病院としては高い機械を買っちゃったわけだから。だからもうPAC3と同じで、被爆しようが何しようが、ガンガン稼いだほうがいいじゃないですか。そういうことがあって、有名人で乳がん患者が出たらバンバン取り上げて、健診したほうがいいって方向にもっていくと。すると、みんなが健診行って、病院は大儲けみたいな。ワクチンの薬害なんかも、そういうことでしょ。

まぐまぐ: そうなんですね。じゃあ、逆に日本でもちょっと話題になっている、医療大麻とかはどうですか?

高城: 医療大麻?あれは効果あるよ、間違いなく。だからアメリカで認可されてんじゃん。アメリカって起訴社会だから、効果ないものを認可したら、大騒ぎになって訴えられちゃうよ。

まぐまぐ: 確かにそうですよね。

高城: あれは効果あるよ。特にがんの転移には……。

まぐまぐ: TPPに絡んで日本にも来るって話は、以前からあるようですが……。

高城: 財務省は税金取れるからやりたいみたいけど、厚労省としてはあんまりやりたくないよね。だって儲かんなくなっちゃうじゃん、医療業界が。だから日本じゃ内緒にされてるんだけど、医療大麻は効果あるよ。ただ日本だと、「おまえ、普段から大麻吸ってんだろう」って感じの人間が、よく医療大麻賛成って言っているけど、あれは違うよね。なぜなら大麻っていうのは、例えば米国にある種類だけで3600種類以上あるんです。それでワインとかと一緒で、全然違うんですよね、効果が。だから、適正な品種を選ばないといけないんですよ。

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まぐまぐ: 漢方みたいなものなんですか。

高城: そうそう。大きくは大麻なんだけど、そのなかにもいろいろあるから。だから、それをよく分かってない人たちが「医療大麻、賛成ですよ」って、アレは駄目だよね。

まぐまぐ: おまえが吸うもんじゃないだろって。

高城: そもそも大麻成分って大きく2つあって、THCとCBDっていうですけど。そのうちCBDってカンナビジオールって言うんだけど、これは日本でも合法なんです。それは本当に効果ある

まぐまぐ: 日本でも北海道のほうで、特区を作ろうっていう話もありますよね。

高城: ただ、やっぱり圧力があるわけじゃない。医療業界や厚労省とか。だって、新しい抗がん剤とか通すのに1000億以上掛かるんですよ。臨床試験もしないといけないし。でも、そういうのをひとつ作っちゃえば、もうボロ儲けですから。そういう抗がん剤って、一発50万とかですからね。そんなおいしい話が、その辺に生えている草に取って代わられたら、そりゃ大騒ぎじゃん。だから絶対、内緒だよ。

高城剛が国技館で配る「裏本」とは

まぐまぐ: さて、この年末に両国の国技館でトークライブをされるということで。以前、石田衣良さんと対談された際に「土俵を借りるかどうか」っていう話をされてましたが、あの件ってどうなったんですか?

高城: 去年のライブは渋谷公会堂でやったんだけど、ものすごい人にお越しいただいて。だからさらに広い場所で、ということで国技館を選んだんですよ。で、国技館といえば土俵だって思ったんだけど、それを置いちゃうとアリーナ席があまり確保できないんで、置かないことにしたんです。ただその代わり、土俵の上にある屋根みたいなアレは借りました。アレは上げたり下げたりできるらしいんですよ。

まぐまぐ: では、当日はそれを使った演出も……。

高城: やります。

まぐまぐ: 楽しみですね。

高城: なぜ土俵をどかせて、アリーナ席を作ったかというと、前のライブは全席無料だったんだけど、今回はアリーナ席だけは無料にしないで、その代わりに特別な本をあげようっていう、そういう企画なんですね。その特別な本っていうのは、ここ最近ずっと出している『南の島』本の裏本。ここだけは絶対に行ってはいけないっていう島があるんです。

まぐまぐ: そうなんですか。

高城: 勝手に行ったら捕まっちゃったり、死を覚悟しろっていう島があるんですよ。そういう内容だから、それは絶対に売ることができない本っていうか、もしかしたら売っちゃいけないのかもしれない(笑)。だから、配るしかないんだよね。……本には読者の皆さんへの注意書きがあって、これは買ったんじゃなくて、あくまでも忘年会の目録だってことで、言い張ってくれと。

まぐまぐ: なるほど。

高城: そんな限定本を、アリーナのチケットと引き換えるっていう。……もっと言うと、注意書きに書いてあるんだけど、「転売は禁止だけど、転売することも可能な時代ですよね」って。要するにチケット買ってこれを手にして、すぐに転売すれば、読者は儲かるんですよ。

まぐまぐ: 確かにそうですよね。

高城: そもそも今回のテーマが、「裏があってもいいじゃないか!」なんでね。今日お話ししたような裏の話、表じゃできないよう話を、あえてライブでしようと。だから、そうやって転売するのも、まさに裏なんじゃないかと。「皆さん、儲けてください」とは言えないけど、そういうつもりでやろうと思っています。これって出版業界への挑戦でもあるよね、売らない本を売るっていう。今後、増刷もしないし電子化もしない。書店もAmazonも全部すっ飛ばして……。

まぐまぐ: 手売りのみっていう。

高城: 来た人だけに生で売るっていう、そういうことをしたいと思っています。

まぐまぐ: 相変わらずいろんな挑戦をしていますね。

高城: 遊んでいるだけなんだけどね。……そういえば、最近東京の街を歩いてたら、「高城さん、『LIFE PACKING 2』読みましたよ」って声を掛けられて、「いきなりUnlimitedってすごいですね」って言われて。……なぜかAmazonで、読み放題になってたんですよ(笑)。

まぐまぐ: どうして、そんなことに?

高城: 僕、それを決めるときってアフリカにいたんですけど、いきなりショートメールで「Unlimitedにしますか」って言われて。「これって何言ってんだろうな」と思いながらも、「新しいほう」って戻したんですよ。そしたら東京で、やたら「Unlimited」って言われるから、何だろうなと思って、3日ぐらい前に出版社に電話したら、はじめてそれが「読み放題」だっていうことが分かったんです。「なるほど、そういうことか」って(笑)。

まぐまぐ: 出版社に怒られちゃいますよ。

高城: 新刊なのに、そんなことやっちゃって。……それくらい僕って、普段何にも考えてないんですけどね。でも考えてみれば、読者としてはうれしいじゃないですか。

まぐまぐ: 確かにそれはうれしいですけど。

高城: それに世界の音楽業界って、20年ぶりに売り上げが上がってるんですけど、それはなんで上がっているかっていうと、聞き放題なんですよ。聞き放題で売り上げがすごく上がっていて、それで儲かってるんですよ。……これは自分の無知さ加減をごまかすための、後付けの言い訳なんだけど(笑)。

とはいえ、音楽業界で儲かっているのは聞き放題とライブなんですよ。だから、石田さんとの対談の時も言ったかもしれないけど、物書きも著作をどんどんUnlimitedにして、ライブをやったほうがいいんですよ。かくいう僕も、ゆくゆくは矢沢みたいにライブでタオルを売ってるかもしれない(笑)。……そういうわけで、12月の金曜日夜に開催なので、年に一度の読者感謝の忘年会ってことで、みんなで盛り上がろうということですね。

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まぐまぐ: ライブでしかできない裏話満載で……。

高城: そう。だから一応、録音や録画は禁止。だって、テレビとかYouTubeで流れたら困るようなことを、いっぱい話すから。でも、写真はOKだし、感じたことをそのまま書いていただくこともOK。こちらとしては、証拠が残らなければOKです。後で揉めた時に「そんなこと言ってないですよ」って言えるから(笑)。

オリンピックと報道の自由

まぐまぐ: 今年の夏といえば、リオ五輪が話題になりましたが、高城さんはご覧になられましたか?

高城: まず、オリンピック開催都市って、IOCの投票前に決まってるって知ったら、驚くだろうなあ。ええ、個人の意見ですよ、あくまでも(笑)。通りすがりの旅人の与太話程度に思ってくださいね。今年の夏は、ニューヨークでまったく手が離せない案件を抱えてまして、競技はほとんど見られませんでしたが、合間を縫って友人のラボで興味深い実験を見ました。巨大モニターに映されるオリンピック放送を数人もの治験者が見て、脳波のログをとるラボです。いったい、人々はオリンピックにどれくらい本当は興味があるのか。年々高まる広告費は、見合うのかなど、脳波を見ると視聴率とはまったく違う真実が出てきますからね。

まぐまぐ: 今回の閉会式では、次の東京五輪への引き渡し式ということで、アニメやゲームといった日本のコンテンツを全面に押し出したショーが披露されたんですが……。

高城: 一ヶ月後どころか数日後には誰も話していませんので、わざわざ話すほどのトピックでもないように思いますが、脳波から見た「真実の閉会式」は、話せませんよ(笑)。今日は、無理目にでも持ち上げましょうよ、4年後には東京に来るんだから。えーと、どこの大手芸能プロがいくらで仕切るんでしたっけ?ああ、リオの閉会式の話でしたね。『キャプテン翼』いいじゃないですか。ブラジルで一番有名なサッカー選手って、『キャプテン翼』だと思うんですよ。アレってスペインでも放送してて大人気なんですけど、タイトルが日本とはまるっきり違うんです。『オリベル・イ・ベンジ』とかいうタイトルで、翼君でも何でもないのですが、十年ほど前にスペインの友人と話している時に戸惑って「あの『オリベル・イ・ベンジ』知らないのか?」と何度も聞かれました。『キャプテン翼』って、放映国によってタイトルがまったく違うんです。日本の常識は世界ではその通りではないことのひとつの例で、それを考えさせるショーでしたよね。スペインではあのアニメを見てサッカー選手になったっていう人間が、いま活躍しているプレーヤーの中にも多くいます。そういう点では、ブラジルで『オリベル・イ・ベンジ』を出すのって、非常にいいことだと思いました。でも、美しくないですよね。しかも古い。

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まぐまぐ: それが日本のコンテンツだっていう認識は、あるんですか?

高城: それは人によるでしょうが、大半は知らないと思います。でも、日本だろうがなんだろうが、世界中の観客が喜ぶことが大切ですよね。アテネ・オリンピックの閉会式は、ギリシャのDJではなくオランダのDJがメインアクトでしたが、日本日本と主張しすぎないことが、現代のコミュニケーション上で大切だと思いますね。『キャプテン翼』と『オリベル・イ・ベンジ』は別物で、そのことすら理解していないのに、こちらが知る日本を声高々に全面に出すと、観客は楽しめなくなってしまいますから。ジェームズ・ボンドは、世界の「007」ですが、『キャプテン翼』は残念ながら違うんです。しかも、古い。

まぐまぐ: ありましたね。ロンドン五輪の開会式で……。

高城: その点では、マリオは世界のマリオです。ただ、子どもっぽく見られないようにするのが大事でしょうね。やっぱりゲームやアニメって世界的には子どものモノで、その感性が大人もOKっていうのは日本だけなんです。知的ではないことは確かで、下手すると美意識が欠落しているように見えることさえあります。日本だと、幕張とかでイベントがあると大人がいっぱい行きますし、電車の中でも大人がマンガを読んでいますけど、そのような感性は多くの他国では、一部にはいますが主流ではありません。ここは、今後の日本の大きな課題になるでしょうね。増え続ける「幼い老人」のような。

まぐまぐ: ちなみに今回、スーパーマリオに変装した安倍首相も登場して、そういう場に政治家が出てくるのはどうなのか、っていう意見もあったりしたんですけど……。

高城: そんなこと、どうでもいいじゃないですか(笑)。質問が、ポータルサイトやキュレーションサイトのように浅くなってますよ。もっと俯瞰的に物事を見ないと、問題の本質が見えません。例えば、そのマリオが生まれた80年代は日本はバブルで、イタリアブームでした。三国同盟以来、日本とイタリアがもっとも近しくなった時期で、「明太子スパゲッティ」のような和製イタリアンメニューが続々生まれて、そのひとつがマリオだったんです。マリオは当時のイタリアブームというか、バブル・グローバリゼーションの産物で、キャプテン翼も80年代ですから、日本は、そこで停滞していることが、誰にでも理解できたんじゃないでしょうかね。その後、90年代にやっと登場したピカチュウで、止まったように見えますね。

まぐまぐ: そういえば『ポケモンGO』って、まだ海外で流行っているんですか。

高城: もう、ほぼ終わったんじゃないでしょうかね。

まぐまぐ: そうですか。

高城: この前いたニューヨークではまったく。一部でやっているんでしょうけど。

まぐまぐ: 日本ではすごく流行っていると、報道されていましたが……

高城: ですので、それをポータルやキュレーションで生きている、とお話ししているわけです。「セントラルパークにすごい人が集まっている」とかって聞いてましたが、僕がセントラルパークにいた限りは、全然そんなことはありませんでした。現地の友達ともいろいろ話したけど、その話題は全然挙がらなかったし。

まぐまぐ: アレって、集まってる所だけを切り取って、見せていただけなんですかねぇ。

高城: PR会社の仕込みですよね。そういうことをポンピングしている人が、いるっていうことなんじゃないでしょうかね? 時には、僕も皆さんも例外とは言えませんよ。

まぐまぐ: そういうのにやられちゃうんですけどね、日本人って……。

高城: 無理して持ち上げたものは、必ず社会的な反動が起きます。うっかりすると『ポケモンGO』が社会悪のような事件が起きて、さあ、ここでPR会社や広告代理店が再び活躍するところです。流行らして、火消しして、二度美味しい。日本人は「世界中で流行っているから追いつかないと」っていう錯覚にみんな陥って、その後、事件が起きて一斉に規制です。なぜなら日本は「」を求めるから。変な話ですけど。

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まぐまぐ: オリンピックのセレモニーなんかもそうですけど、世界からどう見えるかっていうのを、日本人って気にしますよね

高城: 僕は多くの人に知られているネタを持ち出すより、独創的で美しく、強いことは普遍だと思っています。それだけでいい。ただ世界的には、オリンピックに対する興味ってだんだん冷めて来ているんじゃないでしょうか。特に80年代のLA五輪以降、放送料が高くなっちゃって、あまりにもスポンサードされたビジネスになってしまったこともあって、それでみんな白けてしまったというか。だんだん裏側みたいのが、分かっちゃいましたよね。例えば、投票前に開催都市が決まってるような。ええ、個人の感想です(笑)。

まぐまぐ: たしかに、たった2週間のイベントなのに、お金が掛かりすぎですよね。

高城: 僕はお金をかけることが、悪いことだとは思いません。例えば、ランドマークを作るのに、ケチって安くさいものを作っても失敗します。むしろ、お金をかけたほうが元が取れるはずです。でも、現在の2020年東京オリンピックの現状を見る限り、無駄金が多く、ランドマークもできない様子です。これが大問題。コスト意識、美意識、マーケット感覚など、欠落しているものが多いですよね。

まぐまぐ: ああいうすり替えっていうのは、どこで起こるんですかね。

高城: 日本は変化することを許しませんので、決まったらやりたい放題なんですよ。政治を見れば、公約なんか守らないですよね。決まったら密室でやりたい放題です。だから、決める前の根回しが大事ですよね。内緒のね。

まぐまぐ: 確かに。

高城: 本来なら、そのような内緒の根回しや談合、そして決まった後の密室劇を追求するのはマスコミの仕事なのでしょうが、ほとんど機能していないどころか、むしろそちら側に加担してますよね。報道の自由度の世界ランキングが72位って、かなり問題です。このランキングの基準を問う声もあるでしょうが、2000年代初頭はトップ10に食い込むようなこともあったんです。それが、いままで日本語でわからなかったことが原発事故がきっかけで世界に露呈してしまって、ここまで落ちている現実は考える必要があるでしょうね。実際、記者クラブをはじめ、情報談合してますからね。ですので、なにか決まったら、ひっくり返せないようにマスコミさえ押さえておけば、やりたい放題ですよね。最近だと、トルコもそんな感じです。マスコミを押さえちゃって。

まぐまぐ: トルコは、やっぱりそうですか。

高城: エルドアンが批判的なマスコミを全部潰しちゃってね。日本も似てきていて、NHKも完全に政府広報部になりつつあるので、あれほどNHKのOBが怒ってるんでしょうね。中立は難しいし、個人的には中立ではなく、各局の色がもっと出て多様化したほうがいいと思いますが、NHKのOBが経営委員会に会長の罷免を求めるのは、かなり問題ですね。

まぐまぐ: やっぱり、そうなんですか。

高城: アメリカだと保守系のチャンネルとリベラル系のチャンネルと、大きく2つに分かれてて一応拮抗するようになっていますが、過去の戦争を鑑み、抑止力としてリベラルな報道が強いのが一般的です。イラク戦争も保守系報道の煽りで突入し、それが一部の人たちの思惑だったことがバレちゃって、だから報道はリベラル寄りになりますよね。日本はそうなっていません。何度も言いますが、「世界の報道の自由度ランキング」で、年々落ちていることが問題です。現在、日本は70位台ぐらいですが、どこまで落ちるか。

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まぐまぐ: そんなに低いんですか。

高城: イタリアと日本が断トツに低いんです。それって、要するに裏社会が存在するっていうことなんですよ。米国財務省が日本の反社会組織のトップを名指しで経済制裁対象にすると発表しても、それを日本で報道するテレビも新聞もほとんどない。むしろ、マスメディアが反社会組織を守っているように見えることさえあるし、事実、そのようなこともあるのでしょう。透明性が低くなり、多様性がなくなると国家が発展しなくなるのは、人類史をみれば明らかですよね。

まぐまぐ: メルマガでも、日本とイタリアはよく似ているっておっしゃっていますよね。

高城: とても似ていると思いますね。どっちも1000年、2000年という歴史があって、海に囲まれているという。イタリアも上を閉じちゃえば、実質上は島で、閉鎖的ですよね。

まぐまぐ: 確かにそうですね。

高城: それでいて、両方とも第2次世界大戦の敗戦国ですよね。両国とも、もともと世界情勢に疎いとも、一部の官僚支配の国家だとも言えます。敗戦した後は、イタリアのほうが先に工業化が進みました。自動車産業とかオリベッティみたいな会社が出てきて。その後、日本もキャッチアップして、工業化が進むわけですよね。イタリアはその次に食とかに行ったところも、日本と非常に似ていますよね。

政治の動きにしても、イタリアは長年独裁状態だった与党に対して、野党連合みたいなのが存在してたんだけど、なかなか政権交代ができないから、共産党が解党します。それでやっと野党連合が与党を倒したんですけど、結局それでも駄目だったから、政治家じゃない人たちが内閣をつくって国を運営するようになって、それでも難しいっていうのが現状で。国民がこっそり他国へと避難してますね。

まぐまぐ: 八方ふさがりって感じですね。

高城: 社会って、平和じゃ変わらないんです。簡単に言ったら、よほどの時じゃないと、裏社会や国の暗部をきれいにできないってことなんですよ。日本もそうじゃないですか。福島第一原発の除染の現場から東京オリンピックも、なんであんなに予算高くなるのって言ったら、色んな人たちにお金が流れているからですよね。8次孫請けって、他国になかなか説明できない不思議なものですよね。

まぐまぐ: 都議会のドンとか……。

高城: そのあたりは、本丸ではないように思いますし、組織や社会システムが制度疲労してるんでしょう。だから、特定の人物がいなくなったからっていって、国立競技場の予算が3000億から1000億になったりはしないですよ。いいとこ一割引きの2700億。もしくは、会計上でごまかして、つけかえているだけ。ザハの案がなくなって、新しい案になったけど、あれってファサード変えただけで、中は一緒ですよね。だって、もう決まって資材もあるから。……もしかしたら、メルマガに書いたかもしれないけど、初めからあれは実質的に建築家は決まっていたわけで。

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まぐまぐ: そうなんですか。

高城: 根回しの段階で9割決まっているんです。議論が大切ではなく、事前に話を通すようなことが大切なんです。だから、日本の変化バッファーは1割程度しかなくて、それを「選択」や「自由」、「公平」と呼んでいます。100%じゃなく、99%でも1%の自由があれば、決定ではありません。決定的なだけ。その後、よっぽどの問題が起きない限り、すべては藪の中ですよね。組織の透明性を担保する国際基準のISO26000など、別の宇宙にある話ですね。ルールは、「和」を乱さないこと。人権無視だろうが、誰かが死のうが、「和」は絶対なんです。いまも昔もお家が大事で、自己犠牲の精神が美徳とされていますからね。当面、あらゆる悲劇は続くでしょう。でも、米国でさえ追いつけないほど世界が大きく変わったので、「和」は、中長期的には国益に反します。いまは、個々が自己犠牲の精神が美徳とされ、お家第一と言われる社会の中で、うまく生き抜く力や身を守る力を本当に養わなければシステムに殺される時代になったと理解する必要があります。だから、僕は常に「通りすがりの旅人の与太話ですよ!」と、前置きするような必要があるんでしょうね。その上、あえて間違ったことを少し混ぜて話しておくと、「あいつの話は信用ならない」などという、少しダメだと全部ダメと考える人もいてくれるので、助かります。この時代のコミュニケーションのお作法は、難しいですよね。読み手が必要箇所を抽出して考える必要もあるし、信用毀損が時には前に進むこともあるから。誰もが僕の話を聞いて、「その通りだ」と言い始めたら、僕は一刻も早く遠くに逃げないといけませんね(笑)。システムの犠牲になる前に

沖縄の離島にいきなりファミマができる理由

まぐまぐ: 高城さんはよく「イランこそ注目」って、メルマガで書かれてるじゃないですか。「中国の次はイランだ」って。あれって、他の人はなかなかおっしゃらないことですが……。

高城: まあ、日本は世界=米国ですからね。

まぐまぐ: 中東だと最近ではドバイだとか、他に栄えている地域もあるわけですが、そんななかでなぜイランなのか、改めて教えていただけますか。

高城: まずイランっていうのは、歴史がある大国です。日本や中国同様に。しかも領土も大きくてね。中東っていうと、みんなドバイとかサウジアラビアって言うけど、あれらはつい最近できた国にすぎず、国家として体をなしていません。ドバイなんかは、王族がイギリスの表と裏の投資のお手伝いをする場所だから。それがドバイっていう砂上の都市をつくりました。ドバイの様子がおかしくなると、イギリスからすぐ大臣が飛んでくるのは、そういう理由なんですよ。歴史を感じますね。

サウジにしても、50年前までベドウィンだったわけで。それが石油で突然お金持ちになっちゃって、アメリカの後ろ盾も得たものだから、「これはいけるぞ」って勘違いしちゃったんです。で、国民の不満がたまったら、補正予算で国民に金をどんどん配って、とにかく黙らせると。この構造は日本と一緒なんですけどね。

まぐまぐ: 国として未熟なんですね。

高城: その点イランっていうのは、もともとはペルシャで非常に優雅な文化を持っていたんです。ところが、石油が出てしばらくしたときに、アメリカと揉めたわけですよね。もともとは王族と米国はパートナー同士だったんですけど、イラン革命が起きて市民国家になった。それがアメリカは気に入らないから、サウジとくっついたわけです。

イランとしては、アメリカおよび類する国々と戦わなきゃいけないから、を持つようになる。それで経済制裁を受けて、その間に非常に貧乏になったけど、みんなアメリカには媚びを売らないんですよ。貧乏になっても、イラン人はプライドを捨てない。一方、日本人は、貧乏になるのを嫌がるじゃないですか。

まぐまぐ: たしかに嫌ですね。

高城: 国家に「やっぱり、金まいてくださいよ」って言うのが日本人だけど、イランの人たちはパワーあるんですよね。貧乏になっても、俺らはアメリカにしっぽ振らないっていうことで、すごく芯が強いんです。軍隊にしても、イラン革命防衛隊っていうのはもうすごく強くて、そのうえ絶対にしっぽを出さない。だって、実権握っているのが誰なのか、いまも分かってないんだから。表向きには軍部のトップっているんだけど、それって影武者ですからね。

まぐまぐ: 誰が命令しているのか、わかんないってことですか。

高城: そう。だから民兵がとにかく強いんですよ。また、イランって、ドイツとすごく仲が良いんです。それは、経済制裁中もドイツはずっと付き合っていたからなんだけど。だから、ドイツにはイラン人2世が、いっぱいいるんですよ。その人たちの尽力もあって、ドイツコネクションっていうのが、イランではすごく重要なんです。

まぐまぐ: へぇ。意外な関係ですね。

高城: イランにおける重要な会議って、もちろん国内でも行われるんだけど、ドイツで多く行われています。ハンブルクだとか、ちょっとマイナーな都市でやるんだけど。で、さらに重要な会議っていうのは、路上で行われるんです。

まぐまぐ: え、路上で重要な会議って?

高城: ドイツのどこかマイナーな都市にある、どこの交差点に何時、とかって言われるんですよ。それで時間通りに行ってみると、本当に重要な人が来るんです。まず民兵が……見かけは普通のおばさんとかなんですけど、それがパッと周りを取り囲んでスペースを作って、そこに重要人物が現れるんです。で、用件が済んだらパッといなくなって、終わり。そこまで徹底して、しっぽを捕まれないようにしてるんだから、これは絶対に勝てない。

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まぐまぐ: ……すごい話ですね。

高城: 実際の国力にしても、サウジなんかは人口を水増しして言ってるんです。「うちは大国だ」って。でもイランは、逆に小さく言っている。表向きは8000万人だってことになってるけど、多分1億5000万人ぐらい人口がいる。なかには2億人って言う人もいるんだけど、本当のところは分からない。ただ人がいっぱいいるのは、間違いないでしょう、恐らく日本よりも。それでいて石油も湧いてて、お金もあるから、まだまだこれから伸びるでしょう。アメリカとの距離もあるしね。

アメリカとイランの国交は、まだ正式には回復していないですけど、経済制裁は一応解けたので、これから投資が一気に集まりそうなんです。これって、80年代前半の中国と似ている状況です。それまで国を閉じていた中国が、国を開いて80年代に一気に投資を呼び込んで、80年代後半から90年にかけてバーンと伸びていったじゃないですか。その状況にすごく似ていますね。だから他の国、特にドイツなんかは思いっきり手を伸ばしてますよね。最近、ドイツはロシアやイランと近づくから、米国から次々と因縁つけられているように見えますが、中東まで含むユーラシア共同体になることを米国が恐れてでしょうね。

まぐまぐ: 成長しそうな材料ばかりですね。

高城: ただ不透明な部分もあって、何よりも気になるのが、オスマントルコ帝国の復活を目指している隣国のトルコの動きです。日本でいうかつての大日本帝国主義、満州まで全部取るとか、そういうのを目指しているのと一緒ですから、トルコは。

まぐまぐ: 世界の火薬庫というか、今一番きな臭いのはやっぱあの辺なんですか。

高城: いや、世界には常に三つの紛争地域があって、一つはロシアと国境を有する、最近だとウクライナ問題のあった東ヨーロッパ。あの辺は、常に揉めていてもらったほうが得をしたり嬉しいっていう人たちが、いっぱいいるんですよ。それと中東でも今、簡単に言うと冷戦が起きていて、アメリカ連合と、ロシア連合の間で揉めている。

あともう一か所が東アジアで、特に北朝鮮なんですけど、あの国は実際のところ中国の子飼いですよね。水も中国がほとんど供給しているわけで、それを止められたら北朝鮮は終わりですね。だから以前、北朝鮮がアメリカにサイバーアタックをかけたことがあるんですけど、アメリカが本気で中国に怒ったら、すぐやめましたね

まぐまぐ: 中国に怒るんですね。

高城: だって、中国の子飼いですからね。中国の一部のひとたちが「ミサイル撃ってもいいよ」って言うと日本に向かって撃ったりするわけで。

まぐまぐ: あれ、そうなんです?

高城: だって、そもそも金正恩は親日なんだから。アニメとかも好きだし。

まぐまぐ: そうなんですか?

高城: 大きな声では言えないだろうけど、色んな理由で親日の人は北朝鮮に多いでしょ。で、ボーンってたまにミサイル撃ってきたりするよね、選挙前とか。すると票が集まるじゃない、どこかの党に。選挙前とか重要な法案が決まる前とかにも、必ずミサイル来るよね。だから7月の選挙で改憲勢力が伸ばして、いよいよこの後は憲法を……ってことだから、またミサイルが来るんじゃないでしょうかね。あとは中国のほうから漁船が来たり。ええ、あくまでも通りすがりの旅人のたわ言ですが(笑)。

まぐまぐ: それって何ですか。中国が改憲法案を通したがっているってことなんですか。

高城: いや、その裏には別の大国の一部の勢力がいるわけですよね。尖閣諸島に上陸した人が、その後「反中活動家」なことがわかりましたが、世の中本当に不思議ですよね。

高城剛さん9

まぐまぐ: またそうなのか……。

高城: 本当に北朝鮮が怒ってる相手は、経済制裁やらで痛い目をみせてくれた米国ですよね。北朝鮮が核武装するのは、対米国に対してで、北朝鮮からもっとも近い米国は、日本と韓国の米軍基地です。基本的に現在のアメリカは、たとえ軍部でも戦争したくないし、東アジアから撤退したいと考えています。日本にある米軍基地が、北朝鮮が持ってるミサイルの射程距離に入っちゃったから、グアムまでは戻らないと米軍の家族を守れません。なにより、予算がありません。そうじゃなきゃ、ロシアと日本が接近できませんよ。米国が東アジアから引いて自国を立て直すので、日本、中国、ロシア、韓国で東アジアを納めろってことでしょう。表向き米国は、ロシアと日本が近しくなるのを好まないような発言しても、軍事予算がない。そこで、アメリカの名代としての日本ですよね。その国に憲法9条があったら、アメリカの名代にならないじゃないですか。だから、憲法9条を変えるのは、米国の名代になることの意味が大きい。

いままで、軍事力を背景に世界の隅々まで、民主主義化を大義にアメリカナイゼーションを浸透させてきましたが、その暴力装置を維持する資金が尽きてきた。だから、名代に資金を出さずに外注し、世界の隅々まで「平和維持」名目で進軍させる。ここに改憲の真意があると思います。隣国との争いだけじゃないですよね。一部、他国の暴走する軍部がいるかもしれませんが、本質は違います。僕は世界は大きく変化しているし、基本的にあらゆる物事はあたらしく刷新するべきと思っていますので、いまの二極論で言うならば改憲派にあたるのでしょうが、問題は「誰の何の意図によるものか?」にあるように思っている次第です。現政権の意図には、注意が必要ですね。少なくとも、米国の新大統領の意向は汲んだほうがいいでしょう。日米同盟と声高々に日本は叫んでいるんだから。

また、本当の危機に対峙するためには、サイバー軍等、いままでとはまったく違う現実的な戦術が必要です。ここに大金を注ぐべきだと思いますよ。人命と関係ないから。でも、そうすると、財閥系重工会社の仕事は少なくなりますので、このあたりの予算の流れを冷静に見極めることが大切ですね。それによって、現政権の意図が見えるでしょう。実際は、サイバー軍や宇宙軍は米国に依存し、最前線は自衛隊と米軍(傭兵)になるでしょう。あと個人的には、憲法9条改正は囮であり、96条改正後、本命は労働者の権利の剥奪や表現の自由、財政状況の公開などだと思いますよ。そして、体内チップ埋め込みでしょうね。15年後ぐらいですかねえ。表向きはテロ防止でしょう。ですので、そろそろ日本国民も色々決める必要がありますよね。米国の名代となって暴力装置をフル稼働し、でも、生活はそこまで悪化しない道を選ぶか。それとも、何もしないで、どんどん貧しくなっていくのか。もしくは、第三の道を選ぶか。この道は大きな社会改革を意味しますので、旧勢力との事実上内戦になるでしょう。今の米国のようにね。

あと、トルコの問題にしても、どこもあそこを欲しがるのは、ミサイルのテクノロジーが進んで、そこから飛ばせばモスクワやイスラエルまで届くようになったからなんですよ。昔はミサイルの性能が低かったから、そんなに飛ばなかったんだけど。だからドイツに嫌われたアメリカは、どうしてもトルコが欲しいんです。それって地政学的理由なんですよ、中東がどうこうっていうよりは。

まぐまぐ: なるほど。

高城: 日本の話に戻すと、北朝鮮のミサイルも性能が上がって、日本にある米軍基地にもぶち込めるようになったわけです。基地の周りには家族もいるわけじゃないですか、沖縄とかにもいっぱい。だから、ミサイルが届かないグアム辺りまで、避難しないとまずいんです。やがて中国と本気で揉めたりしたときとか、あと金正恩がなんかの弾みで押しちゃったりするとマズイから。また、原潜で太平洋に出てこられても問題だから、海域で抑える必要もある。東南アジアのいくつかの国は中国につくようですので、米国の思惑通りにはいきませんね。尖閣の領土問題ではなく、兵器テクノロジーの高度化の問題なんです。

サウジの副皇太子も似たような話で、もともとサウジっていうのは、アメリカの兵器を買ってくれる一番のお客さんで、それも買っても使わないっていう、最高の上客だったわけです。日本同様にね。でも今、サウジは隣国に攻め始めて使っちゃっているわけで、あの坊ちゃんが。副皇太子は王様の息子なんだけど、王様がもう半分死にかけてて、その坊ちゃんが実権持ってます。王様もちょっとおかくしくなっちゃってて、もうカウントダウンですから。オバマとしては、副皇太子と王位継承を巡って争ってる皇太子のほうに、次の王様やって欲しいようですけど、アメリカの軍産複合体としては、副皇太子にやってもらったほうが、武器どんどん売れるから……

まぐまぐ: 消費してくれますからね。

高城: だから「坊ちゃん、おもちゃ使ってくれてるの?」「クリスマスプレゼントも送りますよ」って、トイザらスじゃないんだけど副皇太子サイドにすり寄ってるんです。それは東アジアも同じで、北朝鮮がミサイルの脅威を与えるほど、日本がどんどん買ってくれるわけですよね。PAC3っていう、あまり効果的とは言いづらい兵器を、沖縄離島防衛名目ですが本当は沖縄駐留米軍用ですよね。それ、伊藤忠商事のビッグビジネスですよね。

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まぐまぐ: 確かPAC3の代理店をやってるんですよね。

高城: だから石垣島行くと、伊藤忠グループのファミリーマートがどんどん増えてるんです。僕、遊びによく行くんだけど、まずは何にもないようなジャングルにLTEが開通するんです。「あれ、ここって電波が繋がんなかったはずなのに……」って思ってると、ファミリーマートもできてるんですよ。これはもう、次には基地ができるぞっていうことですよね。ワタミではありませんよ(笑)。日本の南の島バブルは、まだまだ続きますね。

まぐまぐ: 基地建設の前準備ってことですよね。

まぐまぐ: 最後に12月2日に両国国技館で開催されるトークライブの内容を、少しだけ教えてもらえませんか?

高城: いつもそうなんだけど、台本など一切作らないから、当日なに話すか、自分でもわからないんです。写真や画像のスライドだけ用意しておいて、話す内容はまったく決めてない。壇上で考えます。まさにライブ!たぶん、先日国会議員が二重国籍で問題になってましたけど、合法的に他国のパスポートをいくつも取得している日本人の話や、最近、自分でやってる人体実験の結果など、本当に多岐に渡ると思いますよ。

まぐまぐ: 人体実験?

高城: 歳とったら、話題は健康じゃん(笑)。今年の春に世界中で話題になったシアトルのバイオ企業の女性社長がいて、自らの体を遺伝子操作により、20歳若返らせることに成功したんですよ。そこで、早速僕はシアトルに行って、自らの体を遺伝子操作により「ハイパー高城剛」に進化しまして、、、、と言いたいところですが、実際はお話を伺っただけで、その詳細を理解しました。かなり驚いたと同時に、人類の未来を感じましたね。

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まぐまぐ: 具体的には、どうやって20歳若返ることができるんですか?

高城: ですので、それをトークライブでお話ししたいと思ってるんですよ!これからは単に健康っていうか、女の子だったらエイジングっていうけど、それより進んだハイパーエイジング、あるいはハイパー健康っていうか、そっちの方向に行くように思います。ただのナチュラリストみたいなのは、ちょっと古い感じがしますし、下手するとナチュラルすぎちゃって、「神の草」とか話し出しちゃって、気がつくと逮捕だから(笑)。そんなこともあって、僕も「進化の準備」に入らなくちゃいけないな、と思って、世界中のあらゆる検査を受けて、人体実験してるんです。いまや、あらゆるガンが血液採取だけで1ミリからわかり、「ハッピーホルモン」と呼ばれる神経伝達物質セロトニンが、どれくらい流れて、どこで阻害しているか、わかるようになったんです。ついに、科学的に「幸せ」をコントロールできる時代に突入しました。もう、サプリでハッピーになれる!ちなみに、検査は合法ですが、遺伝子操作は米国ですら違法です。でも、合法な国もあるんですよ。これからは、医療も美容も不治の病も「幸せ」増量も、二国間に渡って個々が考える時代になった、ということでしょう。ちなみに、トークライブって言ってますけど、よく見れば「忘年会」って書いてあるのでおわかりになると思いますが、飲食可能で飲酒も可能です。そうすれば、僕も飲んで話すことができるわけで、なに話しても、「ああ、ただの酔っ払いのたわごとですよ」って言えますから。

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高城剛さんプロフィール

1964年東京生まれ。映像作家・DJ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオ・ビエンナーレ」でグランプリを受賞。総務省情報通信審議会専門委員などの要職を歴任。六本木ヒルズのコマーシャルやルイ・ヴィトンのためのジャパニメーションのプロデュースなど、多方面で活躍。

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