fbpx

一般家庭にも忍び寄る「相続破産」モメないために知っておきたい3つのこと

相続税を払えずに、家や土地を手放すことになる「相続破産」への不安が高まっています。背景にあるのは、これまで相続税とは無縁だった人まで新たに課税対象者となる、平成27年1月からの相続増税。増税前は相続税を課税される割合が、全国平均で相続全体の4%台で推移していたものが、増税後の平成27年、28年では8%台、東京だけで見ると15%以上になっていることからも伺えます(国税庁発表)。住み慣れた家、愛着のある土地を守るために何をすればいいのか?多くの相続トラブルを解決してきた不動産税務のスペシャリスト・菊地則夫税理士に疑問をぶつけてきました。

プロフィール:菊地則夫(きくちのりお)……税理士法人東京シティ税理士事務所のパートナー税理士。不動産税務の専門家として年間100件以上の相談に応じ、数多くの相続トラブルを解決に導いてきた。キャリア20年の経験を活かし、税務セミナーの講師や書籍の著者としても活躍中。『これ1冊で安心!相続の手続きと節税がぜんぶわかる本』など10冊以上の共著がある。

「何もしないは最悪の一手」不動産税務のプロが断言する理由

資産家だけではない!「一般家庭」でも相続トラブルは自分事

不動産税務全般を専門分野として、数多くの相続案件に携わってきた菊地則夫税理士

不動産税務全般を専門分野として、数多くの相続案件に携わってきた菊地則夫税理士

――相続トラブルに発展するのは、大金持ちや大地主といったいわゆる資産家のイメージがあるのですが、一般家庭でも「起こり得る」ものなのでしょうか?

菊地則夫氏(以下、菊地):もちろん起こり得ます。私のチームに持ち込まれる案件は、相続の分割に関する相談が一番多く、一般家庭の方も多いです。そして大半の場合で何らかの悩みやトラブルを抱えています。

一般家庭こそすべき相続対策とは?

コワい相続争い1:弁護士の介入が兄弟仲を引き裂くことも……

弁護士、相続人の配偶者、親類縁者などによる、良かれと思った行動が事態を複雑化させることも…

弁護士、相続人の配偶者、親類縁者などによる、良かれと思った行動が事態を複雑化させることも…

――相続でもめる一般家庭はレアケースだと思っていました。「うちは兄弟、仲がいいです」というご家庭も多いと思いますが、実の兄弟、姉妹でもめるケースはあるんですか?

菊地:ありますね。その原因に挙げられるのが、第三者が入ることでこじれてしまうパターン。例えばある兄弟の場合をお話しします。お姉さんは、結婚して家を出ていて、当初、法定相続分を主張する気はなかったのですが、弟さんと少しもめて、弁護士を間に立てたのです。そうしたら、弁護士が法定相続分をきっちりもらう方針に切り替えてしまい、余計にもめる結果となってしまいました。弁護士の立場は、依頼者の利益を守るスタンスなので、当然のことですが、このように第三者の介入が事態を複雑化させることは往々にしてあります。

骨肉の争いを回避するための相続準備

コワい相続争い2:「誰が家を守っていくと思ってるんだ!」の罠

家督制度の意識が強い家庭では、法定相続では納得してもらえないケースも数多くあるという

家督制度の意識が強い家庭では、法定相続では納得してもらえないケースも数多くあるという

――先ほど「相続の分割に関する相談が一番多い」というお話がありましたが、「法定相続」では解決しないのでしょうか?「兄弟はみんな平等」という考えは、ある意味で理想的だと思えますが。

菊地:そうですね。例えば、お父さんが一代で東京に出てきて、サラリーマンで頑張って稼いで、家や財産を遺しているご家庭では、「家を継ぐ」という意識があまりないので、法定相続による分割で決着することが多いです。ただ、地方のご家庭や、自営業、代々続く地主さんのご家庭では、家督を重んじる意識が強く残っているので、平等に分割とはいきません。根底にあるのは、家督(家業)を継いだ人は、墓守だったり、両親の面倒をみたり、家業の経営やその家の最終的な尻拭いをするといった重要な役割を担うからこそ、相続の大半を引き継ぐべきだという考えです。そこに家を出た兄弟姉妹が「法定相続」を持ち込むといろいろな摩擦が生じます。

――確かに「誰が家業を継いで、両親の面倒をみてきたと思っているんだ!」と実家を継いだ人が財産を受け継ぐと主張するケースは、よく見聞きします。一方で都会に出てきている人だと「いまどき家督制度なんておかしい!」という主張も出てきそうですね。

菊地:おっしゃる通りです。やっぱりそれぞれの家の事情や、成り立ちを理解してから相続の話をはじめないと、トラブルに発展しがちです。そもそも法定相続は、戦後日本に入ってきた概念ですから、何代にも渡って家督制度を継承してきたご家庭に持ち込むのは、ちょっと乱暴な発想なのかもしれません。

「法定相続」はいつも平等とは限らない!?

コワい相続争い3:誰も住まない実家の相続

「税」を学ぶことで適切な相続対策が見えてくるという菊地氏

「税」を学ぶことで適切な相続対策が見えてくるという菊地氏

――誰も住まない実家を引き継ぐのは面倒くさい、兄弟で遺産分割争いをしているからなどの理由で、共有名義で相続することもあると思います。空き家の相続はどんなことに気をつければよいでしょうか?

菊地:まず、共有で相続すると活用したり、売却したりする場合に共有名義人全員の同意が必要になります。そのままの状態を続けて相続が発生すると、子世代にはさらに相続人が増え、問題が大きくなる可能性があります。また、空き家のままにしておくと近隣トラブルが起きないように草刈りをしたり、廃棄物を投棄されないよう管理・掃除をするなど、税金以外のコストもかかってくることも忘れてはいけません。だからといって建物を取り壊すと、一戸あたり200㎡まで6分の1に下がる固定資産税の住宅用の軽減特例が使えなくなり、固定資産税がフルにかかってきます。

――住宅が建っていた方が圧倒的に有利ですね。

菊地:ただ、平成28年に空き家対策特別措置法ができて、適切に管理されていないと判断された場合は、固定資産税軽減特例も適用をされないことになったので、住宅が建っているからといって「何も管理しなくていい」というわけでもありません

先祖代々の土地をずっと守り続けるには?

「土地を守る有効な手段」は賃貸経営

――ちなみに賃貸経営をすると税制面の優遇を受けられるという話を聞きますが、なぜでしょう?自宅と違って、事業をしていれば課税されそうな気がします。

菊地:そもそも賃貸住宅というのは、国が提供できない優良な住宅を土地所有者が代わりに提供してくれている、それなら優遇制度を与えましょうという考え方がベースにあり、相続税の軽減措置が設けられています。具体的には、建てた建物は固定資産税評価額が3割低くなり、土地も貸家建付地となり2割程度評価が下がります。また、借入金は被相続人が亡くなった日の残高で債務控除できます。代々受け継いできた土地を守ろうと思ったら「賃貸経営」が非常に有効な手段だと思っています。

――「賃貸経営」といっても難しそうだし大変ですよね?

菊地:「賃貸経営」の中から、自分の状況や考えに合ったやり方を選んでいくのがよいと思います。しかし、土地を守りたいと思っていても、「賃貸経営」という選択肢を最初から考えていない方は多くいらっしゃいます。

――でも、土地を持っているご家庭のすべてが賃貸経営に向いているわけではないですよね。これまで土地を相続してきた人はどういう対策をされてきたんでしょうか?

菊地:ケースバイケースです。相続税が安かった時代であれば、そのまま所有し続けることも選択肢でしたし、いっそのこと売却してしまうという考え方もあります。もちろん賃貸経営を相続対策にしている方もたくさんいます。また、都市部で農地などのある程度まとまった土地をお持ちで賃貸経営をしていない場合は、農地として保有し、納税猶予を受けるパターンも多くありました。これは都市部の農地については、「生産緑地制度」という農業をやり続ける限りは固定資産税を安くするし、さらに農地の納税猶予制度を適用し、相続税もかけないという制度があるからです。ただ、この制度を利用して「農地として土地を守る」ことに関しては、今、岐路に立っていると言えます。

――生産緑地制度は、何か問題があるのでしょうか?

菊地:一番は、後継者不足です。継いだとしても生産緑地を守れるだけの農業経営ができないんです。例えば、相続人となるご子息が継いだとしても、農業だけで生計を立てていくことがなかなか難しい。ご子息が、土地を守りたいと思っていても、少ない収入で日々の生活が成り立たないのです。

農地として土地を守ることができる生産緑地制度は今、岐路に立っている

農地として土地を守ることができる生産緑地制度は今、岐路に立っている

――そういうご家庭は今後、どうしたらいいのでしょうか?

菊地:農地の一部を相続税の納税猶予に影響しない範囲で生産緑地解除により宅地化し、賃貸経営などの土地活用をすることが解決策の1つです。その収入から生活費を捻出し、農業をしながら土地を引き継ぐというものです。また、「手放す」という選択肢がありなら、単純に売却するか、地方自治体に買取請求を行って、買い取ってもらうことで、農地をお金に変えることもできます。

「賃貸経営」は相続対策としてなぜ有効?

賃貸経営で失敗しないために、まず一番に考えるべきこと

――ちなみに立地的に不便だと賃貸経営も心配になりますが、そういう土地にアパートなどを建てるとどうなんでしょうか?

菊地:実はここが一番重要です。何も考えないで始めてしまうと、賃貸経営のために投下した金額が回収できず大変なことになってしまいます。私は、不動産管理会社の顧問先が多く、オーナーさんの話を聞いたり、賃貸物件の建築計画をたくさん見てきました。賃貸経営に成功しているのは、計画の段階で、部屋を借りる立場の人の意見をよく聞いて、周辺の賃貸住宅の市場や入居者のニーズをとらえた、付加価値があり管理も行き届いている物件です。例えば、ペットと共生することをコンセプトにしていたり、子育て世代家族に向けたコンセプトの物件だったり。郊外の物件でも満室経営ができている優良物件は多く存在するので、ニーズは作っていけるものだと思っています。

――「何もしない」と「何も守れない」ワケですね。

菊地:そうです。賃貸経営にはリスクはありますが、企画力と充分な検証があれば、何もせずに土地を持ち続けていくより、はるかに建設的な考え方だと私は思います。

――最後にたくさんの相続トラブルを解決してきた菊地先生から、これから相続を迎える人たちに向けてトラブル回避の心得を教えてください。

菊地:相続は、親の思いを引き継ぐことでもあると思います。自分だけでなく、子供、さらには孫の世代の幸せを考えた上で、決断することが重要だと思います。過去に関わった中には、裁判に30年近い年月を費やし、ようやく決着したケースもありました。裁判費用だけが膨大になり、その期間収益もあがらない、これでは誰1人、幸せになりません。そうならないように、その財産、とりわけ分割でもめがちな土地や家に関しては、早めに「守っていく」のか、いっそ「手放す」のか、守るならどうやって守っていくのかを考えておくことが重要であり、一番のトラブル回避策だと言えます。

相続トラブルを回避するためにすべきこと

多くの相続事例を見てきた菊地氏は、「未来志向で相続を考えてほしい」と語っていた

多くの相続事例を見てきた菊地氏は、「未来志向で相続を考えてほしい」と語っていた

相続対策に有効な旭化成ホームズの賃貸経営とは?

長期安心経営を支える旭化成ホームズの3つの柱

長期安心経営を支える旭化成ホームズの3つの柱

今回、菊地先生が解説してくれた「家や土地を守れる」相続対策という視点で、旭化成ホームズの賃貸経営が、いま注目を集めています。その大きな理由は、

(1)地震や火災に強い丈夫な建物への「安心感」がある
(2)個別のニーズに対応する「コンサルティング力」がある
(3)手厚いアフターサポートによる「安定感」がある

の3つ。長期にわたる安定・安心の賃貸経営を支える旭化成独自のノウハウにより、相続トラブルを未然に防ぎながら、親から引き継いだ土地を守ることができます。

「賃貸経営」が土地と家族の絆を守る!?

また、旭化成ホームズでは、「共通の価値観」を持つ入居者を集め、入居者間で育まれるコミュニティ形成により、「安心・快適・楽しい暮らし」を実現する「コミュニティ賃貸」を提案しています。

アプローチには入居者同士の自然な交流がはぐくまれる工夫が満載のペット共生型賃貸住宅「へーベルメゾン プラスわん プラスにゃん」

アプローチには入居者同士の自然な交流がはぐくまれる工夫が満載のペット共生型賃貸住宅「へーベルメゾン プラスわん プラスにゃん」

例えば、ペット共生型賃貸住宅「へーベルメゾン プラスわん プラスにゃん」なら入居者がペットを飼うことを前提としたコンセプトで、いわゆる「ペット可物件」とは一線を画します。共有部分に足洗い場を設けていたり、玄関ドア脇に一時的にリードをかけられるフックが設置されていたりと、随所にペットと共に暮らす入居者のニーズを満たす設備・仕様が盛りだくさんです。

子どもの遊び場を敷地内に設置した子育て共感賃貸住宅「ヘーベルメゾン 母力」の実例

子どもの遊び場を敷地内に設置した子育て共感賃貸住宅「ヘーベルメゾン 母力」の実例

また、子育て共感賃貸住宅「ヘーベルメゾン 母力」は、“安心して子育てできる「心のよりどころ」”がコンセプト。入居者の行き交うピロティに交流の場を設置したり、子供たちが遊べる中庭を作るなど、コミュニティ形成を手助けするプランニングが特徴です。他にも子供の飛び出しや不審者の侵入を抑止するエントランスゲートや、子育てしやすい続き間式の間取りなど、子育てをする入居者の視点に徹底的に寄り添った付加価値を提供しています。

他にも都心で働く単身女性が安心して暮らせるセキュリティ強化型の賃貸住宅、元気なシニアの暮らしをサポートする賃貸住宅など、特定のニーズにとことん寄り添ったコンセプトの賃貸住宅をそろえています。

入居者の「安心・快適・楽しい暮らし」が、オーナーのメリットにつながっていくというのが、旭化成ホームズが提案する新しい賃貸経営のカタチです。

安心&安定の賃貸経営で、代々受け継ぐ「土地」を未来志向で守っていきたいと思ったら、まずは無料進呈中の『失敗しない≪相続対策・土地活用≫資料セット』を参考にしてみてください。きっと多くのヒントが得られるはずです。

書店で買えない!相続&土地活用の実例集

source:旭化成ホームズ株式会社

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー