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日本が認めたくない米朝会談の成功で、米国株は2019年半ばまでのバブルへ向かう=江守哲

米国株のピークは2019年半ばと見ています。なぜか日本ではネガティブな報道がされている米朝首脳会談の大成功から、上昇トレンドの最終局面に入っていきます。(江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて

本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2018年6月18日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:江守哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

世界情勢は好転しているのに、なぜ日本メディアはケチを付ける?

アメリカに屈した北朝鮮

先週はとにかくイベントが目白押しで、米国株は堅調でした。

最大の焦点は、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談。シンガポールのセントーサ島で行われた会談では、伝わってきた報道や映像では、会談はうまく進んでいるように感じました。

しかしネット上では、かなり悲観的な見方も出ていたようです。また、専門家といわれる方からも同様の発言が聞かれました。いずれも間違っていたことは、言うまでもありません。

それはともかく、今回はうまくいくことはあらかじめわかっていましたので、会談の映像をわくわくしながら見ていました。最初の握手の瞬間、金委員長はやや表情が硬かったように見えましたが、笑い顔もあり、非常に良い雰囲気で会談が進んでいったのではないかと感じました。トランプ大統領はうまく雰囲気を作りましたね。

ポンペオ国務長官は会談の前日に、「北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆な非核化のみが米国の受け入れられる唯一の結果だ」と強調していました。ぎりぎりまで、米国は圧力をかけ続けました。これは、これまでの実務レベルでの打ち合わせが反故にされないように、ぎりぎりまで釘を刺した結果です。とにかく、史上初の米朝首脳会談です。すでに水面下で何度も交渉していました。

何かしらの結果が出ない会談はしないのが、トランプ大統領の流儀です。

ですので、5月24日に米朝首脳会談の中止を一方的に宣言した以降、主導権は完全に米国側に移りました。やはり、米国には勝てません。それをようやく理解した瞬間だったといえます。

そうなれば、あとは将来を懸念するのではなく、利を取るために、米国の要求を北朝鮮が受け入れるだけです。北朝鮮の非核化の方式・期限などの具体策で合意できなければ、米国は北朝鮮を見限るだけです。これで北朝鮮が卓袱台返しをすれば、まさに「終わり」です。

そのような状況で行われたのが、史上初の米朝首脳会談だったわけです。

なぜか「ネガティブに報じる」日本メディア

それにしても、日本のメディアはなぜあれほどまでに、会談内容をネガティブに報じるのでしょうか。明らかに間違っていますし、バイアスがかかりすぎです。どうして、今回の会談がネガティブなものなのでしょう。史上初めて行われたのです。もっと評価すべきではないかと率直に感じました。

そもそも、非核化の細かいプロセスまで合意できると思い込んでいたことが、そもそも間違いです。今回の重要なポイントは、非核化を行うことを北朝鮮が受け入れることです。プロセスには時間が掛かります。そのプロセスを決めるにも、もちろん時間が掛かります。

今回は、トランプ大統領もプロセスの打ち合わせまで時間がなかったと認めています。しかし、それが非核化に至らないことにはなりません。このプロセスに入ることが合意されたわけです。

過去のどの米大統領もできなかったことをトランプ大統領は成し遂げました。これはものすごいことです。メディアの評価が低いのは、トランプ大統領を好きではないからでしょう。「本物のディール」でないのは確かです。しかし、北朝鮮との初めての交渉です。そんなに早くことが進むはずがないでしょう。

専門家の発言は参考にならない

メディアは何を期待していたのでしょうか? むしろ、その期待は間違った取材に基づいた思い込みでしょう。視聴者の目を引きやすい内容の番組つくりになっていることが、誤りの原因でしょう。

著名なジャーナリストまで間違った認識を示していたのには驚きました。所詮、その程度のレベルなのかと、がっかりしました。

今回の会談までの経緯でよくわかったことは、テレビやラジオ、ネットなどのマスコミに出ている方々の発言には、何も根拠がなく、参考にならないということです。国際政治の専門家、大学教授などに真の情報が入ることはないのです。

まして、市場関係者はそのような情報から最も遠くにいます。これでは、何も参考になりません。所詮、そのようなものなのです。

今後も今回のような歴史的な事象がたくさんみられるでしょう。そのたびに、いろんな発言や報道があるでしょう。しかし、今回でどう考えて、どう対処すればよいかが分かったと思います。

ぜひ今回の経験を生かしていただき、今後の投資判断などに結び付けていただければと思います。

Next: もう後戻りできない金正恩。非核化のプロセスに入ったことが大きな成果

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