宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」 - まぐスぺインタビュー

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北朝鮮問題などの解説で一躍脚光を浴びた宮塚利夫氏。木訥とした語り口でワイドショーを賑わしたが、そんな語り口からは想像もできないほど、北朝鮮研究にかける思いは強い。初の訪朝から入国拒否、そしてマニアの域に達した北朝鮮グッズ収集の裏側について、余すこと無く語ってもらった。

北朝鮮へ行くのも一苦労だった時代に2回も訪朝

私が北朝鮮の研究者として脚光を浴びることになったのは、2002年、小泉純一郎元首相の第一回目の訪朝なんです。小泉さんが北朝鮮を訪れて拉致問題の解決などに尽力した際、北朝鮮からテレビを中継しようということになって、じゃあ、それを解説できる人を用意せにゃならんとなったんですが、いくつか条件が付いたんです。まず、ハングルの読み書きができて北朝鮮に行ったことがあり、朝鮮史についてある程度以上の知識がある……と。そうなると当時、これらの条件を全てクリアできていたのは5,6人もいなかったんです。そこで私に白羽の矢が立ったんです。私は1991年に北朝鮮へ2回行っているんですが、当時は日本人が北朝鮮へ行くのも一苦労の時代で、社会党(当時)や共産党といった政治家くらいしか行けなかった。行く手段も万景峰号くらいでしたからね。

訪朝時の行動が週刊誌で暴露され……

でもね、その時に私のとった行動が、朝日新聞から出ていた朝日ジャーナルの記者によって記事にされてしまうんですよ。まぁ、この記者というのがバリバリの“左”なヤツでして、記事のタイトルが「平壌の粗探し屋」ですからね。

記事では、某私立大学の非常勤講師で変なヤツがいたと、そいつは平壌市内でとんでもない行動をしていると書かれたんです。案内人がこちらを見てくださいと言ってるのに、別の方向を見てキョロキョロして勝手に人の家に入っていってゴミ箱を漁っていたと。これから北朝鮮と仲良くしていかなきゃいけないのに、こういうヤツがいるというのはいかがなものか、と朝日ジャーナルに大々的に書かれたわけです。そうしたら、今度はそれを見た、かの週刊文春がこれに対抗して私を取り上げてくれたんですよ。

北朝鮮研究家としウォールストリート・ジャーナルの一面を飾る

今年の3月にね、私、アメリカのウォールストリート・ジャーナルの一面で紹介されたんです。ゴミ箱を漁ったり、ガラクタから北朝鮮を研究している面白い研究家がいると。朝日ジャーナルで叩かれてから20年以上経って、今度はウォールストリート・ジャーナルに取り上げられるなんて、あの頃は想像もできませんでした。

宮塚利雄さん

ゴミ箱の中に真実がある……北朝鮮研究の礎

私が訪朝した1991年頃なんてのは、先ほども言ったように日本人なんてほとんど行けない時代で、行けたのは一部の政治家くらいですよ。そんな人たちがみんな口を揃えて言うわけです。「平壌の街はゴミ1つ、チリ1つ落ちていないキレイな街だ」と。でもね、私は思うんですよ。人が住んでりゃいろんな匂いもするし、生活してりゃゴミも出る。ゴミがないわけねぇじゃねぇかと。

訪朝すると高麗ホテルというに泊まるんですが、朝の5時くらいにこっそり起きて抜け出してみたんです。そうしたら、街のあちこちにものすごいタバコの吸い殻が落ちてるんですよ。それはなんでかって言うと、北朝鮮の人は世界でも有数の“ストレスが溜まる”社会で生きているから。あの国の国民の楽しみってすごく少なくて、タバコを吸うこと、そして酒を飲むことなんですよ。

 そういったタバコの吸い殻に混じって、いろんなものが落ちていて。落書きされた紙屑も落ちていたんで拾ってみたんです。そうしたらそこには驚いた事に英語が書かれていたんですよ。アメリカ帝国主義って言ってるけど、市民レベルじゃ違うんです。でも、こういうことが“真実”なわけですよ。「平壌の街は世界一キレイ」って、向こうの案内されるままのものを見て全てがわかったようになっているのはどうなんだと。真実というのはゴミ箱の中にこそあるんだと、私は訪朝して強く感じたんです。

お前は何者だ! 取り囲まれて尋問を受ける。

 落ちてた落書きを見つけてから、もっとないかと思って、ハタと思ったのは落書きなら便所だろうって。それで、トイレを探して行ったんだけど、なかなかない。ようやく見つけたけど、これがまた酷く臭くて暗くてねぇ………。でも、壁に落書きが何かしら書かれているだろう、「金日成死ね」とか書いてないかって、一生懸命懐中電灯を照らして見たんだけど無くて、そのうち後ろから案内人が来てるのがわかって飛び出したりね。

そしたら、案内人たちに「お前は何者だ?」と囲まれたんです。当時の案内人はみんな中肉中背で痩せてるのが多くて、太っているのは豚と金正日くらいなんですが、サッと取り囲んで来たのはその中でもスラッとした男たち。そこで尋問されたんです。「お前の言葉は南朝鮮の言葉だ、お前は日本政府のスパイか? それとも南朝鮮のスパイか?」って。いやいや私はこの国が好きで来たんだって伝えても、まるで信用されなくて「これ以上変なことをするなら、治安関係の法律で逮捕するぞ」と。こりゃ彼らの言うことを聞かないと、大変なことになると思いましたよ。

宮塚利雄さん プロフィール
宮塚コリア研究所代表
韓国・慶熙大学校碩士課程、檀国大学校博士課程修了。山梨学院大学教授(1992~2015年)。
主な著書に『北朝鮮・驚愕の教科書』(宮塚寿美子と共著)、『北朝鮮観光』『がんばるぞ!北朝鮮』『アリランの誕生』『日本焼肉物語』『パチンコ学講座』、そのほか翻訳本多数あり。

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