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「日本人は“嫌な円安”で貧乏になる」当たり屋・洞口勝人氏が説く資産運用の必要性

資産運用に強いFPとして年間約370回のセミナー・講演会を行う洞口勝人さんが2017年7月に創刊した有料メルマガ『【動画で解説】洞口勝人の「ザッ 資産運用!」』。いま、何を買い何を売るべきか?その時々で変化する資産運用にまつわる有益な情報を毎月講演動画として配信している洞口さんが、その理論の根底にある分析力と情報収集力の秘密について語ってくれました。日本とアメリカの為替と株見通しを参考に、これからのポートフォリオ組み立てに役立つロングインタビューとなっています。

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プロフィール:洞口勝人(ほらぐち かつひと)
ファイナンシャルプランナー(CFP 日本FP協会認定)。1963年岐阜県出身。2002年現SMBC日興証券を退職と同時にFPとして独立。早稲田大学エクステンションセンター講師。日本銀行の依頼を受け、全国にて金融広報活動も展開中。【主な講演・出演歴】NHK「人材育成セミナー」講師、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」等に出演【主な著書】「なぜ、スーパーの『1万円の売上』は『80円の利益』にしからならないのか?」「35歳までには最低知っておきたい『経済学ドリル』」 等

「まだまだ強いドルが続き、当面“嫌な円安”の方向性が持続する」

日本の物価は上がる半面、低金利でお金の価値は下がる

――毎月、講演動画をメルマガで配信されている洞口さんですが、最近の動画を拝見すると、今後は「嫌な円安」がやってくるとしきりにおっしゃっていますが、これは具体的にどういうことでしょうか。

洞口:そうですね。これまで3年ぐらいは円高の方向だったんですが、それが今はもう完全に終わったような感じがしますので、ブレイクして円安の方向性が当分続いていくと思いますね。動画でも言っていますが、基本的にドルが強いということなんです。ドルの量が減っていって金利も上がるので、今後は基本的にドル高が4年ぐらい続いていくとみています。

「嫌な円安」に関しては、もう7年ぐらい前から言い続けてるんです。それこそ1ドル75円ぐらいだった時から、「250円になる」って言ってますから。ここに来て、そういう明確な方向性も出て来たので、今年中のどこかでさらにブレイクするのではと思っています。

具体的には、一時125円から99円まで円高がいったので、この差額の26円ぐらいを倍返しで、2年後ぐらいをメドに152円ぐらいのところへ向かっていく動きになると思っています。

円安になると、日本が輸入しているモノの値段が上がっていくので、物価が上がると思います。また、11月からイランに対するアメリカの制裁がスタートするのも気掛かり。イランも何か対抗策を講じると思うので、原油価格も上がってくると思われるからです。円安、そして資源価格の上昇で、日本の物価は恐らく上がると思います。

――そうなると、株式相場のほうにも影響が出るのでしょうか。

洞口:日本の株式のほうは、円安であれば問題ないと思います。逆に、物価が上がって円安になる反面で、日本の0.01%という金利が変わらないということで、お金の価値が下がることのほうが心配ですね。

日本の大多数の人がまだ資産を預貯金ばかりにしていますが、その価値が下がっちゃうというのが、ここ3か月ぐらいで明確に出ると思います。私としては、「円ばっかり持っているんじゃないよ」みたいな。「0.01%の預貯金ばっかり持っているんじゃないよ」というのを、日々訴えているんですけけどね。例えばアメリカやオーストラリア、アジアの成長性のあるところ、あるいはトルコリラとか、そういう色んな国の通貨も交ぜましょうね、とか。でも、なかなか簡単に分けられないんですよ、人間って。

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――いっぽうで、世界的にその行く末が心配されている米中の貿易戦争ですが、われわれの資産運用にはどういった影響が出そうでしょうか。

洞口:現段階で、アメリカに輸出している中国製品22兆円分に関税をかけると言われてますけど、それがもうここ数日中に発表となりそうです。そうすると激震が走る可能性がありますね。中国のほうも株価が、上海、香港、深センともにかなり下がってきていますし、日本もトヨタ自動車の株がぐんと下がっている。それは激震が走ると想定して、被害を避けようとしている、お金を逃がしているという動きなんです。

またアメリカのほうも、今の株価はだいぶ割高感がありますから、これも下がりそうな雰囲気ですね。実は今、アメリカではAppleAmazonぐらいしか、株価が上がってないんです。FacebookNetflixといったところもダメになってきているので、この最後の2社が崩れると、もう全部終わっちゃう感じですね。今年の9月でリーマンショックから10年ですが、非常に怖いタイミングではありますね。

――そういう、相場が大きく動きそうな時には、資産防衛という面でどういった行動をとればいいのでしょうか。

洞口:やはり「キャッシュ・イズ・キング」という言葉もありますし、1回お金にしといて、様子を見ておいたほうがいいと思います。もし利益が出ているんであれば、いったんお金にしたとしても、その後に何もなければ、また買いなおせばいいんですから。

株だろうが、不動産だろうが、金だろうが、為替だろうが、40年ぐらいの長いスパンでデータを取れば、みんな同じようなパターンを辿っているんです。それに当てはめると、アメリカの株式はすでに最終段階に入っているのが分かるんです。でも巷の金融機関では、アメリカのAI関連株式ファンドとかを「買え、買え」ってやってる。これって何年ぐらい先のことまで見据えて売ってるのかなって、いつも思ってしまうんですよ。

私自身、新卒で入った証券会社で4年目ぐらいが、ちょうどバブルだったんです。その時は、今の状況がバブルだってことは分かっているんですが、証券会社としては株を売らなくちゃいけないっていうのがあって、かなり葛藤した覚えがあるんですが、今のアメリカがそれに近いような感じですね。ちょっと嫌な感じがします。

Next: アメリカはこの先、どのようなリスクが潜んでいるのか

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