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ノーベル賞で注目された抗がん剤オブシーボは、本当に「夢の新薬」なのか?=In Deep

抗がん剤オプジーボを開発した本庶佑教授がノーベル医学生理学賞を受賞し、短絡的な情報の広がりが懸念される。期待ばかりが独り歩きする「夢の新薬」の現実に迫ります。(『In Deep メルマガ』In Deep)

※本記事は有料メルマガ『In Deep メルマガ』2018年10月5日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:In Deep
本名:岡 靖洋。1963年生まれ、北海道出身。明治大学経営学部中退。23歳の時に表現集団「self23」の活動を開始。「人生の定年は30歳」という幼少時からの指標通りに、その年齢となった1993年より国内外で隠居行動を始める。人気ブログ『In Deep』を運営。

ノーベル賞後からの「アルマゲドンと化すガン治療現場」への懸念

脚光を浴びる「抗がん剤オプジーボ」

先日、日本人の方がノーベル医学生理学賞を受賞をしまして、私はテレビのニュースをあまり見ないように生きている人間ですので、その際の雰囲気はあまりわからないですけれど、祝福ムードに包まれていたのだろうと思います。受賞の「理由」を私が知った時に、そして、うちの奥さまが私に、「これって、そんなによくガンに効くの?」と訊いた時、漠然とした不安がこみ上げてきたのでした。

その不安は、「この受賞で、この抗ガン剤オプジーボに対して、誤解の嵐が日本中で生じているのでは?」ということと、そして、「無法者の医療関係者の《やりたい放題》の方向を後押ししてしまったのではないのだろうか?」ということです。

このオプジーボは、実際には抗ガン剤という分類ではなく「免疫チェックポイント阻害剤」というものらしいですが、ガンに使う薬という括りで、ここでは抗ガン剤と表現させていただきます。

もちろん、先ほども書きましたが、受賞された科学者の方の業績と関係がある話ではないわけで、ノーベル賞受賞に対して云々という話ではないです。

何より、「この受賞によって、日本人の多くの人たちが、抗ガン剤オプジーボに対して何か誤った概念を持つのではないだろうか」ということです。これは具体的に書けば、まるで、「この薬は夢のガンへの万能薬」のような誤解を持ってしまうのではないだろうかということですが、それ以上の懸念が、「これによって、今後《ノーベル賞受賞の薬効》というフレーズを使うことができるようになり『悪意のある医療関係者』もそう表現できる」という状況となっていくのではないかというものでもあります。

Next: ノーベル賞受賞後、NPO法人に治療の相談が急増

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