ろくな説明もないまま、原発の除染をさせられるケースも…。外国人労働技能実習生から直接話を聞いたところ、想像以上に過酷な現実がありました。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)
※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2018年11月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。
不満から失踪者続出も、政府は「よりよい待遇を求めて」と説明…
話が違う!外国人技能実習生の実態とは
11月8日に国会内で開かれた、外国人労働者野党合同ヒアリング。この日は外国人技能実習生から直接話を聞いたのですが、それは想像以上に過酷なものでした。私もその場に出席していました。
技能実習生が過酷な労働の実態を訴えました。
技能実習生:「2年前、会社働いた。けがしました。サインしないと帰って下さいと何回も言われました。私はサインしないです。働きたいです」。外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案の審議入りを前に、野党が中国やベトナムからの技能実習生にヒアリングを行いました。仕事中のけがについて会社から補償がなく、帰国を迫られたという証言や時給300円で長時間の残業をさせられたなどの訴えが相次ぎました。
実習生が実際に工場で障害を負った手は生々しく、絶句してしまいました。
なぜ「年間7000人が失踪」するのか?
「年間7000人が失踪」という言葉が一人歩きしています。失踪の理由を役所は「よりよい待遇を求めて」と説明するのですが、長妻昭議員がその説明は実態と違うのではないかと指摘。私もその通りだと思いました。
「よりよい待遇を求めて」ですと、なんだか研修生が欲張ったことが原因のイメージです。
そうではなくて、約束の賃金と違ったり、そして、その賃金が時給300円と破格に低かったり、怪我や病気をしても治療を受けさせてもらえないからだったんですね。
すべてがそうだとはいいませんが、そういうケースが多いようなんです。また、来日して何もわからない中、ろくな説明も受けずに原発の除染の仕事をさせられたケースもありました。
この日ヒアリングをして感じたのは日本語ができない人がかなりの割合でおり、これでは単純労働しかさせられないでしょうし、またコミュニケーションも取りづらいだろうということです。
外国人技能実習生の話を聞くと「安価な労働力」を求めて政府や企業が外国人労働者を受け入れようとしていることは透けて見えてしまいます。
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