1月下旬に行われる日露会談。追い込まれるプーチン大統領に対し、安倍首相は北方領土問題を解決へ持ち込むことができるのか、その見解について解説します。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2019年1月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
安倍・プーチン会談で北方領土問題の解決はあるのか?
1月下旬の会談にチャンスを見出す安倍首相
ぶっちゃけ、ロシアのプーチン大統領は厳しい状況に追い込まれている。
昨年3月の大統領選挙では無事に再選されたものの、その後は経済情勢の悪化に加え、年金問題や住宅政策の失敗で支持率は急落の一途である。
頼みの原油価格も思うようにならず、ウクライナ危機に端を発する欧米諸国による経済制裁の影響もあり、国民生活は青息吐息状態だ。
そのため、昨年後半は各地で年金受給者や旧軍人らによるデモが頻発。長期政権を目指すプーチン大統領の前途には暗雲が立ち込めている。
そんな中、「今こそチャンス」とばかり、安倍首相は1月下旬、モスクワに乗り込む予定。
今こそ、悲願の北方領土問題を解決し、平和条約を結ぼうというわけだ。
できれば、「本年6月に大阪で開催されるG20首脳会議のために来日するプーチン大統領との間で平和条約基本合意を得たい」と、やる気満々の安倍首相である。
そうなれば、「戦後処理を成し遂げた首相」として歴史に名を残すことになり、「7月の参議院選挙でも追い風を吹かすことになる」との読みに違いない。
そんな思いがひしひしと伝わってくる。
しかし、ことはそう簡単には運びそうにない。
なぜなら、プーチン大統領は安倍首相に対して、いくつもの癖玉を用意しているからだ。
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