「風邪をひいているわけでもないのに予防のためにマスクをしている」という、数年前だったら奇異に感じられた光景も、最近は電車内や職場で定着しています。今回の無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』では著者の須田將昭さんが、マスク着用の効果について、「インフルエンザ予防」だけではなく「加湿」「防寒」の観点から多面的に考察しています。
マスクの効果?
電車内でマスクをしている人をたくさん見かけるようになってきました。インフルエンザの流行もそろそろ本格的に始まるかと思われますが、さて、この「マスク」の着用は予防に効果があるのでしょうか?
結論から言うと、医療機関の調査や研究で見る限りは「効果があったとは言えない」というのが実情のようです。
マスクをしても、感染を防ぐことはできないというのは知っておいた方がいいようです。
ではなんのためにマスクをするのでしょうか?
まず感染している人が、咳やくしゃみをして、周りにウイルスや細菌を飛ばすことが減る、というメリットは大いにあります。マスクを着用して自分の感染を防ぐのではなく、周りにうつす確率を減らす、という意味はそれなりにあります。ただし、それでも空気感染する類のものにはあまり効果はないのですが…。
予防や感染防止では全く無意味かと言うと…ある観点からは有効な部分もあります。
それは口や鼻などの加湿効果です。マスクをしてしばらくすると、呼気に含まれていた水蒸気でマスクがやや湿ります。そのことで呼吸で入ってくる空気に少し潤いが与えられます。
ウイルスは湿度が高いと生存時間が短くなるという特徴があります。口元の湿度が高いと、それだけでウイルスをやっつけることもできるということです。
あと私はどちらかというとこれが理由でマスクをつけるのですが「防寒」です。湿度もそうですが、冷たい空気を直接吸わないというだけで体を冷やさなくて済みます。厚着しなくても体温を下げずに済むのです。体温を下げないことで免疫力も下がらずに済みます。結果として風邪やインフルエンザに負けにくくなる、というメリットはあります。
直接、感染を防ぐにはマスクは不十分。というのは事実としてありますが、無しで過ごすよりはメリットもあります。その点を考慮してうまく活用していきたいものですね。
接客業などではマスクをすることがマイナスに働くところもあるでしょう。でも、例えば通勤、通学の途上など、寒空のもと歩く時にマスク1枚あるだけで寒さを感じるのを減らせるのなら、それは大いに活用してみる価値はありますね。
また、装着する時にはワイヤー部分をしっかり折り曲げて鼻の形に添わせ、顎までしっかり覆い、隙間なく着ける、というのは基本です。箱などに書かれた説明をよく読んでぜひ効果的に使いこなしましょう。
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