米国企業の創業者らが巨額寄付を行うケースが相次いでいますが、これには表裏があります。日産のゴーン前会長も、この方法を取れば様相が変わっていたでしょう。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)
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お金をどう使おうが監視されない?寄付金は、巡り巡って親族へ…
「アメリカは寄付文化」の表裏
米国企業の創業者らが巨額の寄付を行うケースが相次いでいますね。
日本人とは違う、高尚な姿勢と言えるのでしょうか?これには、表裏があるのです。
つまり、慈善財団を設立し、自ら寄付することで、その慈善財団を自由にコントロールできる。そういう側面があるのです。
投資会社と似た活動をしている
実は、慈善団体といっても、すべてボランティア活動ばかりしているのか?というと、これは違うのです。
事実上、いわゆるファミリーオフィスと同じなのです。資産の運用や、ビジネスも行っています。
もちろん、一部で、慈善活動も行います。そして、慈善団体の幹部は、多くの場合、寄付額に応じてポストが配分されます。
つまり、自分の息子や娘、妻などを、慈善団体の重要な役職に配置するのです。
ですから、慈善団体に寄付しても、そのお金は自分のコントロール下にあり、ほとんどが非課税。幹部は、身内。
これが事実上、相続のパターンにも使われています。
ですから、巨額の寄付をしても、それが自分とは全く無関係のところにお金がいく、というわけではないのです。
裏側を知らない人は多い
私は一度、アメリカでまとまった金額の寄付をしたことがあります。しかし、かくいう私も、最初はこの構図をよく知りませんでした。
アメリカで寄付するということは、奥さんや子供に、直接・間接の方法を交えて、事実上、お金が渡っている。そういうことなのです。
ですから、日本の慈善団体への寄付と、アメリカの慈善団体への寄付は、日本人が思っている以上に中身が異なる、ということです。
アメリカの慈善団体が高尚であるのも、1つの真理です。しかし同時に、事実上、財団の近親者へマネーの配布が行われているのも、また1つの真理なのです。