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キャッシュレス店舗Amazon Goが強気の出店計画を打ち出す、売上のヒミツとは?=シバタナオキ

PayPayのキャンペーン以降、キャッシュレスに再び注目が集まってきています。そこで今回は、Amazonが実験中の無人コンビニ「Amazon Go」を取り上げてご紹介しましょう。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年1月21日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Amazon Goがさまざまな仕掛けに挑戦できる、その理由は…

Q.無人コンビニのAmazon Go、1店舗あたり売上はコンビニの何倍?

A. 約1.5倍。アメリカのコンビニの1店舗あたりの売上は$1M(約1億円)、Amazon Goは$1.5M(約1.5億円)です。

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存知の方も多いかもしれませんが、Amazon Goというのは、Amazonが展開しているレジで会計する必要のないキャッシュレスの店舗です。

入店する前に専用のアプリからバーコードをスキャンします。そして店内で手にした商品をそのまま持った状態でレジで会計をすることなく、写真のようなゲートを通ってお店を出ると、自動的に自分のAmazonアカウントに課金されるという仕組みになっています。

今まで謎に包まれていたAmazon Goのユニットエコノミクスが少しずつ明らかになってきたので、詳しく見ていきたいと思います。

※参考:Amazon Gocould generate $4.5B with plan for 3K stores‐RETAILDIVE(1月7日公開)

2021年までに3,000店舗出店へ

現在はまだ数えるほどしかないAmazon Goですが、2021年までには3,000店舗の出店を計画していると言われています。

仮に3,000店舗出店して、1店舗あたりが冒頭で書いたとおり$1.5M(約1.5億円)の年間売上だとすると、Amazon Goビジネスは年間$4.5B(約4,500億円)もの売上を生むビジネスになります。

Amazon全体の売上から見ると、$4.5B(約4,500億円)というのは大きいビジネスではないかもしれませんが、現在アメリカにコンビニは約15.5万店舗あると言われていますので、今後まだまだ取れるマーケットが大きいとも言えます。

Amazon Goのユニットエコノミクス

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Amazon Goの1店舗あたりのユニットエコノミクスは以下のようになります。

・店舗あたりの年間売上: $1.1M(約1.1億円)から $1.95M(約1.95億円)
・日次平均来客数: 400から700人
・購買単価: $10

1日あたり400人から700人が来店し、平均10ドルを消費して、店舗あたりの年間売上が$1.1M(約1.1億円)から $1.95M(約1.95億円)の間になります。

アメリカのコンビニの平均売上が年間約$1.03M(約1.03億円)なので、それよりも約1.5倍大きい計算になります。(この1.03億円にはアメリカのコンビニによく併設されているガソリンスタンドでのガソリン代とタバコの売上げは含みません)。

ちなみに日本フランチャイズチェーン協会によると、全国5.56万店舗のコンビニの2018年11月の1店舗当たりの売上は約1,600万円で、客単価は618円です。

客単価は低いものの1日の平均利用者数が約862名と多いため、年計算にするとAmazon Goと同程度の1店舗当たりの売上になっています。

<コンビニエンスストア統計データ>

(2018年11月度のPDF参照。上記の数字は、全店ベースの売上高891,079百万円、店舗数55,695、来店数1,441,444、平均客単価618円という公表数字から算出)

Next: コンビニよりもココがスゴい!Amazon Goの強みとは…

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