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道端の1セントを拾うビル・ゲイツと、拾わない貧困層。それこそが格差の起源だ=鈴木傾城

あなたは道端の1円を拾うだろうか。「一銭を笑う者は一銭に泣く」と言うが、あれは事実だ。富裕層ほど小さなお金の価値を知っていて、貧困層ほど蔑ろにする。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』鈴木傾城)

※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2019年2月3日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

なぜ貧乏人は1円を軽視?事実だった「一銭を笑う者は一銭に泣く」

「老後が不安」83.1%も…

金融広報中央委員会の出している『家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)』を見ると、老後の生活について心配している層は83.1%もあった。

その理由は言うまでもなく「十分な金融資産がない」が圧倒的多数だ。

では、60代の金融資産保有額を見るといくらなのかというと、平均値が1,613万円中央値が500万円となっていた。

今後、医学が発達して、死にたくても死ねないで人生100年時代を迎えるかもしれないのに、収入が途絶えて手持ちの資産が500万円だったら、悲惨なことになりかねないというのは少し想像しただけでも分かる。

さらに、2019年10月からは消費税が引き上げられることも決定している。

富裕層にとっては、2%の増税があったとしても明日から「何も食べられない」という生活に落ちるわけではない。

しかし、ほとんど貯金を持たないでギリギリの生活をしている層は、なけなしのカネから2%が余分に支払いが増えることになり、文字通りその2%が死活問題につながっていく。

格差はさらに広がっていく可能性がある。

社会全体で貧困が蔓延していく

政府が消費税を引き上げるのは、社会保障費が膨らんでどうしようもなくなっているからなのだが、そうであれば年金も徐々に減らされていく年金受給年齢も引き上げられる

苦しむのは高齢者だけではない。若年層もまた「非正規雇用が増えた」「終身雇用が消えた」「すぐにリストラされる」「転職するたびに賃金が下がる」ような目に遭わされているので、経済的に苦しいのは同じだ。

全世帯を通して、今まで通りに生きていたら、貯金があったとしてもどんどん目減りしていくことになる。

この閉塞感を突破するには内需拡大が必要だが、1年間で人口が40万人以上も減っていき、子どもよりも高齢者が多いような国では内需拡大など望めない。高齢化によって現状維持を好む人の方が増えてイノベーションも生まれにくい。

社会がそのような構造になれば、当然のことながら高度成長は夢のまた夢だ。2%の経済成長ですらもできそうにない。

そうなると、日本人はまるで真綿で首を絞められるように静かに困窮していく。気が付けば社会全体で貧困が蔓延していくという事態になっていく。

貧困が拡大する中で、自分がその貧困に突き落とされてしまう可能性がある。

Next: 1円を拾う? 拾わない? 小さな金を軽視するのが貧困層の特徴だった

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