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AIや5Gに並ぶ次世代テクノロジーとして発展する、ブロックチェーンビジネスの現在=高島康司

不動産、銀行業、医療分野など、ブロックチェーンはさまざまな事業分野に適応されつつある。今回は、導入を支援するためのプロジェクトの概要に焦点を当てる。(『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』高島康司)

※本記事は有料メルマガ『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』2019年2月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

第4次産業革命を担うテクノロジーのひとつとして発展

ブロックチェーン導入を支援する5つのビジネス

これまで当メルマガでは、さまざまな事業分野においてブロックチェーンを適用するプロジェクトを紹介してきた。

これからもブロックチェーンの適用が期待される新規の事業分野を紹介するが、これまでの記事でも分かるように、ブロックチェーンは仮想通貨とともに消滅するどころか、AIや5Gとならび、いま進行中の第4次産業革命を担うテクノロジーのひとつとして発展している。すでにブロックチェーンは、あらゆる事業分野への現実的な導入が期待され、また実際に進行している。

そのような状況で、事業分野の種類に関係なく、あらゆる企業を対象にブロックチェーンの導入を促進し、サポートするための業者も増えて>いる。今後これは、ひとつの独立した事業分野として確立されることだろう。ビジネスにおけるブロックチェーンの導入には、次の5つのエリアがある。

1)スマートコントラクト

このメルマガでも幾度となく紹介しているが、スマートコントラクトとは、プログラムの自動実行機能を実装したイーサリアムのブロックチェーンである。条件を指定すると、将来の時点で条件が充足されたときに、プログラムが自動的に実行される。

この機能を用いると、支払いや振り込み、送金、文書類の送信、製品の発送など、ビジネスでルーチン化されているさまざまな日常業務の自動化に使うことができる。ブロックチェーンはハッキングが困難で、高度なセキュリティーが確保されるので、スマートコントラクトで安心してプログラムを実行できる。この結果、ルーチン化された業務の実行に必要となる人員が削減できるので、企業にとっては大きなコストカットが実現できる。

2)ストレージ

あらゆるデータのデジタル化が進むなか、データの安全な保管場所としてのオンラインのストレージは、企業にとって不可欠なものになりつつある。すでにオンラインのストレージは、全世界で2,200億ドル規模の事業分野になっている。

しかし、確保できるストレージのサイズには当然制限があるので、保管するデータ量が大きくなればなるほど、一層大きなストレージの確保が必要になる。そのためには、ストレージ会社との契約の更新が必要になるが、容量が大きくなると料金も高くなる。また、保管されたデータのハッキングを防止するためには、高度なセキュリティーのサーバが必要になり、それも大変に高価である。

ブロックチェーンの分散台帳によってネット上に存在する無数のコンピューターをネットワークで結ぶと、それらのコンピューターの使用していないハードディスクをストレージとして使うサービスの展開が可能になる。これを導入すると、セキュリティーを懸念することなく、実質的にほぼ無制限にデータを保管することができる。

3)サプライチェーンの記録

いまどんな製品でも、世界的に分散化した拠点を結んだグローバルなサプライチェーンによって生産されている。現在、トランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争によってサプライチェーンの分断が起こっているものの、グローバルなサプライチェーンがこれからも一般的な生産体制であることには変わらない。

このようなサプライチェーンの導入で課題となるのは、製品を構成する数多い部品のトラッキングである。それぞれの製品に極小のセンサーを内蔵させると、原材料、生産国、検査結果、流通経路、賞味期限や環境関連の情報のトラッキングをブロックチェーンで容易に行うことができる。

もちろんこうした機能は既存の中央集権的なサーバでももちろん行っているが、独自のシステムの構築が必要になるため、相当にコストがかかる。ところがブロックチェーンを使うと、分散台帳にデータが自動的に書き込まれるので、トラッキングの専用のシステムを使うことなく、比較的に低コストで高度なトラッキング機能を提供することが可能になる。

4)給与の支払い

グローバルなサプライチェーンが一般化している現在、その企業のために働く従業員も複数の国々に及ぶ。労働力の国際的な分散化が進んでいる。このような状況における給与の支払いは、やはりそうしてもコストがかかる。本社から原地の銀行に給与を送金しなければならないからだ。現行のシステムでは、銀行の送金手数料はばかにならない。また、為替相場の変動もそれなりにリスクになる。

このようなとき、給与支払いの手段として仮想通貨が使えるのであれば、銀行送金の手間とコストは大幅に削減できる。従業員のスマホのウォレットに直接送金すればよいからだ。

もちろん、仮想通貨の相場の変動は大きく、安定していないので、給与の支払いには不向きであるとの見方もある。もし今後、仮想通貨の相場が安定すると、この目的に使うことができるはずだ。

5)電子投票

株を上場している株式会社は定期的に株主総会を行い、経営方針や内容の変更を承認してもらわなければならない。多くの株主を一カ所に集めるには時間もコストもかかる

そのような状況で、電子投票のシステムを使うことができるなら、株主総会の開催にかかるコストは大幅に削減できるはずだ。投票システムにブロックチェーンを使うと、すべての票がハッキングや改ざんが不可能な分散台帳で管理されるので、株主による安全な投票が可能になる。

Next: どんな特徴を持ったブロックチェーン業者が選ばれているのか?

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