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節税保険は悪なのか?保険会社が販売停止した経営者向けの生命保険…その被害者とは=奥田雅也

生命保険各社が13日、国税局からの意向を受けて節税目的の加入が増えている経営者保険の販売を一時取りやめることを決定しました。その背景を詳しく解説します。(『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』奥田雅也)

※本記事は有料メルマガ『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』2019年1月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:奥田雅也(おくだ まさや)
事業(医業)経営に関する生命保険・損害保険活用術に精通し、過去20数年間で保険提案した法人数は2,500社以上。現在は大阪を拠点として保険代理店経営・保険営業を行うかたわら、年間60回程度の講演や、業界紙・本などの執筆、コンサルティング業務を展開中。著書に『ここから始めるドクターマーケット入門』(新日本保険新聞社)『法人保険販売の基礎』(電子版・保険社)など。

本当の被害者はだれなのか?

生命保険会社が人気の保険商品を次々販売停止

ここ最近、生命保険業界で起きていることについて、事実関係を含めて現時点までの流れを整理しておきます。

日本生命保険など生命保険各社は13日、節税目的の加入が増えている経営者保険の販売を一時取りやめることを決めた。

国税庁が同保険の税務上の取り扱いを見直し、支払った保険料を損金算入できる範囲に制限をかける検討を始めるため。中小企業の節税ニーズをとらえて市場が急拡大してきたが、転機を迎える

日本生命のほか第一生命保険や明治安田生命保険、住友生命保険が解約時の返戻率が50%を超える法人向け保険の販売を14日から停止する。外資系のメットライフ生命保険なども販売を止める。

国税庁が13日、同保険の課税方法を定めた通達を見直す考えを生保各社に伝えた。各社は見直し案が固まるまで販売を自粛する方向だ。

販売を停止する経営者保険は中小企業が契約主体となり、経営者が死亡すると数億円単位の保険金が支払われる。保険料を全額会社の損金に算入でき、途中解約すると保険料の大部分が戻ってくる設計で、実態は節税目的の利用が多い。

国税庁は解約時に保険料の大部分が戻る前提の商品については、保険料を損金ではなく資産として計上すべきだとの考え。現在の商品が保険料の全額を損金処理できる点を問題視している。法人の保険料の税務上の取り扱いを定めた通達を見直して制限をかける。

節税保険は中小企業経営者のニーズをつかみ、市場規模が数千億円にまで拡大。金融庁が節税効果を強調した販売手法などを問題視し、各社は商品設計や販売手法を見直す準備に入っていた。

国税庁が商品の根幹である税の取り扱いを見直すことで、より根本的な見直しを迫られた。

節税効果の高い経営者保険は過去にも登場し、その度に国税庁が規制を重ねてきた。今回は日本生命が2017年に出した新商品「プラチナフェニックス」をきっかけに各社がこぞって商品を投入した。

出典:生保、「節税保険」販売停止 国税が課税見直し方針 – 日本経済新聞(2019年2月13日配信)

2月13日の16時より生命保険協会にて全保険会社を集めた「拡大税制研究会」が開催され、国税庁側からの意向が出席した保険会社に伝えられています。

拡大税制研究会はいきなり開催される訳ではなく、少なくとも1週間前に各社へ開催の意向が生命保険協会より伝えられますので、6日ごろに各社へ連絡が行っていたと思われます。

Next: 国税局が出した「見直し方針」のポイントとは?

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