軍事アナリストが疑問視。沖縄県の諮問会議に並ぶ残念な顔ぶれ

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沖縄の基地問題に関してさまざまな提言を行なっている軍事アナリストの小川和久さんが、玉城デニー知事の「諮問会議」創設のニュースについて「アリバイづくりでは?」と、メルマガ『NEWSを疑え!』で疑問の声を上げました。小川さんがそう直感した理由はどこにあり、「アリバイ」とは何を意味するものなのでしょうか?

沖縄県の諮問会議はアリバイづくり?

米海兵隊普天間基地の移設問題が膠着状態を続けているなか、沖縄県の玉城デニー知事が新しい方針を打ち出すようです。3月27日の朝日新聞は次のように伝えています。

「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄県の玉城デニー知事は、新年度から辺野古移設に代わる案の検討を始める。県政課題に関する諮問会議の中で、政府OBら専門家に協議してもらう。『代替案は政府が考えるもの』としていた前県政の方針を転換する。

2月の県民投票で辺野古の埋め立て反対が7割を超えたが、安倍政権は辺野古移設に固執し、工事を進め続けている。県幹部は『政府と交渉するための意見をまとめたい』と話す。

玉城知事が4月に立ち上げる諮問会議は『万国津梁(ばんこくしんりょう)会議』。基地問題もテーマで、辺野古移設問題も議論する。県幹部によると、協議内容は米海兵隊の運用や移転先などを想定。議論を進める中で、辺野古移設の代替案を検討する考えだ。

メンバーには、これまで移設問題について意見を聴いてきたジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ氏のほか、防衛省OBで元内閣官房副長官補の柳沢協二氏、元外務省国際局長の孫崎享氏らを起用する方向で調整。すでに一部からは了承を得たという。

普天間飛行場の移設先について、玉城知事は県外の立場で、知事就任前の昨年9月には『ぶれたことはない』と述べている。(山下龍一)」(3月27日付 朝日新聞)

この記事を読んで、普天間基地返還合意から関わってきた私としては、直感的に「アリバイづくり」という言葉を思い浮かべずにはいられなかったのです。なんの「アリバイ」なのでしょうか。

それは、諮問会議が「日米の有識者を集めて検討を重ね、なんとか辺野古移設を阻止しようとしたが、政府の強硬姿勢の前に力及ばなかった」と、沖縄県民に言い訳をするための「仕掛け」にしか見えないからです。

新聞が伝える「有識者」の顔ぶれを見てください。日米両政府を説得したり、論破する能力を備えた人は皆無ですし、ほとんど無視されている人ばかりなのです。

柳澤氏にしても、孫崎氏にしても、もとは政府の要職にありましたが、いつの間にか政府と対立する姿勢に転じ、いまでは相手にさえされていません。

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