ゴーン事件と商法改正~武田邦彦集中講座



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◆ゴーン事件から学ぶ、従業員をまったく無視した日本の「商法」

日本社会や世界の政治情勢の変化が激しくなり、ここでもシリーズものをやってきましたが、それでは重要問題を時宜を得て解説ができないので、しばらくシリーズを中断して特に重要な問題を取り上げるようにします。また私のブログ(http://takedanet.com/ )では音声で類似のテーマを扱いますので、メルマガと一緒に見ていただくとよりよく理解が可能かと思います。

日産自動車のゴーン容疑者は、会社が社会に発表すべき報告書を偽造したり、自分の妻、母親、知り合いの弁護士がほとんど日産自動車に貢献していないにも関わらず、報酬や自宅を供与していたことなど、日本の感覚では「狡い」という感じの人だったようです。

もともと、ゴーン容疑者が「優れた経営者」ということ自体がマスコミのフェイクニュースで、単に日産自動車の財産(人と物の財産)を売り払って、収益の向上を図ったもので、本来の経営がやるべき、技術や営業の改善ではなかったのです。

従来の日本の経営は、従業員とともに会社を発展させていくという考えで、苦しい時にも一緒に歯を食いしばって回復するという方針でした。そしていま、現実に日産自動車の技術を支えているのも、「改善活動、5S活動」というように、会社と従業員が一体となった思想でやってきて、それが日産自動車の製造を支えてきたのですから、良いところは横取りし、苦労した従業員を解雇するだけですから、決して「優れた経営者」ではないのです。

今回の事件はこれから双方で激しい戦いがあるでしょうから、それについてはここでは触れません。それよりこの事件を活かして日本社会のひずみを直し、よりよい日本を子供たちに引き渡せる方向で整理をします。

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