読書×温泉で至福の時間。文化の香り感じる長野「蓼科親湯温泉」

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2019/04/03

スマホの進化で深刻な本離れがといわれる昨今、注目を集めているのが“泊まれる本屋さん”です。本屋をコンセプトとしたホステルタイプの宿泊室が新宿や池袋などにオープンし、話題となりました。そういえば何年か前に湘南T-siteでも書店に一晩だけ宿泊OKというイベントがあり、羨ましい気持ちで取材に行ったのを覚えています。

そんな本に囲まれた空間で過ごす贅沢な時間を知る人にこそぜひ教えてあげたいのが、長野県「蓼科親湯温泉」です。温泉と名がつくこの宿はもちろん温泉旅館。

創業は1926(大正15)年という老舗の温泉旅館ですが、この「蓼科親湯温泉」がユニークなのは、なんと約3万冊もの蔵書を公開したライブラリースペースを有していること。さっそく、その魅力に迫ってみましょう。

歴史ある老舗温泉宿で、じっくりと本に向き合う時間

入り口を入ると、まず目に入るのがロビーに置かれた本棚。チェックインを待っている間からさまざまな本を手に取れるようになっているのは、本好きの心をくすぐります。そして、チェックインを終えるのももどかしく、その奥に続く大きなライブラリースペースに視線が釘付け。

瀟洒(しょうしゃ)な旧財閥の洋館のようなそのスペースには、いかにも座り心地よさそうなソファが点在し、壁一面を埋める背の高い本棚にはズラリと本が並びます。

大きな暖炉が二箇所あり、窓の外には蓼科の大自然が広がるこの贅沢なシチュエーションには、読書を目的としていなくてもおもわず「素敵!」の声があがるはず。

ライブラリースペースは、みすず書房の社主が茅野市の出身であることにあやかって「みすずLounge & Bar」とネーミングされ、ライブラリーとしてはもちろんラウンジとして寛げる空間になっています。好きな本を手にとってゆっくり閲覧するのに最高のスペースですが、あまりの心地よさに寝落ちしてしまうかもしれません。

バーが併設されているので、ワインやカクテルを片手に読書を楽しむことができるというのも気が利いています。いかにも我が物顏でこの粋な空間に身を預け、好きな本のページをめくれば、それだけで完璧に非日常のワンシーンにエスケープ!

「みすずLounge & Bar」のほかにも館内には至るところに本が置かれているので、客室からどこかへ移動するたび、どれもこれも手にとってみたい誘惑にかられます。


ロビーから別棟の客室へと続く廊下には、岩波書店の書籍を一箇所に集めた「岩波回廊」と呼ばれるコーナーがあり、こちらも圧巻。ずらりと並ぶ背表紙のタイトルを眺めるだけでもわくわくします。よくぞこれほどの数を集めたものだと感心せずにはいられません。

館内にある本はすべて自由に手にとって見ることができますが、さすが!と思うのが客室に持っていってもOKという点。誰にも気兼ねせず思いっきり読書を楽しみたいという読書好きのツボを心得ているんです。

旅館のふかふかの布団の上に寝転んで、ゴロゴロとページをめくっているうちに睡魔に襲われる幸せといったらありません。温泉→読書→昼寝→読書→温泉…みたいな極楽ループが簡単にできあがります。

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