メインの印刷業では、TV CMでの顧客獲得を成功したラクスル。さらに、2015年にスタートした配送業・ハコベルも成長しつつあり、今後が楽しみな企業のひとつです。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年3月28日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
事業の多角化によって、高い成長力を実現
Q. 売上がYoY+62%で成長するラクスルの最大の成長ドライバーは?
今日の記事では、以前に決算資料がとてもイケているという内容で取り上げたこともある、ラクスル株式会社を取り上げたいと思います。
※参考:ラクスル株式会社2019年7月期第2四半期 決算説明会資料
はじめに決算の概要です。売上は四半期あたり40億円を超えてYoY+61.7%、売上総利益が9.86億円でYoY+55.4%と非常に高い成長率を誇っています。
成長率が高いことに加え、売上総利益率=テイクレートが24.2%もあるのが驚異的だと言えます。
事業の多角化の進捗
ラクスルといえば、印刷事業のマーケットプレイスが主力の事業でしたが、印刷事業の中で集客支援を行う「広告サービス」も大きく伸びており、そこに運送事業である「ハコベル」が乗ってくるという形で事業が多角化できていることがよくわかります。
こちらは、運送事業であるハコベルの事業目的を説明したスライドです。運送事業だけではなく、印刷事業も集客支援も全て古くからある業界です。「多重下請け構造など構造的に非効率な業界を狙い撃ちして、ソフトウェアの力で効率化することで急成長している会社」だと見ることができるのではないでしょうか。
元々の業界構造が非効率の塊であるがゆえに、ラクスルは24.2%という非常に大きなテイクレートを取ることができているとも言えるでしょう。