ビデオ会議ソフトウエアをSaaSで販売しているZoom Video Communications Inc.が、4月にナスダック上場を予定しています。今回は、この大型IPOが注目される理由を紹介します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年4月10日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
数あるビデオ会議ソフトウェアのなかから選ばれる理由
Q. 世界最強のSaaSになり得るビデオ会議zoom、顧客あたりの売上は?
SaaS上場企業としては低〜中程度。
先日取り上げたライドシェアビジネスを展開する「Lyft」をはじめ、今年のアメリカは大型のIPOが相次いでいます。
その中でも今回は、ビデオ会議ソフトウェアの「zoom」をSaaSで販売している、Zoom Video Communications Inc.を取り上げます。
zoomというソフトウェアを利用したことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には「Skype」などと同じように、ビデオ会議を行うためのソフトウェアです。
ビデオ会議といえば昔からあるSkypeをはじめ、最近ではiPhoneに標準搭載されている「フェイスタイム」など、競合がひしめくレッドオーシャンのように見えます。
その中でzoomが支持されている最大の理由は、接続が切れにくく安定しているソフトウェアだという点に尽きるのではないでしょうか。
さらに、Skypeのように会議の参加者全員がIDを取得する=事前登録の必要がありません。参加者は事前にソフトをインストールしておけば、ホストが設定した会議のURLをクリックするだけで、会議を始めることができる手軽さも普及に一役買っていると思います。
私自身も、最近ではほとんどのビデオ会議をzoomで行うようになっており、他のビデオ会議ソフトウェアは使わなくなりました。
ビジネスモデルとしてはフリーミアム型で、無料で利用することができます。
3人以上が参加するグループ会議を40分以上開催したい場合は、有料プランに契約する必要があります。
有料プランもここにあるように決して高いわけではなく、一人当たり月間$15(約1,500円)程度から契約できる形になっています。
それでは決算を詳しく見ていきましょう。
※参考:ZOOM VIDEO COMMUNICATIONS, INC. FORM S-1(2019/3/22)
今回も、SaaSといえばこの人!Redpointのベンチャーキャピタリストのトーマスさんの分析も交えながら解説していきたいと思います。
※参考:BENCHMARKING ZOOM’S S-1:HOW 7 KEY METRICS STACK UP
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