統一地方選の投票率は各地で過去最低が相次ぎました。最もニュース性を感じたのは、マック赤坂さんの当選でしょうか。市場にどんな影響が出るのかを考えます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
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日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
与党も野党も信用できない?戻り始めた海外資金も離れていきそう
投票率、過去最低が続出
古今東西、選挙は人々の関心を呼ぶ、はず。しかし、統一地方選の投票率は史上最低の水準だったとか。
かく言う私も、積極的に票を投じる候補者もなく、投票所まで決めかねていました。結局、事前に選挙公報をみて、地道そうな人に一票を入れた次第です。本当に地道なのかは分かりません。
マック赤坂さん当選は消去法?
最もニュース性を感じたのは、マック赤坂さんの当選でしょうか。東京の港区議会議員選挙です。「マック赤坂」といえば、典型的な「選挙おじさん」として知られています。名前だけは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
そんなマック赤坂さんが当選。ご本人には失礼ながら、国政での与党・野党双方に共感を得ない有権者が、消去法的に「選挙おじさん」を選んだのではないかと。
野党の不人気は今に始まった話ではありません。しかし同時に与党の不人気も着実に増えてきた結果が港区議会選に出た感じがします。
海外投資家がさらに離れる?
とかく相場は政治の安定を好みます。独裁色が強くても、経済政策に道筋があれば市場は好感します。
その点、今回の選挙結果はちょっと不安です。せっかく戻り始めた海外資金の動きも、買い戻し程度で終わってしまうのではないかと。積極的な投資を誘う政策が無いのです。
てことで、海外市場の動きに仕方なく日本市場も付いて行く、そんな展開が見込まれます。まやかしっぽい中国市場の動きも、止まるまでは相場の下支え要因です。
10連休を前にしたポジション整理も早めに出ているようです。総じて色の無い相場。日本国内のファンダメンタルズが何かと弱いだけに、先走って売って後に踏み上げられないように気を付けたいところです。
<今回のまとめ>
・統一地方選、国政野党はともかく、与党にも積極的な支持に欠けている印象
・政治安定を期待する相場には不安です
・海外市場の強さが下支えではありますが…
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『高梨彰『しん・古今東西』』(2019年4月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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