現役アナウンサーが解説。質問されたほうが話しやすくなる理由

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人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技を伝えてくれるメルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言』の著者で、現役アナウンサーの熊谷章洋さん。前回の「端的に表現、説明し尽くせる人の話し方」で紹介した「横着ファイリング話法」についてさらに踏み込んで解説。「話す内容は、まとめるのではなく絞り込んで膨らませる」と、極意を披露します。

話は、まとめようとするな

どんなに話すのが苦手な人でも、「質問されれば話せるのに…」と思うことはないでしょうか。

例えば職場で、上司が新入社員を連れてきて、「〇〇の件について、この子に説明してあげて」とあなたに依頼した、とします。話すのが苦手な人なら、説明しなくてはいけない〇〇のことについて、なにをどこからどんなふうに説明しようか?あれも大事だし、あの知識も必要だし、それを理解するには、前提としてあれを知っておかなくてはいけないし…と、まず頭を悩ませるかもしれませんね。

ところが、その新入社員さんが、「〇〇の件の過程で起こる、××というトラブルの対処法を教えてください」と、あなたに質問してくれたら、どうでしょう?その方法を知っているあなたは、「ああ、それはこうやるんだよ」と、意気揚々と説明し始めることができるのではないでしょうか。

こんなふうに、質問されたほうが話しやすくなるのは、なぜでしょうか?理由は簡単です。聞き手にとって必要な情報は何か、が絞られているからです。「今からどういう話をすべきか」「今から話すことに求められること、必要な情報は何か?」を、話し始める前に認識できているから、です。

…と、ここまで聞いて、前回までの記事を読んでいただいている方なら、ピンときましたよね。これ、今、このメールマガジンの流れの中でご紹介している、「横着ファイリング話法」(著者命名)の原理そのものだからです。ある一点を除いては…。

その、ある一点とは、「話す本人が自分で」話す範囲を限定すること、です。上記の新入社員に対する説明の例では、新入社員さんが質問してくれたら説明しやすくなりましたが、これは、その質問によって話す範囲が限定されたから。

鍵になるのは、それを自分でできるか。「横着ファイリング話法」でいうところの、「空フォルダー」を自分で用意、整備できるか、なんですね。

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