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日本の空き家820万戸は嘘?本当?数字のマジックと不動産業者の煽りにダマされるな=姫野秀喜

最近、「空き家が増えている」という記事がいたるところに散見されます。しかし、この空家の数というのは、実のところ正しく計測されているものではないのです。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

総務省と各区の調査で大きな差。私たちはどの数字を信じるべき?

メディアに飛び交うセンセーショナルな数字

私たちの住む日本は、どんどん人口が減少しています。人口が減ることで、空家や所有者不明の土地などが増え、メディアなどにクローズアップされるようになっています。

たとえば、所有者不明の土地は九州の広さ(410万ヘクタール)くらいあるとか、空家は全国で820万戸あるとか。

大きな数字を言えばセンセーショナルに聞こえるので、マスコミも煽ります。もちろん私も、煽ります(笑)。

今回はこの数字について解説します。

空き家の実態はもっと少ない?

住宅新報に、空家の数が実数とかけ離れているので、東京都の各市区町村が再度調査したという記事がありました。
※参考:17区が空き家対策を策定 東京23区 実態は18区で1万5471棟 – 住宅新報(2019年4月22日配信)

記事によれば、総務省が平成25年に行った調査では、日本全体の空き家が約820万戸、東京都の空き家が約82万個、23区内の空き家が約59万戸だということです。

しかし、東京23区内のうち、18区で調査しなおした結果、18区の合計で空き家は15,471件だったとのことです。

総務省の調査では23区で59万戸、一方、今回の各区の調査では18区で1.5万件です。

件数に違いがありすぎて、どちらも同じものを数えたとは思えないです。

Next: なぜ大きな差が出た?私たちはどの数字を信じればいいのか

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