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孫正義氏がまた掟破り?ソフトバンクの投資ファンド「直接上場」が壊す証券業界の常識=今市太郎

ソフトバンクグループ傘下で現在1000億ドル規模の投資ファンド「ビジョンファンド」が、伝統的なIPOを選択せず、直接上場を検討しているとして話題になっています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年5月6日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

得するのは既存の株主たちだけ?ソフトバンクグループの狙いとは

証券業界のIPOビジネスを叩き壊す?

ソフトバンクグループの幹部が、現在1000億ドル規模の投資ファンドであるビジョンファンドを新規株式公開する構想をもっていることを明らかにして話題になっています。

しかもその手法が、昨年かなり注目されたSpotify(スポティファイ)がおこなった直接上場で、伝統的なIPOを選択しないというわけですから、市場がざわつくのも当然の状況といえるものがあります。

昨年の親子上場に次いで、今度は同社の主力事業にもなりつつあるビジョンファンドを直接上場という形で切り出す手法に市場は果たしてどう反応することになるのでしょうか。

いまのところまだかなり初期のステージであるため、あくまでも構想段階ということですが、既存の証券業界のIPOビジネスを崩すことになりかねないこうした動きが今後どうなっていくのか注目されるところです。

IPOを行わないメリットとは

通常のIPOでは、新規に上場する株式を引き受ける証券会社を決め、投資家から売り出し価格に対する調査を行って適切な売り出し価格を決めていくという細かい作業を行うと同時に、なにより証券会社に多額の手数料を支払うことを余儀なくされます。

名前の通りいきなり直接上場を果たせば、そうしたコストが大幅に削減できることが大きなメリットとなります。

また直接上場を実施すればロックアップ期間が設定されないことから、株式保有者は通常のIPOよりもはるかに早くキャッシュアウトを実現することが可能になるという大きなメリットが生まれることになります。

こうした直接上場が常態化することになれば、既存の証券会社が形成してきた独占的でレガシーな仕組というものが崩れることになりかねません。

しかし、Spotifyの成功以降、徐々にその数も増え始めており、ひとつの大きな流れになることは十分に考えられる状況です。

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