にわかには信じがたいが、「専業主婦が年金を受け取れるのはおかしい」「せめて半額にしろ」との意見が出ているという。それも働いている若い女性からだ。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)
※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』2019年5月16日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。配信済みバックナンバーもすぐ読めます。
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。
怒りの矛先はそこでいいのか?景気が悪いと世の中はギスギスする
景気がいいときはみんな優しい
私は長く金融機関に勤めていた。外資、日本企業を合わせて、5社に勤めた。
最初が英系の外為インターバンク・ブローカーだったので、銀行をはじめとして金融機関の運用担当者の方々とは、相当に密に交際して頂いた。
最初は私の顧客だった人が、後にはこちらが顧客なるようなこともあった。少なからずの人たちと、今も交流がある。
5つ目のスイス・ユニオン銀行(UBS)に移った時、長年の付き合いだった某生保の年金運用部長から、「矢口さん、どこの上司が働きやすかった?」と聞かれた。
最大手の生保なので、私の過去のどの上司ともそれなりの付き合いのある人だった。
私は、「業績がいい時は、みんないい人。悪い時に、いい人だった人はいない」と答えた。身も蓋もない答えだが、皆さん方もお勤めの会社で、経済環境がいい時には仲良しだが、悪くなるとギスギスするような経験をお持ちだろう。
環境が悪い時に、和気あいあいとしていることは難しい。家庭内ですらそうだ。
専業主婦が年金をもらえるのはおかしい?
私が何故このようなことを思い出したかというと、「専業主婦だった方々が年金を受け取れるのはおかしい」として、せめて半額にしろという意見が出ているというからだ。
それも、働いている若い女性が言っているという。
※参考:https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00023/
おかしな話だ。専業主婦の分の年金保険は、配偶者である夫が負担している。払った分を受け取るだけなのだ。
本当に若い女性が言っているのか?それとも、政府や年金機構寄りの人々が年金受給者である国民の分断を図っているのか?
いずれにせよ、環境が悪い時には、世の中がギスギスするものだ。
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