つまり、IoTと5Gの組み合わせで我々の生活はどう便利になるのか

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米中経済戦争を巡っては厳しい貿易制裁の内容が報道されていますが、今後世界経済の潮流となり莫大な富を生むであろうIoTと5Gを組み合わせた新ビジネスの覇権争いも熾烈です。ジャーナリストとして数々のメディアで活躍中の嶌信彦さんは自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』の中で、スマートハウス、遠隔医療など、生活動線全てがビジネスに繋がる「IoTと5G」の可能性と問題点について解説しています。

IoTへのサイバー攻撃

このところIoTの話題が急速に増えている。インターネット・オブ・シングスの略で、モノのインターネットとも呼ばれている。インターネットには、これまでのように人と人がつながれるための通常のインターネットの他にモノや機械同士がつながるインターネットも登場している。

例えばスマホや自動車、道路、電信柱などだけでなく窓や鍵、ペット、家電、人間などあらゆるものにセンサーを入れることができ、センサーを組み込まれたもの同士がインターネットによってつながるようになるのだ。つまり全てのもの世の中全体がインターネットにつながる状態となり、インターネット・オブ・エブリシングの世界が生まれつつあるわけだ。

このIoTはいま毎年30%程度伸びているといわれ、2020年のIoT市場は3兆ドルの規模になるとみられている。これはアップルアマゾングーグルマイクロソフト4社の時価総額に匹敵する。この低成長時代の世界にあって、あらゆるモノにセンサーを取り付け、つなげることによりモノ同士のコミュニケーション市場を創出し、通信インフラの膨大な市場が必要になってくるのである。このため、各通信会社は高度な基地局を建設しているのだ。

個別企業でもIoTを自社製品に取り付け様々な効果を上げているところが多い。有名なのは建設機械で世界第2位のシェアを誇るコマツだ。コマツのショベルカーは様々なセンサーが取り付けられ、そのセンサーが世界の現場の情報を送ってくるのである。地域によって異なる故障原因を分析したり、内蔵されているGPSによって盗難された製品の居場所を見つけたり、効率的点検、故障の早期発見などもやすやすと行なえるという。

最近はスマートハウスの効用も話題になっている。家の中の家電製品にセンサーなどを取り付けておけば冷蔵庫の内容物が外出先から把握できたり、電気のつけっ放しを忘れて外出した時に外出先から点検したりすることもできる。車から送られてくるビッグデータと人工知能を組み合わせて信号機をコントロールし、渋滞解消や自動運転の発展にもつなげられるのだ。

このほか洋服にセンサーを取り付けることで脈拍や体温、血糖値の管理も可能となるし、通信速度が100倍になることで通信の遅延が無くなり、遠隔地にいても人体の画像をみて名医が手術の執刀者に手ほどきすることも可能となる。

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