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日に日に深まる今回の逆イールドカーブは、ついにリセッションを起こすのか?=藤井まり子

トランプ大統領のメキシコ追加関税をきっかけに再び下げ相場となっている世界市場。しかし、本当に注目すべきは、パウエルFRB議長の利下げのし過ぎでした。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2019年6月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

「1998年型のマーケットの大波乱」の始まり

「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にびっくり

5月31日のトランプ大統領の「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にはびっくりです。

この発言については、トランプ大統領の真意は「藪の中」。NAFTAに代わるアメリカとメキシコとカナダとの間の新貿易協定が、USMCA。そのUSMCAは、民主党の妨害があって、なかなか議会で批准されない状態でした。「そのことにしびれを切らしたトランプが、議会へプレッシャーをかけるためにこういった発言をした」と、指摘する向きもあります。

一方、トランプ大統領は、「中国以外でも、本気でメキシコなどへ関税をバカスカかける算段かもしれない」という、一抹の不安は残ります。トランプ政権は、「世界中の輸入製品に関税をばかすかかけて、その関税を財源にして、巨大インフラ投資を実行するつもりなのではないのか?本気で、海外進出したアメリカの多国籍企業の工場をアメリカ国内の呼び戻すつもりなのではないのか?」といった指摘も可能です。

あるいは、「パウエルFRBが1.00%の利下げを断行するまでは、すなわち、パウエルFRBへの『利下げの督促相場』が始まるまで、こういったトランプ大統領とトランプ政権の暴走は続く」とも指摘できます。

おりしも、GAFAへの規制強化の動きが始まっています。まるで、トランプ政権は督促相場が始まることを最も切望しているみたいです。

なにはともあれ、トランプの「メキシコへの関税」発言は、ただでさえ「新冷戦の勃発」で再急浮上してきた「中国および世界経済減速」懸念を、さらに深めました(ちなみに、最初の懸念は、昨年2018年秋に起きましたね)。

日に日に深さを増している「逆イールドカーブ」はさらに深まっています!

「世界経済減速」懸念のみならず、「アメリカ経済の景気後退(=リセッション)」懸念さえも急浮上しています。

しかしながら、アメリカ経済のファンダメンタルは、その人口動態から眺めても、まだまだと向こう数年間、もしかしたら向こう10年は頑強です。アメリカの若年労働者数は、先進国で唯一増加しているのです!

しかも、今起きているアメリカ金利市場での「逆イールドカーブ」は、その形状から見ても、「株式ブームの終焉が近かった2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」とは、まったくもって異質です。違っているのです!

Next: 現在起きている「逆イールドカーブ」は、どういうものなのか?

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