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ついに楽天傘下に入った「ぐるなび」、ここまで業績が落ちた4つの原因とは?=シバタナオキ

6月19日に行われる株主総会で楽天から役員を迎える議案を提出したぐるなび。今回は、ぐるなびの過去3期におよぶ業績悪化の原因と今後の打ち手を考えます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年6月5日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ぐるなびはなぜ、ここまで業績悪化してしまったのか…

Q:ぐるなびの業績が悪化した原因とは?

1. 大口顧客への過度の依存
2. ネット予約への対応の遅れ
3. 外部サービスとの連携の遅れ
4. 飲食店業務支援サービスの遅れ

今日の記事では、ぐるなびの過去3期におよぶ業績悪化の原因と今後の打ち手を考えてみたいと思います。

最初に記載しておくと、後述するぐるなびの決算資料に書かれている「3つの遅れ」以外にも業績悪化の原因が決算資料から読み取れるので、ぐるなびの業績悪化は上記の通り4つの原因があると整理できると思います。

ご存知の方も多いかもしれませんが、ぐるなびはここ数年間赤字が続いていて、昨年楽天との資本提携を発表しました。さらに今回の発表で楽天が筆頭株主になり、6月19日に開催される株主総会で楽天の常務執行役員3名をぐるなびの取締役として選任する議案が出され、資本関係だけでなく経営に関しても楽天に支配されることになりそうです。

つまり一言で言うと、ぐるなびが楽天グループの傘下に入ったと言っても過言ではないでしょう。

ぐるなび<2440> 月足(SBI証券提供)

ぐるなび<2440> 月足(SBI証券提供)

こちらが過去10年間のぐるなびの株価の推移になります。最も株価が高かった2016年と比べると現在の株価は約1/6程度となってしまっており、このタイミングで創業者が株式を楽天に手放したということは、事実上のギブアップだと言えるのではないでしょうか。

ここからは、ぐるなびの何が問題だったのか?、そして今後楽天グループ内でどのような手を打っていくのかを決算資料から読み取れる範囲で見ていきたいと思います。

※参考:株式会社ぐるなび 2019年3月期 決算説明会資料(2019年5月14日公開)

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2019年3月期の売上は年間ベースで327億円で、YoY-9.7%とマイナス成長になっています。
営業利益は約12億円でYoY-74.4%と大きく減少していることが分かります。

営業利益の大幅な減少については、もしかしたらこのタイミングだからこそ悪いものを全部吐き出してしまおう。という意図もあるのかもしれませんが、少なくとも好調な決算でないことだけは間違いないと言えるのではないでしょうか。

Next: 業績悪化はどのようにして起きたのか?

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