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次のGAFAはどこ?『投資家が注目するテクノロジー×米国企業』イベントレポート

6月1日(土)に行われた「AI」「自動運転」「無人販売」の専門家たちが注目米企業を紹介したセミナー『次のGAFAはどこ?投資家が注目するテクノロジー×米国企業 最新事情』。登壇者が具体的な企業名を挙げるたびに、来場者が熱心にメモを取るという、非常に熱気のあるイベントになりました。

そこで今回はどうしても来られなかったという方のために、イベント動画とともに、イベント後におこなった登壇者への直撃レポートをお届けします。

AI、自動運転、無人販売の専門家が注目する企業とは?

第一部「自動運転の未来を支える米本命企業と知られざる企業」

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プロフィール:下山 哲平(しもやま てっぺい)
株式会社ストロボ 代表取締役社長
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSOとして、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。2016年に株式会社ストロボを設立。2018年5月には自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として立ち上げた「自動運転ラボ」を業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。

セミナー最初の登壇者は自動運転の専門家、下山哲平さん。下山さんには自動運転がもたらす未来の姿などを中心に話をしてもらいました。詳しくは以下の動画をご覧ください。

下山さんにはセミナー後、自動運転技術がもたらす今後の変化について話を聞きました。

Q.投資家さんに向け、有望な自動運転関連企業を見つけるためのコツみたいなものを教えていただけますか?

そうですね、自動運転はこれからの分野で、いまマーケットそのものがあるわけではないため、社会構造がどう変わっていくのかじっくりと見ていかないといけないと思います。自分の生活が自動運転が浸透することでどう便利になるかという視点でブレイクしそうな企業を探してみるといいかもしれませんね。

自動運転関連銘柄というのはあってないようなものです。というのも、今後、自動運転が発展していくことで人とモノの移動コストは下がっていくことが考えられます。つまり、これからの社会全体を大きく変える可能性があるということです。社会全体が変わるという意味では、言うなれば、すべての企業が自動運転銘柄とも言えるわけです(笑)。ただ、変わっていくのにも順番はあります。そこで今回は自動運転の恩恵を早く受けそうな小売業界とのつながりについて話をさせてもらいました。

自動運転と言うとみなさん、『自動運転が盛り上がる=GMとかフォードとかクライスラーの株が上がる』といったようにクルマメーカーだけの話と考えがちなのですが、実は小売とか物流が自動運転と強く結びついている分野なんだというのことをセミナーへご参加いただいた方にはわかっていただけたと思います。

Q.ということは自動運転技術が盛り上がることは自動車業界に大きな影響は与えないんでしょうか?

いえ、そうではありません。クルマは安全性が必要不可欠です。そのため、いま自動車会社じゃないところが急にいくつも現れてクルマを作りだすということはないと思います。テスラみたいな会社もありますが、いまやテスラはりっぱな自動車会社ですしね。

はっきりと言えるのは、今後も人がクルマに乗り続けるというのは間違いないので、人が乗れるクルマを作るというところは自動車メーカー以外は参入しにくいでしょうね。

Q.物流で言うとどういう点が具体的に変わっていくのでしょうか?

いわゆる「ラストワンマイル問題」に大きな影響を与えるでしょう。注目されているのがビークル系のクルマ、人が乗らないクルマです。これはGMやフォード、クライスラーのビッグ3と言われる大手自動車メーカーが作るものではないと考えています。ある程度の技術があれば作れるものですので、参入障壁はそこまで高いものではありません。

この問題は配送業者もかなり疲弊している部分ですので自動運転技術によって、そう遠くないうちに解決できるかもしれませんね。

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第二部「無人店舗のトップランナーAmazonと関連する米企業」

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プロフィール:久保 渓(くぼ けい)
600株式会社 代表取締役。2010年にサンフランシスコで fluxflex, inc.(フラックスフレックス)を創業。2012年帰国。2013年にはウェブペイ株式会社を創業。クレジットカード決済サービス「WebPay」をリリース。2015年2月にLINE株式会社の傘下となりLINE Payの立ち上げに参画。2017年5月にLINE Payが国内3000万ユーザーを突破したのを区切りとして退職。2017年に600株式会社を創業。無人コンビニ(自販機)の「600」を提供している。

続いて登場したのが無人店舗の専門家、久保渓さん。ラッキンコーヒーの事例をもとに海外での無人店舗事情について話してくれました。こちらの動画をご覧ください。

セミナー後、久保さんには無人店舗の今後の展望などを伺いました。

Q.まずは今回のセミナーを終えて率直な感想を教えてください。

聞いてくれている方の熱気がすごかったセミナーでしたね。みなさん真剣に聞いてくれたので私も話甲斐がありました。投資を自分事としてとらえてくれている方ばかりだったのでリテラシーも高いように感じました。ROEやコスト効率などの話もしたのですが、このあたりもみなさんしっかりと理解してくださっているように感じました。

Q.今後、無人店舗はどのように発展していくとお考えですか?

おそらく国内だけで10兆円規模の市場に成長すると思っています。世界の小売市場は300兆円ぐらいあると言われているので、そこに対して無人店舗という領域が将来的にも主要な一角を占めるような市場に育ってほしいと思っています。

米国だと「ウォルマート」、「ターゲット」などの小売店が発展していくのはもちろんですが、無人店舗が増えるということは、そういった店舗を作る企業にとっても見通しは明るいということです。土地はあっても店舗を作れないという状況は「時間」と「お金」がボトルネックになっていることが多く、その点が改善されると、店舗を作る企業にとって、建設単価は下がると思いますが、需要は爆発するのではないでしょうか。今後、そういったビジネスに対しても大きな市場が立ち上がり、収益が上がっていく可能性はあると感じています。

Q.そのほかに無人店舗が発展することで恩恵を受ける企業は他にありますか?

無人店舗が浸透することで注目が集まる企業としては、店舗まで商品を運ぶことになる自動運転。そこに加え、店舗内での画像認識技術、電波センシング技術を持っている企業などがあると思います。精密機械業界全般に関わってくるでしょう。

Q.投資家の方々に向け、これだけは言っておきたいということはありますか?

そうですね、いまの投資家のみなさんはROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)を非常に重視しています。「無人店舗」「AI」「自動運転」はまさにそれらを改善できる技術です。感度の高い投資家の方とともに私もいち起業家として、立場は違えど、この業界を発展させていければいいなと思っています。

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第三部「IoT時代を支えるAIの米注目企業」

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プロフィール:中島 聡(なかじま さとし)
起業家、ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)、MBA(ワシントン大学)、一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティ 代表理事。マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガ「週刊 Life is Beautiful」が好評配信中。

イベントの最後に登場したのが中島聡さん。中島さんはご自身のエンジニアとしての視点を交えながら、いま気になっているサービスやGAFAの次を狙う企業について話してくれました。

多くの人がメモを取りながら聞いた中島さんの講演。中島さんには今回のセミナーで来場者から事前に寄せられた質問についてもぶつけてみました。

Q.今回、中島さんは多くの企業を紹介してらっしゃいましたが、まずは今回のセミナーを振り返っての感想を教えてください。

多くの方が熱心に聞いてくれていましたね。「次のGAFAを探す」というメインテーマでしたが、安全に行くならやはりGAFAやマイクロソフトは固いと思います。ただ、次のGAFAがどこになるかなんて、はっきり言って誰にもわからないですよ(笑)。ひょっとしたらテスラかもしれないし、ZOOMかもしれないし、NVIDIAかもしれない。そういったセカンドレイヤーにいる企業はざっと100社以上あるので、個人的にはそこに分散していくのが良いように思います。

結局、テクノロジーって自分で使ってみないとわからないんですよ。今回セミナーではZOOMの話をしましたが、これも私が良いと言ってるから買うのではなく、ぜひ投資家のみなさんもご自身で使ってみると良いと思いますよ。企業としての良い悪いはお客さん目線で見るからこそでわかると思います。

Q.ご来場者さんからは事前に「中島さんは情報をどこから仕入れているんですか?」という質問もいただいきましたが、こちらお答えいただけますか?

基本的には普通にインターネット上にあるデータですよ。結局、大事なのって『何に注目するか』というところでしかないんです。

先日もツイッターで、(3Dソフトウェアで作り出した)バーチャルなインフルエンサーがSNS上でモデルとして成功しているという記事を読んだんですけど、それを読んだとき、普通の人は「そういうのもあるのか」で終わるんですけど、私はそれを見て「これはもう止められない傾向だな」と感じたんですね。

要するに、アイドルとか見ているとわかりますけど、生身の人間って大変なんですよ。わがままだし、恋愛するし、子供作っちゃうし、年も取るし(笑)。でもバーチャルアイドルだとそれは絶対にないじゃないですか。そうすると、たくさんのファンを抱えたバーチャルアイドルがいたらもうボロ儲けだなってわかるんですよ。だから私はそこに広告代理店が乗り出さないわけがないなと思うんですね。絶対やると思いますよ。どの代理店がやるかは知りませんが、こんなにおいしいビジネスないというのが想像できます。その分野で儲けようとするのであれば、本気でVtuberに投資し、ファンを増やし、大手代理店に大金で買われるような会社を作るべきです。

結局、ひとつのニュースを見ても「そういうのもあるのか」で終わるのか「それならばこんなビジネスチャンスがあるぞ」と思えるかの違いですね。これは、自分がどのくらい情報にどっぷりつかって、どん欲にビジネスアイデアを探しているかで差が出ると思います。

Q.ご来場者さんからは「AIは人を豊かにしますか?」という質問も受けたんですが、これについてはどうお考えですか?

トータルでは豊かになると思います。豊かさをどう考えるかですが、例えば、顔見知りだけど名前が思い出せない人に会ったときもAIによって名前がわかるようになったりするでしょう。これも豊かさのひとつじゃないですか。AIのせいで仕事を失うかもしれないとも言われてますが、トータルで見ると、AIによって今までできなかったことができるようになる、高かったものが安くなるというのは現実的なところに来ています。

夢物語と思われるかもしれませんが、富の配分が上手くいくと、今のように働かなくても良くなるという世界が来てもおかしくないと思っています。ただ、そのためには社会保障のシステムを変えなきゃいけないとか問題はたくさんあります。AIによって得られた幸せや富を全人類に平等に分けられるかはまた別の問題かもしれませんけどね。

1株からのカンタン投資!マネックス証券ではじめる米国株

本セミナーの協賛企業、マネックス証券 マーケティング部の西尾氏によると米国株は過去25年、上昇傾向にあるという。NYダウは25年で実に約7倍。ITバブルの崩壊やリーマンショックなど一時的な値下がりはあるものの、成長性についてはこれからも期待できそうだ。

Source:マネックス証券

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