会話が進まなくなるタイプの質問をすると客足が遠のく当然の理由

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接客を受ける際、話しやすい店員さんとそうではない店員さんがいるものですが、その違いはどこから生じているのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、販売員が心がけるべき「会話を進めやすい質問のしかた」を紹介しています。

会話を進めるための質問

先日、研修の中で、受講生の方との接客ロールプレイをやった後にこんなことを言われました。私が販売員役をやったのですが、お客様役をやってもらった受講生の方が、「普段、私は接客を受ける時にあまり話さないんですけど、気づいたらたくさん話していました」と言ってくれたのですね。

非常にありがたかったのですが、一方で、「なぜ話しやすかったのか?」についても考えてもらいました。すると、「聞かれたことに答えやすかった」という答えが出て来ました。これはズバリ正解で、私の接客では、お客様が答えやすいように質問をしていくやり方を取っています。そうでないと、お客様は答えにくくなってしまい、会話が前に進まないからです。

例えば、食品ギフトの接客の場合、こういう接客をする方がいます。

販売員 「贈り物でお探しですか?」

お客様 「そうです」

販売員 「当店では、A・B・Cの3種類の大きさをご用意しております。どのくらいの大きさがご希望ですか?」

お客様 「うーん、そうですねぇ」

このまま沈黙が流れます。この場合、「どのくらいの大きさがご希望ですか?」という質問は答えにくい質問です。販売員からすると、お客様の答えを待っているわけですが、お客様はどのくらいのサイズが良いのかがわからないので、答えに窮するのです。結局、そのまま時間がかかってしまうか、お客様も悩んでしまって、「他も見て来ます」と店を後にされたりします。

同じような接客でも、会話が進みやすい場合は、

販売員 「贈り物でお探しですか?」

お客様 「そうです」

販売員 「当店では、A・B・Cの3種類の大きさをご用意しております。お相手の方は何名くらいで召し上がられますか?

お客様 「5人くらいだと思います」

販売員 「でしたら、Bのサイズがちょうど良いかと思います。Cのサイズですと、10名様くらいの量が入っていますが、人数が増えることはありそうですか?」

お客様 「いえ、ないと思います。じゃあBにします」

このような流れになります。「お相手の方は何名くらいで召し上がられますか?」というお客様が明確に答えやすい質問をしているので、お客様もスムーズに答えてくれるのです。「人数が増えることはありそうですか?」という質問も、聞いている内容が明確なので、これもまたお客様は答えやすいですよね。

接客の流れはお店や商品によってまちまちですが、何れにしても、お客様がどんな質問なら答えやすいかを考えて質問をしないと、ものすごく曖昧な質問を繰り返してしまいがちです。

「何色をお探しですか?」
「今日は何をお探しですか?」
「(試用してみて)どうですか?」
「何用でお使いですか?」

これらは全てよく使われがちな質問ですが、ある程度信頼関係の築けているお客様ではないと答えにくい質問でもあります。ちょっとお客様が考えなければいけなからですね。決してこれらの質問が悪いわけではないのですが、お客様があまり話しさないタイプの方だったりすると、会話が進まなくなります。

自店で置き換えてみると、どんな質問なら答えにくくて、どんな質問なら答えやすいのか。そして、どうすればお客様が話しやすい質問ができるのか。ぜひ考えてみていただき、接客に活かしていきましょう。

今日の質問です。

  • お客様がパッと答えやすい質問の特徴は何ですか?
  • 接客の中でスムーズにその質問をするとしたら、どんな練習が必要ですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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