「日本企業は下請け」韓国の大いなる勘違いが締め続ける自らの首

tsuda20190730
 

先日掲載の「韓国の止まらぬ日本バッシングもアメリカが仲裁に二の足を踏む訳」では、米国が日韓の仲裁に立てない裏事情を白日の下に晒した、メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さん。今回の記事では、日本の禁輸措置にここまで狼狽するほど韓国で「素材製造」がなされてこなかった理由、そして韓国がアメリカの仲裁を必要とする理由を記しています。

新興国対先進国の貿易戦争構図

米中通商戦争と日韓紛争は、新興国対先進国の戦いの様相であるが、共通する基盤が存在している。そして、交渉の進展もなく、立ち往生している。今後を検討しよう。

日米株価

NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで、12月26日21,712ドルと暴落したが、利下げ期待で7月16日27,398ドルと最高値を更新したが、GDPが2.1%増と強く、0.25%利下げ予想で7月26日には27,192ドルと少し下げているが、水準は高い

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落し、参議院選挙も無事終わり、日本株はNY株から出遅れたが7月25日21,832円となり、7月26日21,658円で決算待ちの状態である。

米国は、過去最高の株高で、かつGDPも2.1%増と鈍化したが強く、景気後退の感じがなく、7月のFOMCで0.25%の利下げと期待値が下がっている。今年、1%程度の下げになると市場は予想しているが、景気が強くそこまでいかないようである。

米トランプ大統領は、関税UPで工場が米国に戻ってくると見ていたが、その予想は外れて、反対に工場が海外に逃げている。その原因をドル高に求めている。このため、ドル安への政策を検討している。

トランプ大統領は、「米国経済は強くドルも力強い通貨だ」「他国は自国通貨安誘導してドルが高くなる。これは不公平だ」とドル売り介入も辞さずと思っているので、そう遠くない将来にそうなるようだ。

クドローNEC委員長は、為替介入はしないと言うが、ドル売り介入を米国が行うと、世界の各国が為替介入で通貨安競争になり、世界の経済秩序は大きく崩れることになる。トランプ大統領の経済秩序破壊は世界に暗雲を呼び込むことになる。

そして、フランスのデジタル課税に対して、トランプ大統領は、フランスワインに対抗関税を掛けるとした。米国以外の国は、日本も含めてフランスと同じようなデジタル課税を検討しているが、米国が不当な利益擁護で、対抗してきた。為替介入と不当な関税UPで日欧が米国から離れるトリガーになりそうである。

このような米国と米同盟国の離反を見て、中国はロシアとの同盟を強固にして米中通商交渉の合意を引き延ばしていくことが容易に予想できる。トランプ大統領は、いら立ち3,000億ドルの関税UPを行い、深みにはまっていくことになる。

そして、米国から日欧は離れていくしかなくなる。中露は、より強く出てくることになる。非常にまずい世界になってきた。

ホルムズ海峡有志連合

米国が呼びかけるホルムズ海峡の安全を守る有志連合に、欧州も日本も、現時点で参加を表明していない。英国は複数の艦艇を出して、自国タンカーなどを護衛する処置を行い始めている。英国の首相にジョンソン氏がなり合意なきEU離脱して、英国は米国との防衛経済共同体に向かうことになる。

このため、米国の呼びかけに応じて、有志連合に参加する可能性があるが、他の欧州諸国は、米国の有志連合には参加せずに、独自の連合を作り、ホルムズ海峡の安全を守る検討を開始した。

米国はイラン核合意から離脱して、イランに経済制裁をして、緊張状態をもたらしているので、イラン核合意に参加している国は、米国と行動を共にはできない。日本もイランとの関係は良好であり、イランとの関係を壊したくない。このため、米国の有志連合への参加に躊躇している。

このように、参加国が集まらないのは、米国の覇権が大きく崩れてきた証拠でもある。誰も米国のサイドに立ったら、紛争解決はできないと見ている証拠である。

このことからも、世界の構造が、米英日欧中露の3極構造になってきたことがわかる。日本は欧州と米国をつなぐことになると思うが、どこまで米国に付いていくかが問題である。

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