お先真っ暗。米中戦争で日本の電機大手企業たちを待ち受ける厳冬

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8月1日、日本のお家芸とも言われる電機大手企業の業績が、前年同期に比べ軒並み悪化していることが報じられました。主な原因は、世界覇権をかけた米中貿易戦争の悪影響であることは推測できますが、「日本が受ける大打撃はこれからが本番だろう」と警笛を鳴らすのは、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、その理由を詳しく解説しています。

米中戦争の影響が【日本企業】を直撃

皆さんご存知のように、2018年米中覇権戦争がはじまりました。これは、ただの貿易戦争ではなく、世界の覇権をかけた米中の戦いです。だから、簡単に終わらないのですね。

米中覇権戦争、日本にとっては二つの意味があります。一つは、安保面です。皆さんご存知のように、中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!」と宣言している。絶対完全証拠はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

尖閣、沖縄を狙うこの国は、核保有国で、軍事費は日本の5倍。日本だけで戦ったら、絶対勝てない。そんな国とアメリカが覇権戦争をはじめた。これは、日本にとって安全保障上の利益といえるでしょう。

しかし、米中覇権戦争には、「負の側面」もあります。それが、「経済面」。日本の取引先ナンバー1と2が戦うことで日本企業は大打撃を受けるでしょう。これも、ずっと前から書いてきたことです。そして、こんな情報が出てきました。

米中貿易摩擦で電機5社が減益 車やスマホ向け部品低迷

共同 8/1(木)17:32配信

 

東芝を除く電機大手7社の2019年4~6月期連結決算が1日、出そろった。米中貿易摩擦による中国経済減速の影響を受けて自動車やスマートフォン向けの電子部品などの販売が低迷し、日立製作所とNECを除く5社が減益だった。パナソニックの純利益は前年同期比13.2%減の497億円。三菱電機は10.1%減の427億円となった。ソニーは32.8%減の1,521億円。富士通も90.2%減の70億円、シャープは34.7%減の125億円と落ち込んだ。

衝撃的な数字が並んでいますね。今後の見通しは、どうなのでしょうか?私は悲観主義者ではありませんが、本当のことを語るように気をつけています。正直「見通しは暗いといわざるをえないでしょう。なぜ????これです。

トランプ大統領が中国への追加関税を表明~懸念される世界経済への影響

ニッポン放送 8/4(日)6:30配信

 

中国製品3,000億ドル分に10%~トランプ大統領がツイッターで追加関税を表明

 

アメリカのトランプ大統領は1日、中国からの輸入品3,000億ドル、日本円にしておよそ32兆円相当に10%の関税を上乗せすると発表した。トランプ氏はツイッターへの投稿で、「中国はアメリカの農産品を大量に購入することに同意したが、約束を破った」などと非難している。

これまでトランプさんは、中国からの輸入品、500億ドル分(第1弾、第2弾)、2,000億ドル分(第3弾)に関税を課してきました。関税が引き上げられるたび中国経済は悪化してきた。9月1日から、3,000億ドル分の関税が10%になる。これでまた中国経済は打撃を受けるでしょう。すると、日本企業もそのあおりで被害をこうむります。だから、今後の見通しは暗いのです。

日本経済についていえば、「東京五輪プチバブル」が終わった。それに消費税の引き上げという「人災」が加わることで、見通しは「暗い」というより、「お先真っ暗」といえるような状態です。皆さん、今は真夏で暑いですが、経済については、「冬来るだ、ジョン・スノウ」状態ですので、いまからでも冬への備えを加速させてください。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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