辛坊治郎メールマガジン

辛坊治郎メールマガジン

  • 時代の最前線の情報が読める
  • 言葉で物事を伝えるHOW TOが学べる
  • 直接メールで、質問やメッセージが送れる

メルマガを発行しようと思われた理由は何ですか?

やっぱり一番衝撃だったのは、例の海上保安庁のビデオを流した保安官が、夜の9時ぐらいにマンガ喫茶でYouTubeにアップロードして、そこからわずか数時間、12時ぐらいにはもう火がついたように大騒ぎになっていて…。次の日の朝刊にはもうその記事が載っていたんですよね。
それを見て、個人がこれだけの情報伝播力を持つという意味で、私たちは人類がおそらく今まで経験したことのない時代を生きているのではないかと思ったんです。
その時代の最前線に私が無縁でいるわけにはいかないだろうと。
「こうなったら私が出ていくしかない!」と強く思ったんです。

では、辛坊さんの中でメルマガはどんな位置づけになりますか?

辛坊治郎さん

実は、私が出演するテレビ番組の中では無茶な事を言える序列がはっきり決まっていてですね、残念ながら一番言えないのは、土曜日の朝の「ウェークアップ!ぷらす」という番組。この番組は見てらっしゃる方が非常に真面目な方で、出てらっしゃる方も政治家ですし、そんなに無茶なことは言えないんです。たぶん、今のテレビ界で一番クオリティーが高い番組だから、それはそれでいいと思うんです。
その次に「たかじんのそこまで言って委員会」という番組があって、これは私が無茶を言う番組ではなく、出演者の皆さんが無茶を言う番組。だから、私は基本的にできるだけ黙って色んな人に無茶を言ってもらうようにしてるんです。
そして朝やっている「す・またん」という番組。ここではかなり無茶を言っていると思うんだけれども、でもやっぱりテレビというのは限界があるし、言ってはいけないことも当然ある。
例えば、私は痛烈な経験があるのだけれど、阪神大震災の時に「生活情報が必要だ!」「テレビは生活情報を伝えていない!被災者のためにならない!」という声があったんです。
その時私は「分かった!じゃあ、生活情報で一番大切なのはお風呂屋さんの情報だ!」といって、記者の皆が取材に行って、阪神地区で15か所の開いているお風呂屋さんを番組で紹介したところ、被災者の皆さんが殺到してパニックになってしまったことがあるんですよ。

実は、テレビというツールは便利なようでいて、ものすごい不便なんですよね。時間の都合上、テレビで紹介できる件数は決まっているから、空いているお風呂屋さんを全部紹介出来るかと言ったらそんな時間はないわけですよ。そういうことをするにはテレビは非常に不向きなメディアだなと…。
じゃあメルマガってどうよ、って考えた時に、こちらを信頼してくれている人がお金を払って見てくださる。そこにはお互いの信頼感がある。見たくない人は最初から見ないわけで、見なくていいわけだから。お金払ってまで見てくれるというのはそれだけ私の意見を聞いてやろうという皆さんだから。そうするとお互いの信頼関係がより強い、誰が見ているか分からないという状況ではない。だからかなり踏み込んだことも言えると思う。
例えば、今騒がれている相撲の八百長騒ぎの一件でも、テレビじゃ絶対言えないけれども、「デブの互助会なんだからほっといたれや」という意見も中にはあるんですよ。いや、僕が言っているわけじゃないよ(笑)。
ただ、いくら私の意見じゃなくても、テレビでは「意見が色々ある中でデブの互助会だからと言っている人もいます。」とは言えないんですよ。
だけど、このメルマガだったら「私の意見じゃないんだけれどもこういう意見もある、こういう意見もある、こういう意見もある」の中に「デブの互助会」はありだと思うんですよ。そういう意味で言うと、私の見解も含めて、テレビや新聞の連載では出せないような意見をお伝えできる場になるのではないかなと思います。

これからの日本社会において、「情報発信」はどのようになっていくと思われますか?

テレビは当分持つと思います。だけど、20年先に今と同じメディアにおいての地位をテレビが維持できているだろうと思う人はまずいないと思うんです。
やっぱり痛烈に思うのは、ラジオが急速にメディアとしての力を失っていった時代と、今の時代は非常にオーバーラップするということ。何かと言うと広告費の流れなんですね。
メディアの関係性で言うと、広告費って、基本的に総額は限られているわけですよ。その限られているパイをどこがぶんどっていくか、その比率がメディアの力関係なんです。で、昔はラジオというのは他のメディアと比べて圧倒的な広告力があって、広告費を他のメディアからぶんどっていたんです。
しかし、テレビがスタートした瞬間に、それこそ5年から10年ぐらいで一気に立場が逆転して、そこからラジオが急速に衰退していった。
今、ネットとテレビで起こっていることって、それに近い気がします。ここ2〜3年で急速にネットに広告費が行っている状況を見ると、今後、そんなに時間をかけずにテレビとネットの力関係がひっくり返る可能性がある。
だけどテレビはなくならないと思います。見たくない人も含めてたくさんの人に情報を送り出すという意味においては、テレビはまだまだ当分有効だと思う。ただ、本当に情報をひとつひとつ欲しがっているという人達に確実に情報を届けるツールとしては、ネットのほうが有効かもしれない。
そうやってメディアの役割分担がだんだんはっきりしてくると、全体の中では、やっぱりネットというのは最強のツールになっていくんだろうなと、この商売やっていて素朴に思いますね。
そんな時代において、そこに進出しない手はないだろうという。

どんな内容のメルマガを、どんな方に読んでいただきたいですか?

まず時事問題。テレビや新聞の連載だとちょっと危なくて言えないような目線、デブの互助会じゃないけども(笑)。それに象徴されるような「そういう見方もあるけどそれはちょっと危なくない?」というようなものを中心に、読んだ人が「えー!こういう見方もあるんだ!」というところをお伝えしていきたいと考えています。
それからもう一つ。まだまだテレビを含めたメディアの業界を目指す方、特に記者であったりアナウンサーであったり、喋ってモノを伝える仕事を目指す若い方もまだまだ多いし、その技術を習得する事は、たとえアナウンサーにならなくても有効だと思うんです。
会社に入ると、営業や総務だって「言葉を使って生きていこうという人達」という意味でいうとほとんど同じなんだよね。言葉で物事を伝えるのが商売なんだから。
だから、必ずしもアナウンサーになりたい人だけじゃなく、言葉を使って生きていくすべての人達の明日のために、「あしたのジョー」で丹下段平がジョーに送っていた手紙のように「ネット版・明日のために」というアナウンス講座をやろうかと思っています。
私は幸か不幸かこの仕事を30何年やってきていて、その点においては人よりたくさん経験も積んでますから、次の世代にその経験を伝えていきたいなと考えています。

特に問題だと思われていることは何ですか?

とにかく何と言っても、このまま放っておくと、今の若い人は30年後には未来がないということ。最近、馬鹿学者や厚生労働省にだまされた人達が「年金破綻しないキャンペーン」をやっていて、「年金が破綻するっていわれていたのはメディアが騒いだからだ」と言うような人達がいますけども、どう計算しても厚生労働省が約束している年金が30年後、今の若い人達に払われる可能性はゼロです。絶対にありません。
そういう意味では日本の国が破綻しない限り、年金はゼロにはなりませんから「年金が破綻するか」と言われれば、破綻はしない。だけど、政府が約束している金額が払われるかと言うとその可能性もない。
それこそ、ネットに広がった情報であちこちで革命が起きる時代ですけど、このメルマガで私が皆さんにお伝えする本当の情報を元に、若い人が革命を起こす時代が来る、来ればいいなと。革命を呼びかけるのもいかがなものかなと思いますけども(笑)。
でも本当に、若い人が怒らないと将来は何も変わらないと思いますよ。

これは希望があると思っていらっしゃることは何ですか?

今のネットの話でいうと、チュニジアの独裁政権がネットの力で倒れ、エジプトがまさしく倒れようとしている。ウィキリークスなんかが典型的なんだけれども、今まで国民に知らされていなかったことが、ネットの世界で伝わるようになってきている。だからこそ恐ろしいのは、ネットで流れている情報が本当か嘘かというのは、非常に難しい問題があるんですよね。
その辺も含めて、恐ろしい所もあるけれども巨大な力を持ち始めているのも間違いないので、ネットを通して国民が目を覚ますきっかけになれば、明るい未来が来るかもしれない。

今後、メルマガをどのように展開したいと思われますか?

まずは、とにかくたくさんの人に見ていただくということが第一ですね。友達にも紹介していただいてですね、気軽に一度見始めてですね、「何を言ってるんだこのアホ!」「こんなもん見ていられるか!」と思われたら止めたらいいわけだから。海外にあるインチキセクシー動画業者と違って、一度お金を払い始めると解約の仕方が分からないというのとは違う訳ですから(笑)
気軽に参加していただければと思います。

なぜこんなに安く発行しようと思われたのですか?

本音を言うとタダでもよかったんです。だけどタダだとね、書くほうの緊張感も無くなってしまう。私、タダの場合は気分が乗ると、それこそ原稿用紙50枚でも100枚でも一気に書くんですよ。去年の年末なんか、間もなく出版される本の為に3日間断食して原稿書き続けたんです。
ただ、気分が乗らないと何カ月もほったまま何も書かないことがあるんです。だから自分にプレッシャーを与える意味でも、「皆さんにお金を払っていただいているんだから」ということでお金をいただくことにしたんです。
だから値段の問題じゃなくて、読んで下さる方もお金を払っているんだから当然、「ちゃんと書けよ!」っていうプレッシャーを書き手に与えることにもなりますし、逆に読むときのモチベーションとしてお金を払っているんだから「一生懸命読まないともったいないよね」と思って下さる。書き手の私もお金をいただいているんだから一生懸命やらなければいけない。
そんな風に双方のモチベーションを高める意味で、安くてもいいから幾らかお金を頂いたほうがいいだろうと。だから無料にせずに、でもだからといって1万円とるようなものでもなかろうと。
できるだけたくさんの人に見て頂きたいということも考えて、月315円の値段設定にさせて頂きました。

辛坊治郎さん

辛坊さん流「ジャーナリズム論」がございましたら、教えてください。

基本はただひとつ「FACT FACT FACT」です。「事実 事実 事実」。
ただし、私のメルマガでは事実を羅列するだけではなく、事実についてこれが何を意味しているか、どう考えればいいかなど、物の見方も含めて提示していきたいと考えています。

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辛坊治郎さんプロフィール

1956年4月11日生まれ。讀賣テレビ放送株式会社の元解説委員長を務める。現在はフリーキャスターとして「たかじんのそこまで言って委員会」をはじめ、数々のテレビ番組にレギュラー出演中。シンクタンク「株式会社大阪綜合研究所」代表。

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