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まだまだ上昇する…はずが?参加者の不安なきもちを表す、天井圏の三川「宵」の明星=清水洋介

日本古来のテクニカル分析「酒田五法」に見られるような法則は、どういう心理状態で形成されるのかを検証。今回は売りサイン、「三川」をご紹介します。(『資産運用のブティック街』清水洋介)

筆者プロフィール:清水洋介
大和証券、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト「チャートの先生」としてテレビ・雑誌等に登場し、また、現役ディーラーとしても日々相場と対峙する。 講演を行う一方、2014年5月に株式スクールを開校するなど投資に関して幅広い分野で活躍。著書:ローソク足と酒田五法(パンローリング)など多数。

「上昇が続くのか、下落に転じるのか」迷いからの下落を示す

酒田五法(その3):三川(天井)-三つの足で川ができる?

「三川」には「三川『宵』の明星」と言われるように「天井」を形成するものと、ちょうどその反対の「三川『明け』の明星」と言われるような「底」を示すものがあります。

今回はその「天井」をつけるケースを検証してみたいと思います。以下の図1と図2をご覧ください。

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図1.の上段は日経平均の動きです。高値を付けたところ(赤い丸で囲んだところ)がしっかりと「三川」の形で「天井」となっているのがお分かりになるのではないかと思います。

実はこれは今年の2月26日に取引時間中(ザラ場)の高値をつけたところなのですが、左のチャートを見たときに「『三川』かもしれないから、明日(右のチャートの一番初め、青い矢印のところ)、高値を抜けないと『天井』かもしれない」と思って、いったん買いを手仕舞うことが正解であったわけです。実際にはそこでは「世界同時株安」となってしまったのです。

下段は新日鉄<5401>の直近の動きです。節目と見られた900円(赤い点線)を一気に抜けて高値をつけたものの「三川(と言うには少し高値のところの陽線が大きいですが)」の形で天井を形成、その後、下落となってしまったということです。

上記の2つのケース、つまり、「三川」を形成するケースを考えると、図2.のようなことになります。上昇を続けてきた相場で、大きな陽線を引くとそこでは誰もが「まだまだ上昇するだろう」と思いがちです(A)

ところが次の日が始まると「まだまだ上昇する」と思っていた人達も弱気になる人もいて上下幅の少ない「極線」と言われる「気迷い線」が出現するのです(B)。そして次の日にもたついた展開となり、あるいは寄り付きから安くなるととたんに利益を確保しようと言う売りがかさんでCのような大きな陰線となるケースが多くなるのです。

つまり、「三川」は「孕み足」などと同じように、「まだ上昇が続くのか、もう下落に転じるのか」迷うところで、大きな陰線を引いて下の方向を指し示すことで「天井形成」となるのです。

(※ご注意:投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません)

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image by : yaalan / Shutterstock.com

資産運用のブティック街』(2019年8月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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