約50カ国と首脳会談で政府調整=即位礼、韓国は知日派首相有力

2019.10.12
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by 時事通信

 天皇陛下の即位を内外に宣言する22日の「即位礼正殿の儀」に合わせ、首相は来日する約50カ国の首脳らと個別に会談する方向で調整している。慶事に多数の要人が集まる機会を生かし、日本の外交力強化につなげたい考えだ。複数の政府関係者が11日、明らかにした。
 元徴用工問題などで関係が冷え込んだ韓国は文在寅大統領の出席を見送り、李洛淵首相の参列が有力となった。平成の即位礼に当時の姜英勲首相が出席したこともあり、外務省関係者は「現在の日韓関係の下では、知日派で首相の李氏が最も座りがいい」と語る。
 即位礼正殿の儀に際しては190以上の国や国際機関の代表が来日する方向だ。首相と各国首脳らとの会談は21~25日のうち儀式当日の22日を除く4日間、東京・元赤坂の迎賓館で行う予定。連日、日程を詰め込む「マラソン会談」となる。
 ただ、時間的な限りはあるため、横浜市で8月末に開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の機会に個別に会ったアフリカ諸国の首脳や国政に直接関与しない王族との会談は絞り込まれそうだ。
 外務省などによると即位礼正殿の儀には、王室では英国のチャールズ皇太子やサウジアラビアのムハンマド皇太子の参加が固まった。元首級ではドイツのシュタインマイヤー、トルコのエルドアン両大統領が参列する見通しだ。
 米国は台湾系女性のチャオ運輸長官、中国は習近平国家主席の信頼が厚い王岐山国家副主席が参加。ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問も来日する。外務省幹部は「日本外交にとっての好機としたい」と意気込んでいる。(2019/10/12-07:16)

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