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日韓対立、国際裁判になれば日本敗訴?まったく報道されない徴用工問題の真実=高島康司

いま日韓関係悪化の原因になっている「徴用工問題」について、日本ではまったく報道されない事実について書く。国際司法裁判で日本が敗訴となる可能性がある。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

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※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2019年11月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

一貫性を欠いていたのは日本政府?国際裁判で日本敗訴の可能性

日韓関係に改善の兆し?

いま日韓関係悪化の原因になっている「徴用工問題」の、日本ではまったく報道されていない事実について書く。

悪化して膠着状態にある日韓関係だが、改善に向かう可能性を示す兆候が出てきた。

「東アジアサミット」出席のためタイを訪れていた安倍首相だが、韓国のムン・ジェイン大統領と11分間の会談を行った。両国は原則を確認しあっただけで徴用工問題そのものには具体的な進展はなかったものの、両国は問題解決に向けての対話を継続することで合意した。

その後、韓国国会のムン・ヒサン議長が都内で講演し、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判について、原告側には韓国側で新たな基金を作り慰謝料を支払うとした法案を、国会に提出する考えを明らかにした。基金の財源は、日韓両国の企業と個人から自主的な寄付を募るとし、日韓関係悪化のきっかけになったこの問題の解決策にしたいとした。

韓国向け輸出の大幅減少で経済的な打撃を受け、また「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)」の韓国による破棄を懸念する日本と、ムン・ジェイン政権の支持率低下に歯止めがかからない韓国が、関係改善に向けた動きを始めた可能性がある。

これがなんらかの具体的な動きにつながるかどうかはまだ分からない。だが、その一歩になるかもしれないとする期待も大きい。

徴用工問題、日本の報道では「韓国が悪い」

周知のように、日韓関係悪化の原因になっているのは「徴用工問題」である。

徴用工とは、戦前の日本企業が中国や朝鮮半島で徴用した労働者のことである。元徴用工は、日本企業によって奴隷のように扱われ、また給料が未払いであったとして、その補償を求め、約70社の日本企業を訴えている

2018年10月、韓国の最高裁判所である「大法院」は、「日本製鉄」に対し、韓国人の元徴用工4名の損害賠償を命じる判決を下した。一方、裁判を起こされた日本企業が交渉に応じなかったことから、韓国の裁判所は「新日鉄住金」「三菱重工」「不二越」などの韓国における現地資産を差し押さえた

一方日本は、韓国のこのような動きは明らかに国際法違反であるとして、即座の撤回を要求した。韓国が協議に応じなかったことから日本は、韓国を輸出手続きで優遇対象となる「ホワイト国」から除外した。

これは韓国国内の怒りを買い、日本製品の大規模な不買運動が起こった。さらに韓国は、繊細な軍事情報を日米韓で共有する協定の「GSOMIA」の破棄を表明した。

これが日韓関係悪化の簡単な経緯であるが、日本ではその原因は一方的に韓国にあるとする報道がほとんどだ。

たしかに日本と韓国が国交を回復した1965年の「日韓基本条約」と、それと同時に締結された「日韓請求権協定」では、日本は韓国に無償で3億ドル、有償で2億ドルの資金供与といわば引き換えるようなかたちで、韓国は日本の植民地時代における損害賠償の請求権をすべて放棄している。

したがって、昨年の韓国「大法院」による徴用工に対する日本企業の賠償命令は、明らかに国際法違反である。韓国はすべての賠償請求権をすでに条約で放棄しているのだから、これを請求することはできないというわけだ。

日本ではこうした報道だけが流れ、国際法違反の韓国に対して、法の順守を迫る日本という図式が成り立っている。徴用工問題では日本が正しく、韓国は完全に間違っているというわけだ。

Next: 明らかに国際条約違反だが、韓国を一方的に非難できない真実がある

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