連日のように報道されている、香港の大規模デモに関するニュース。デモのきっかけとなった「逃亡犯条例」の改正について香港政府が撤回するも、抗議活動が終息する様子はありません。それどころか、学校に立て籠る大学生と現地警察との闘いは「デモ」という範囲を超え、もはや「戦争」状態で、現場は「戦場」と化しています。17日には観光で香港を訪れていた日本人の大学生が、デモ現場付近で逮捕されるという事件も発生しています。日を追うごとに泥沼化する香港を、再び「平和な姿」に戻すため、私たち日本人にできることはないのでしょうか。実は、「一つの選択肢」があります。それが以下のページへの署名です。
【署名ページ】● 常設仲裁裁判所へ香港警察の違法行為に関する調査のお願い(英語)
常設仲裁裁判所(じょうせつちゅうさいさいばんしょ)とは、1899年の第1回ハーグ平和会議で設立された常設の国際仲裁法廷で、オランダのハーグに設置されています。これは国家・私人・国際機関の間の紛争における仲裁・調停・国際審査を行うために常設されたもので、業務は国際法と国際私法の両領域を含みます。
この署名の起案者は「Reform Hong Kong Police(香港警察改革)」。彼らは常設仲裁裁判所へ「2019年6月9日より香港警察が犯した「3つの大罪」の実態について調査してほしい」と訴えています。その3つの大罪とは、
- Crime of aggression(侵略)
- Conventional War Crimes(戦争)
- Crimes against Humanities(非人道的行為)
のことです。現在も続いているデモは、すでに開始から5ヶ月以上が経過しています。起案者が示した、今回の香港デモに関する「数字」を見てみましょう。
- 休まず続いたデモの日数:163日(2019年11月19日現在)
- デモに関する逮捕者の数:4,491件以上
- 自殺と報告された案件:450件以上
- 使われた催涙ガスの数:10,000個以上
- 警察によって発射されたとされる弾:銃弾18発以上、ゴム弾2,000発以上、foam bullets700発以上、ビーンバッグ弾500発以上
これらの数字だけ見ても、今回の香港デモに関する香港政府や香港警察の「横暴」が伝わってきます。署名の起案者は、「常設仲裁裁判所が、警察による事件の数々を真摯に調査することを願っている」としています。署名ページに寄せられた寄付金は、この署名活動のPR活動に充てられるということです。
香港デモの発生当初から香港市民による「5つの要求」は変わりません。新ためて、その要求を振り返ってみましょう。
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「逃亡犯条例」を全面撤回すること
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平和に行われたデモを「暴動」と定義しないこと
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逮捕されたデモ隊の「罪を撤回」すること
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職権を乱用した警察の暴行を追及すること
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林鄭月娥行政長官は責任をとって辞任すること
1の全面撤回こそ実現したものの、2から5まではいまだに実行されていないのが現状です。「常設仲裁裁判所のような国際組織を経由しない限り、平和と秩序が我々の香港に戻ってくることはない」と起案者は訴えています。
この署名ページは多くの香港人らによって拡散されています。
#香港デモ の署名活動です「Request Permanent Court of Arbitration
to Investigate Unlawful Use of Force of Hong Kong Police」 https://t.co/4B3VtpoYcR @change_jpより— lko🇯🇵🇭🇰😷 (@FreedomJhm) November 12, 2019
学生や市民と、香港政府との「我慢くらべ」の様相を呈してきた香港デモ。国際的な第三者機関の力を借りれば、もしかするとあの平和な香港を早く取り戻すことができるかもしれません。あなたは、この署名に賛同しますか?
【署名ページ】● 常設仲裁裁判所へ香港警察の違法行為に関する調査のお願い(英語)
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text: kouikusen & MAG2 NEWS編集部(日本語テキスト)
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