日本は再び見誤るのか。香港人権法で中国牽制の米を裏切る負け戦

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11月27日、香港の人権や民主主義を支援する「香港人権法案」に署名したトランプ大統領。これまで香港問題に対して無関心だった大統領ですが、なぜ今回の署名にまで至ったのでしょうか。無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』では今回、その裏側を探るとともに、到来した米中「新冷戦時代」に日本が取るべき正しい進路を考察しています。

米中激突「新冷戦」時代の準備は出来ているか?

「アメ通」管理人です。

米国上院・下院において「香港人権法案」が、超党派による圧倒的多数で可決しました。後はトランプ大統領が署名をするか否か?に焦点が移りました。

さて、ここで米国議会において<超党派且つ、圧倒的多数でこの法案が可決した…ということの意味合いについて、ちょっと考えてみました。

米国においては、外交安保に関する問題は超党派>で事態に対応するというのが基本ですが、今回、この「香港人権法案」については、これまでの慣例以上に、あえてスピーディにプロセスを進めたようです。

これは要するに、目下の香港情勢において、人権に関して重大で危機的なこの情勢下で、この価値を守るということを理念としている米国において、その大統領がどうにも煮え切らない…どころか、むしろ、無関心かのような言動をしていることに対して、米国議会から大統領へのプレッシャーを掛ける

という意味合いがあるのではないでしょうか?

それは「フェアネスを何より重んじる米国の価値観・気概を世界に示すということでもあるように思います。

そして、「価値観」ということで言えば、まず相容れることはないであろう体制である現在の中国と米国が、果たしてこのまま穏やかにことが済むということはあるのでしょうか?

現在、米国の政界では、まさに「超党派で中国と対峙してゆこうという機運があり、ワシントンの政界筋では、ごく普通に「New Cold War」というフレーズが使われてもいるようです。

つまり、既に米中新冷戦」という状況になっているわけですが、翻って、我が日本の現状はどうでしょうか…。

習近平国家主席の国賓での来日…日本国の今後の在り方・行く末を考えた時、その危険性をよくよく考えた上でのそういう判断なのでしょうか?

「米ソ冷戦」が集結した後の世界でのパラダイムの転換がわからず乗り遅れた結果、その後延々と30年に渡って「失われ」続けた日本ですが、ここでまた進路を誤ることにもなりかねません。

今こそまさに「日本の分水嶺」と言える状況です。ここが日本の正念場です。

米中激突新冷戦」時代の準備は出来ていますか?

image by: 首相官邸

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【著者】 アメリカ通信 【発行周期】 週刊、不定期

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