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イッキ飲み8割がドン引き。人ごとではない忘年会の酒席トラブル

12月に入り、忘年会や新年会などでお酒を飲む機会が増えてくる時期になりました。みなさんは「お酒の場」が好きですか?苦手だと思っている人の中には、場の空気を読んで飲みすぎた結果、後悔したことがあるという方もいるかもしれませんね。

キリンホールディングス株式会社が実施した「イッキ飲みに関する実態調査」の、「飲みすぎ、イッキ飲みが原因で後悔した飲み会は?」という質問にも、「忘年会」と回答した方が34.6%となり、2位の「歓迎会」、3位の「懇親会」と回答した方よりも約2倍以上差がつく結果が報告されています。

また、「忘年会で後悔した経験がある」と回答した方に具体的なエピソードを聞いてみたところ、電車で寝過ごしてしまったり、物を無くしてしまうなどお酒で失敗しがちなものから、救急車で搬送させてしまったという危険なものまでさまざまなエピソードが集まりました。

忘年会失敗エピソード

しかしお酒の失敗は、笑い話ではすまされないこともあります。飲み過ぎやイッキ飲みは命に関わる危険な飲酒行為です。場合によっては死を招くこともあり、いわばイッキ飲みをすることは自殺行為に等しい程の危険行為であるとも言えます。

20代はイッキをしない

こういった危険な飲酒現場を見たことがあるかを調査した結果、「ある(頻繁にある・時々ある)」と回答した人は62.4%と、半数以上の人が飲み会でイッキ飲みの現場に遭遇した経験があることが判明しました。

性別・年代別で比較してみると、女性はほぼ世代間の差は見られないのに対し、男性は過半数以上の30〜50代が「ある(頻繁にある・時々ある)」と回答。しかし20代男性では50%以下という結果になっています。さらに一度もみたことがない人が、この世代間で約2倍ほど差があることが明らかとなりました。

この結果から、若い世代ほどイッキ飲みといった無茶な飲み方をしない傾向があることが読み取れ、命を脅かす危険なイッキ飲みは時代遅れと化している、と言えそうです。

あおりイッキ経験者は約4割、でもそれ危険です!

上記の調査で6割もの人がイッキ飲みの現場を見た経験があることが判明しましたが、実際にイッキ飲みをするように煽られたことがある人はどの程度いるのでしょうか。

イッキ飲みをするよう煽られたことがあるかどうか調査したところ、「ある(頻繁にある・時々ある)」と回答した人は39.0%と、2〜3人に1人がイッキ飲みするよう求められた経験があることが明らかになりました。

イッキ飲みをするようにあおられた経験がある人に、誰にあおられたことがあるかも調査したところ、コンプライアンスが厳しくなってきている昨今にも関わらず「上司(先輩)」が55.4%が最多となり、次いで「友人」が44.7%、「同僚」が33.8%といった結果になりました。

さらに、イッキ飲みをするようあおられたことが「ある(頻繁にある・時々ある)」と回答した人に、イッキ飲みを断れなかったことがあるかどうかを聞きました。すると、79.5%が「断れなかったことがある(頻繁にある・時々ある)」と回答し、多くの人がイッキ飲みをあおられて、やむなくスピード飲酒をしてしまっている実態が明らかになりました。

なぜ断れなかったのか理由を聞いたところ、「場の雰囲気を乱したくない、ノリが悪いと思われたくない(兵庫県・56歳男性)」「場の雰囲気がシラけないようにするため(神奈川県・35歳男性)」と、周りの雰囲気を悪くしてしまう懸念から断れなかったという意見が多く目立ちました。

また、「その場の雰囲気を壊したくなかったので。それと上司からの指示だったのでどうしても断れずやるしかなかった。どうにか実行はしたものの内心は嫌だった。(広島県・35歳男性)」「クライアントからの命令のようなものなので断ると仕事に影響すると思い、断れませんでした(福岡県・54歳男性)」というように、今後の仕事の影響からイッキ飲みを断れなかったという意見も出ました。

イッキ飲みは時代遅れ、恥ずかしい、ダサい…

これまでの調査結果でイッキ飲み経験の実態が明らかになりましたが、令和になった今、世の中のイッキ飲みの印象はどういったものなのでしょうか。

まず、イッキ飲みを進んでする人に対してどのような印象を抱くかを聞いたところ、「時代遅れ」(54.2%)に圧倒的に票が集まる結果になりました。次いで、「見ていて恥ずかしい」(30.0%)、「ダサい」(27.2%)と続きました。

4位以降もネガティブな印象が続くなど、多くの人がイッキ飲みをする人に対して良い印象を持っていないことが分かりました。上位に「時代遅れ」「ダサい」が入っていることからも分かるように、現代人にとって「イッキ飲み」はスタンダードでは無くなってきており、無理して周りに合わせてイッキ飲みをしても冷ややかな目で見られていることが分かりました。

イッキ飲み男はモテない

また恋愛対象の相手に対してイッキ飲みをする行為についてどう思うかを調査したところ、91.2%もの人が「カッコ悪い(カッコ悪い・どちらかというとカッコ悪い)」と答えました。

男女別で見ると、男性は89.2%、女性は93.2%の人が「カッコ悪い(カッコ悪い・どちらかというとカッコ悪い)」印象があるようで、男女関係なくイッキ飲みをする人は恋愛対象として良い印象ではないことが明らかになりました。

意識している相手やお付き合いしている相手の前でイッキ飲みをしてカッコつけようと思う考え方は、今の世の中では古い考えになりつつあるようです。

スロードリンクが今どきでスマート

また、イッキ飲みをしている様子を見ると、ドン引いてしまうかどうかについては、「ドン引きする(とてもする、する、どちらかというとする)」と答えた人は79.8%という結果に。約8割の人がイッキ飲みという行為に対して引いてしまうことも分かりました。

ではどういった飲み方が好印象を受けるのでしょうか?イッキ飲みなどをし、短時間で大量に飲酒する「スピード飲酒」と、時間をかけてゆっくりと飲酒する「スロードリンク(R)」のどちらに好印象を抱くかを質問した結果、「スロードリンク(R)」が92.6%と、ほとんどの人が「スロードリンク(R)」に好印象を持っていることが分かりました。

飲み過ぎ搬送を見聞きした人が3割以上!

良い印象を持たれていないことが明らかとなったイッキ飲みですが、実際にイッキ飲みのコールに参加したことがある人はどのぐらいいるのでしょうか。質問したところ、31.4%の人が「ある(頻繁にある・時々ある)」と回答し、約3人に1人が一緒に飲んでいる人にイッキ飲みをするようあおった経験があるという回答が得られました。

なぜコールに参加してしまったのか理由を聞いてみると、「みんなでコールしなければならない雰囲気になっているから、自分だけ黙っている事はできない(埼玉県・36歳男性)」「その場の雰囲気を壊したく無かったから(東京都・35歳女性)」と、イッキ飲みを断れなかった理由と同様、場の雰囲気に合わせてしまい、やむを得ずコールに参加してしまったという意見が多数を占めました。

しかしイッキ飲みなどを行い、短時間でアルコールを摂取する「スピード飲酒」は「急性アルコール中毒」を招く可能性があり、場合によっては死に至る非常に危険な行為です。

実際に、お酒を飲みすぎて救急車で運ばれた、もしくは周りの人が運ばれた経験がある人の割合を調査したところ、「自分が運ばれた経験がある」人は9.0%で、「自分が運ばれた経験はないが、周りの人が運ばれた」人は25.2%と、3割もの人がお酒の飲みすぎにより救急搬送されたり、周りの人が搬送された経験を持っているという衝撃的な事実が明らかになりました。

あおり飲酒は犯罪です

イッキ飲みをあおることは、印象が悪く、またイッキ飲みをする当人も周りの雰囲気や上下関係などで仕方がなくやっているケースが多々ある中で、こういった危険な行為であるスピード飲酒を強要したり、また嫌がっているのにあおって飲ませると罪に問われることがあります。

実際に罪に問われることを知っているのか調査してみたところ、罪に問われることを「知っていた」と回答した人は過半数を超えたものの、47.6%もの人が「知らなかった」と回答しました。イッキ飲みの強要は命をも脅かす危険な行為であるのにも関わらず、その行為自体が罪に当たることを知らない人はまだまだ多くいるようです。

人ごとではない過失傷害罪、過失致死罪etc…

イッキ飲みの強要やあおりが犯罪に繋がるといったことが、まだあまり多くの方に認知されていないことが明らかとなりましたが、実際にどのようなケースが犯罪に繋がるのかをご紹介しましょう。

相手が酒に弱いのを知っていて無茶な飲み方をさせ、急性アルコール中毒になれば「過失傷害罪」、死亡すれば「過失致死罪」。上記の他に、酔い潰れた相手を放置した場合、「保護責任者遺棄罪」、死に至れば「保護責任者遺棄致死罪」に問われることもあります。

下のグラフは、東京消防庁管内で発生した、過去5年間の急性アルコール中毒による救急搬送人員の推移を表したものです。平成30年は17,755人であり、毎年1万人以上が救急車で病院に運ばれています。

また、月別の推移を見てみると、12月の搬送人員が1,955人と多いことが分かります。グループで盛り上がって飲酒する機会が多いことが、一つの要因であると考えられます。

急性アルコール中毒で搬送された人を年代別に見てみると、男女ともに20代の人数が突出して多いことが分かります。理由として、経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうことなどが考えられます。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。

アルコールは、摂取量によっては死亡することもあり、昨年は56人の方が生命の危険が強い重症者でした。たかがお酒、されどお酒です。せっかくの酒席がトラブルや参加者の不快に繋がらないよう、マナーを守って楽しく飲みたいものですね。

source: PR TIMES

image by: PR TIMESshutterstock.com

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