「桜を見る会」の話題ばかりに終始した印象がある臨時国会が、9日閉幕した。野党側が会期の延長を求めるものの、与党は拒否。疑惑は何ら解明されていない。そんな中、政府が最優先課題に掲げていた日米貿易協定が、与党などの賛成多数で承認された。あまり大きく報じられていないが、実は日本にとってとても大きな意味を持っている。
毎日新聞によると、「米国産牛肉で現行38・5%の関税を段階的に9%、豚肉は低価格品の関税を1キロあたり482円から段階的に50円までそれぞれ引き下げる」とし、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)並みの水準に段階的に引き下げられるという。
政府・与党が今国会の最重要課題と位置付ける日米貿易協定案が4日午前の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決し、承認されました。https://t.co/xx3vGjtIUv
— 毎日新聞 (@mainichi) 2019年12月4日
一方で、日本産の工業品の関税は削減・撤廃されるものの、アメリカは日本車の関税撤廃を見送る形となった。これについて、ネット上では「これが安倍首相のいうウィンウィンの関係ということか?」「日本全部で負けている」など疑問の声が挙がっている。
桜を見る会の裏で行われていた日米貿易協定。米国産の農産物の関税は引き下げ、日本の自動車の関税の引き下げ交渉はこれからという。これが安倍首相のいうウィンウィンの関係ということか?トランプはこの協定に勝利宣言をしている。また安倍首相の嘘が発覚だ。日本潰れるよ。 https://t.co/MyEdI3YLBg
— 渡部 深雪 (@mipom11) 2019年12月5日
日米貿易協定、7800億円分の米国産農産物関税をなくしたり減らしたりして譲歩させられてるのに日本の自動車関連への米国の関税はそのままって、ただの負け戦じゃね?しかもTPP対策ではあるらしいけど牛農家に国が補助、税金の持ち出しを増やすって、日本全部で負けてるやん。政府はなんぼほど貢ぐの?
— you-sak (@yousak3) 2019年12月5日
2020年に大統領選挙を控えるトランプ大統領は、成果をアピールするために発行を急いでいると見られ、今回決まった日米貿易協定は来年1月1日にもスタートを切る形だ。しかし、大統領選に向けたトランプ大統領の強気なアピールは日本に対してだけではない。
NHKが伝えたところによると、「航空機メーカーへの補助金をめぐって対立するEU=ヨーロッパ連合からの輸入品に、最大で100%の関税を上乗せする方針を発表」したという。対象品目は航空機の部品や衣類、果物。「発動時期は明らかにしていないが、来月中旬までに国内の産業界からの意見を集めたうえで判断する」としている。既にWTO(世界貿易機関)を通じて争いを続けているアメリカとEUだけに、両者の対立はより深まるといえそうだ。
米 EUに最大100%の関税上乗せ方針 対立深まる #nhk_news https://t.co/Ffh5h75NaM
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年12月7日
また、「米中貿易戦争」とも揶揄される中国に対しては、追加関税を発動させる構えを見せていて、今後の展開に予断を許さない。
強気なトランプ大統領にトランプに押し切られる形となっている日本。安倍総理が語る「WinWinな関係」とはとても言えそうにない。
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image by:首相官邸