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トランプ「再選の雄叫び」を背に日経平均株価は2万8000円へ。2020年世界経済展望=江守哲

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トランプ再選で超強気相場に発展?

2020年は判断が非常に難しい年になりそうです。世界情勢は引き続き混乱していますし、景気動向も不透明です。また、2020年には米大統領選挙があります。悲観的になりがちが状況ですが、私はそこまで悲観する必要はなく、適度に楽観的にあることが必要であると考えています。

米国では、12月18日には、米下院本会議でトランプ大統領を「ウクライナ疑惑」で弾劾訴追する決議案を可決しました。弾劾訴追を受けた米大統領は第17代のアンドリュー・ジョンソン、第42代のクリントンに続き史上3人目です。賛成に回った共和党議員はゼロでした。21年ぶりとなる米大統領への弾劾訴追は、大統領選を控えて深まる米国の分断を改めて浮き彫りにしました。

弾劾訴追もどこ吹く風、トランプ再選に死角なし

1月上旬には上院での弾劾裁判が行われる予定ですが、トランプ大統領を有罪と認定して罷免するには上院の出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。共和が過半数の53議席を占める中で罷免の可能性はほとんどないといってよいでしょう。ちなみに、ジョンソン、クリントン両氏は上院でいずれも無罪となっています。今回の弾劾訴追が20年の大統領選に影響することはないでしょう。

また、民主党の候補者も依然として突出した候補がおらず、混とんとしています。いずれの候補者もトランプ大統領の対抗馬としては力不足です。また、外交面で様々な問題が存在する中、米国が大統領を交替させる選択肢はないでしょう。これらから、トランプ大統領の再選は確実と考えてよいでしょう。

そのようなシナリオを前提にすれば、基本的にこれまでも経済・外交政策は20年も変わらないでしょう。対中・中東・ロシア政策への関心が高まることになりそうです。

しかし、先の米中通商交渉における「第1段階」の合意でもみられたように、米中両国ともに制裁関税の経済への影響を気にし始めています。

特に米国サイドは、12月15日に迫っていた、幅広い製品等に掛けられる追加関税の発動を見送り、さらにすでにかけられている関税の一部引き下げも受け入れました。これらの点から、中国側の交渉に成功したといえるでしょう。

弾劾リスクもあり、トランプ政権サイドがかなり追い詰められていたことが浮き彫りになりました。今後も米中通商協議は継続されますが、現在掛けられている関税の引き下げ余地があると考えれば、現状より事態が悪化する可能性はむしろ低いと考えることもできます。

株式市場は6〜8%上昇も。そのとき為替・金・原油は?

これらから考えると、米国株や日本株の6%から8%程度の上昇はじゅうぶんに妥当性があると考えています。また、FRBは政策金利を低い状態を維持しつつ、月額600億ドルの実質的な量的緩和策(QE4)を行っていることも、株式市場にはポジティブな要因となるでしょう。

一方で、米金利が上がりづらくなるものの、これがドル円を押し下げ、円高になることもないでしょう。過去のドル円の動きを見ると、強気相場(円安・ドル高)の場合には、10%の上昇が見込まれます。つまり、120円程度まで円安が進む可能性も考えることができます。

上記のように、不透明感が残ることで、米金利の上値が抑えられれば、金価格は引き続き堅調に推移しそうです。強気なパターンになった場合でも、1600ドル台前半まで上昇すれば、十分でしょう。

また、景気後退の懸念が低下することで、原油相場も高値圏で推移しそうです。株価の上昇も手伝えば、これまでの低迷期を脱し、20年の原油相場は上値を試す可能性もあるとみています。

なぜ私がこう言えるのか。ここから先ではこれらの根拠となる部分についてしっかりと解説していきましょう。

image by:a katz / ShutterStock.com

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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。

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