ボディメイクのプロが斬る!効く筋トレと効かない筋トレの違い

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筋トレを行っている人にお尋ねします。実際にトレーニングをする時、どんなことを意識してやっていますか?ただやみくもに行うことは良くありません。きちんと目的意識を持ち、より効果的にトレーニングする必要があります。メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の著者である桑原弘樹塾長が、筋トレを行う上での基本的な意識付けから、その実践方法まで論理的に説明してくれています。

筋トレ時に一番意識していること

Q. 筋トレをする時に、一番意識している事は何でしょうか?あるいは選手への筋トレ指導の際に、一番意識している事は何ですか?高校生の野球と、大学生のラグビーを担当しています。(41歳、男性)

桑原塾長からの回答

私が自分自身でも、また人に対して指導させていただく際にも最も意識することは、効かせる」という行為です。重さから逃げないという事も大切にしていますが、重量はあくまでも効かせるための重要な手段であって、それが目的ではありません。重量が目的になった時、それは競技になってしまいますから。
重量と同様、ストリクトなフォームも効かせるうえで重要な要素となります。

そして、重量とストリクトなフォームとは相反する要素でもありますから、ストリクトなフォームを前提に重さを追求していって、やがて重さが勝ってフォームが崩れるようになった時、ぎりぎりまで踏ん張ってフォームを修正する、の繰り返しになります。

そもそも効かせるという行為は、人間や動物の本能に反する行為でもあります。効かせたら動きは鈍くなりますから、走るにしても挙げるにしてもパフォーマンス的にはマイナスなのです。だから、意外にも運動神経のいい子は、筋トレが苦手だったりします。それはすなわち効かせるのが苦手なのです。まずは軽い物を重く感じさせるという、本能に逆らうような行為が筋トレの極意のひとつであることを意識して臨んでいます。

筋トレは速筋を意識せよ

二つ目には、速筋をなるべく意識するようにしています。一つ目の効かせるとういうのは、速筋に対して効かせるという意味だからです。私たちの筋肉は大雑把に分けて、速筋と遅筋で成り立っていますが、日常的に使っている多くは遅筋です。それほど大きな力を発揮するシーンは日常の中ではあまりありませんから。
一方、電車でずっと立っていたり、仕事中にデスクで一定の姿勢を保っていたりと、小さな出力ながら維持したり継続させる力は使うシーンが多いのです。

結果として、速筋に刺激を与えるという行為は筋トレのような特殊な事をしないと、なかなか効果的に行えません。そして、筋肥大は速筋が起こす現象ですから、スタミナもさることながら瞬発的な大きな力を発揮する必要があるアスリートにとっては、筋トレによる速筋への刺激が不可欠というわけです。

ところが、筋トレをすれば速筋に刺激がいくかといえば、それほど単純なものではありません。なぜなら筋トレですら、多くは遅筋を使っているからです。例えば、アームカールを10レップ行うとして、それが楽々できている場合は遅筋でこなしていることになります。

速筋は遅筋がギブアップして初めて刺激が行くという仕組みになっていますから、10レップのうちの8~9レップでしんどいなぁと感じるような負荷設定にしてやる必要があります。この時に、先の重さなのかフォームなのかの選択が必要になってくるのです。

ストリクトなフォームで8レップ目でしんどいなぁと感じられたら、それは軽い重量でもOKですし、重さを追求した方が少々フォームが崩れても8レップ目でのしんどさが体感出来るのであれば、重さを重視したらいいと思います。

いずれにしても、このしんどいと感じてからの1~2レップだけが速筋に効くのだという意識を持つことで、しんどさを乗り越える事が出来るようになります。やはり、理屈を理解しているのといないのでは、そこを乗り越える際の感覚が変わってきますから、学生に対してもそこを理解させる事は結果的にトレ強度を上げる事につながるでしょう。

三つ目に意識しているのは、スティッキングポイントです。これは、言うは易し行うは難しの典型ですが、一番しんどいポイントをしっかりと乗り越えられるか否かという点です。

スティックとは糊の事で、まさにグッと動きが止まってしまうポイントの事です。種目によっても、また個人差もありますが、必ずどこかで動きが鈍くなるポイントがあります。例えば、ベンチプレスの場合、一番バーを下げた状態がスティッキングポイントである事が多く、ダンベルプレスの場合は一番下から少し挙げた状態の所にスティッキングポイントがある事が多いと思います。サイドレイズの場合は肩から少し上の状態で、アームカールやプリチャーカールの場合は腕を一番下げた状態です。

どうしてもこのスティッキングポイントを避けてしまうのですが、このポイントこそが「おいしい」ポイントでもあります。

ベンチプレスをする際に、重さを追求していくとバーを胸まで降ろさずに行うようになりますが、そうなると、重さを重くしていっても効いたという観点からは効率が落ちてしまいます。スクワットも同様ですべてフルスクワットを行う必要はありませんが、自分なりの高重量をもっとも挙げられるというフォームの場合、スティッキングポイントを上手に避けているケースがほとんどです。

仮に重量が落ちても、そのポイントが効かせるための「おいしい」ポイントなのだという意識を持って、各自のフォームチェックの際にそのポイントがどこにあるかと、それを避けないようにするようアドバイスをしてあげてください。

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桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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