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案里氏への資金1.5億も「総理案件」。原資は税金、他議員の10倍も「適正」とする異常

安倍首相は27日に行われた衆院予算委員会で、昨年の参院選前に自民党の河井案里議員と夫で前法相の河井克行議員がそれぞれ代表を務める党支部に、党本部から計1億5000万円の入金があったことについて「政党本部から政党支部への政治資金の移転は何の問題もない」と述べた。また同日、自民党の二階俊博幹事長は、「最終責任は幹事長にある」とした上で、河井氏への優遇という批判があることに対しては「情勢によって党が判断するもので問題ない。時期や選挙情勢、当落の必要性を勘案して決める」と説明したことを共同新聞 、時事通信共同通信 などが伝えた。

この問題は、23日に発売された「週刊文春」が報じたことで発覚。案里氏は同日、記者団に対し「(1億5000万円を)いただきました」と認め、「政治資金収支報告書にしっかりと記載し、報告することにしているので、違法性はないと考えている」と述べていた。

しかし通常、党本部から候補者に提供される資金は1500万円ほどであり、案里氏は相場の10倍の資金を受け取っていたことになる。また案里氏と同じ広島選挙区から出馬した溝手顕正・元防災担当相には1500万円の資金しか提供されておらず、結果は落選。カネ以外の面でも案里氏側の陣営には安倍首相の秘書が派遣されていたり、安倍首相自らが応援に駆けつけたりしていた。安倍首相と溝手氏の間には確執があったとされていることから、「不公平ではないか」「党のカネの使い方として問題はないのか」と党内からも疑問や反発の声が上がっていることを朝日新聞 が報じている。

朝日新聞 はまた、「私にとっても想像を超えている。候補者に直接、党本部が政治資金含めて選挙活動費を振り込むことはありえない話。確かに、接戦の所は相場に上乗せすることもあるが、ちょっと桁が違うと驚いている」という自民党の下村博文・選挙対策委員長の発言を伝えている。下村氏によると、「(党本部の判断であるとすれば)二階幹事長か安倍首相の判断だろう」ということだ。

2019年分の政党交付金の総額は317億7300万円で、朝日新聞の試算によると、自民党には過去最多の178億9400万円が交付されたという。その原資となっているのは、国民1人あたり250円の負担金だ(朝日新聞 )。いくら“違法”ではないとしても、なぜ案里氏側の陣営に1億5000万円もの資金が振り込まれたのか、他の議員との差は何なのか、納得のいく説明をすべきではないだろうか。

Next: 与党議員も首を傾げる案里氏への巨額入金に、国民「納得できない」

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