災害ボラ受け付け「10秒」 QRコードで待ち時間解消―熊本の学生、アプリ開発

2020.02.10
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by 時事通信

スマートフォン用アプリ「災ボラQR」の開発リーダーを務めた熊本県立大4年の鈴木俊亮さん(左端)=5日午後、熊本市

スマートフォン用アプリ「災ボラQR」の開発リーダーを務めた熊本県立大4年の鈴木俊亮さん(左端)=5日午後、熊本市

 災害ボランティアの受け付けに要する時間を大幅に短縮できる無料アプリを熊本市の大学生らが開発した。2016年の熊本地震の教訓を踏まえて考案され、担当者は「1人10秒ほどで済むため、活動時間を長く確保できる」と話している。
 アプリはスマートフォン用の「災ボラQR」。ボランティア活動保険への加入を申告し、氏名や連絡先などを入力するとQRコードが表示される。被災地に設けられた受付でQRコードを読み込めば、パソコンに情報が取り込まれる仕組みだ。
 これまでボランティアセンターの受付では、参加者が氏名などを用紙に記入し、運営側はデータを手作業でパソコンに入力することが多かった。昨秋の台風19号で被災した長野市では受け付けに1時間半以上を要したケースがあり、「開始が遅れ活動に支障が出た」(同市社会福祉協議会)という。
 こうした課題の解消に向け、熊本市社会福祉協議会が18年、熊本県立大総合管理学部の飯村伊智郎教授の研究室にアプリ開発を依頼。所属する3、4年生計11人が約1年間かけて完成させた。
 開発リーダーで同大4年の鈴木俊亮さん(23)は「インターネット環境の整っていない災害現場で機能するよう工夫した」と話し、熊本市などが全国での利用を呼び掛けるという。(2020/02/10-13:10)

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