中国依存、リスク顕在化 新型肺炎で観光客減―愛知、静岡など

2020.02.26
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by 時事通信


 中国人客への依存度が高い観光地で、新型肺炎の影響が顕在化してきた。東京商工リサーチによると愛知県の旅館が今月、中国人団体客の予約キャンセルが相次いだことで事業を停止。愛知や静岡県、奈良県などは外国人客に占める中国人の比率が高く、今後、影響が拡大する可能性がある。
 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、外国人宿泊者のうち中国人比率が高いのは、静岡(64.6%)、奈良(54.9%)、愛知(49.3%)で、全国平均の26.5%を大きく上回る。山梨県、千葉県も4割前後と高い。
 さらに、静岡空港では、これまで週30便程度運航していた中国路線がゼロになった。中部国際空港も13日現在で1月1日時点に比べて6割減となり、足元ではさらに減っている。中国人客減少の逆風は一段と強まりそうだ。
 大和総研は今後3カ月で中国人客が150万人減ると試算。日本への旅行を避ける動きが海外で広がりつつあるとして、中国人以外も同程度減ると見込んだ。同社の神田慶司シニアエコノミストは「外国人に依存している観光地は今後、地域を問わず厳しくなる可能性がある」と指摘する。(2020/02/26-07:26)

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