訪日4000万人、絶望的に コロナ拡大で誘客困難

2020.04.03
0
by 時事通信


 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、政府が目指してきた2020年に訪日外国人数を4000万人に引き上げる目標の達成は絶望的となった。各国が感染症対策として移動制限などに踏み切り、訪日客が急減。日本を世界にアピールし、訪日客を呼び込む起爆剤となるはずの東京五輪も延期された。事態が収束するまで新たな誘客活動もできず、状況は厳しい。
 19年の訪日外国人数は3188万人だった。20年に4000万人にするには25%以上の上積みが必要で、もともと達成は難しいとみられていた。新型ウイルスの影響で、わずかな可能性も消えた。
 日本政府観光局が公表した訪日外国人数によると、2月は前年同月比58%減少した。3月は一段と悪化する見通しだ。
 赤羽一嘉国土交通相は「状況が落ち着いたのを見極め、反転攻勢に向け万全を期す」と語る。感染終息後、大規模な需要喚起策を打ち出し、疲弊した観光関連産業のてこ入れを図る考えだ。政府は30年に6000万人とする目標も掲げており、訪日客を伸ばす方針は変わっていない。
 観光政策に詳しい東京女子大学の矢ケ崎紀子教授は「これまでに訪日客を大幅に増やせたという点で、4000万人目標の目的は果たされた。今後は、企業の経営目標のような実態に沿った目標が必要だ」と話している。(2020/04/03-07:06)

print

人気のオススメ記事